●寒月に咲く/BLEACH

 BLEACHは番外編の使い方が上手いです。この前の雛森世代の3人の番外編の時は、雛森、イヅル、恋次がやがてそれぞれ別の道を行くというような暗示で締められていたんですが、ご存じの通り現在では事実そういう展開になりました。なんで、今回のラストも何かしら今後の展開への暗示が含まれていると考えた方が自然です。

 「昇り、輝き そして必ず散り散りになって離れていく」

 という日番谷のモノローグなので、雛森、日番谷、松本、藍染の4人も今後離れていく展開への暗示と取れます。既に藍染は離れていってしまったワケですが、日番谷−松本、日番谷−雛森も離れるっぽい。ただ、

 「ならば せめてその時が来ても 俺達は花火のように消えることなく 輝いていよう」

 で締められているので、離れるといっても、どちらかというとポジティブな離れって感じ?藍染にべったりだった雛森の再起は自立がテーマになると思われるので、離れても輝いていようという暗示は中々燃えるものを感じます。

●BLEACH

 「天挺空羅」は、物語を作る技術上の裏技って感じ。群像劇で複数の登場人物が別々の場所で行動する物語の場合、それぞれの登場人物間で持ってる情報に格差があり、その情報格差が原因ですれ違いバトルへ……って感じの作り方が王道だと思うんですが(現にそれでBLEACHこれまでやってきた)、あまりに登場人物が入り組み過ぎてきたためか(誰がどこまで何を知って行動してるのか、とかを考えるのが大変になったのか)、魔法的な能力で一瞬にして全登場人物間の情報格差をゼロにするという裏技を使っちゃいました。

 使っちゃうのは構わないんですが、ちょっとこの凄まじい能力を使うにしては物語の段階がまだ早いような気がしました。もう使っちゃうんだ、みたいな(それとも実はもう最クライマックスなんだろうか)。勇音さん何気に凄すぎです。裏技的な能力なので、色々な作品でクライマックスのキーで出てくる大技のような気がするんですが。『ドラゴンボール』のラストの界王様の能力とか、『ダイの大冒険』のラストのゴメちゃんの最後の力とか。

◇そしてまたボス級と対面しちゃう恋次

 これだけ前座的にバトルさせられる役のキャラになると、逆に真に勝利する熱い展開がいずれ訪れるという希望を抱きたくなってきます。

●ONE PIECE

 ルフィまたハサまってました。これはただ単にまたハサまっちゃったよ!というギャグ描写なのか。
 繰り返し今シリーズでハサまっちゃった描写を入れてるというのは、何かしら今シリーズのバトル辺りでハサまっちゃったギミックを使うんじゃないか?なんて考えるのは深読みし過ぎでしょうか。空島篇の腕に黄金付いちゃったのがギミックに使われたような感じで。

 パウリーの「――もうあんな思いするのは おれとあなたで……充分でしょ」も熱い。結果としては仲間(ロビン)に裏切られなかったのはルフィ達で、仲間に裏切られたのはパウリーとアイスバーグさんだったという対比。「仲間」をキーに掘り下げまくってるなぁ。

●D.Gray-man

 ミランダ編と同じく、エンディングを結ぶ視覚的演出がキレイ。ミランダ編もラストの幸せそうな夫婦とミランダがすれ違ってアパートから出て行く演出がステキだったけれど、今回の御祖父様の所有物しかなかった城を炎上させて旅立つという演出もステキ。この漫画は登場人物がエクソシストとして生きていく決意する回が美しいです。

 そして、クロウリーに決意を促したアレンの言葉が、「アクマだから壊す→エリアーデもアクマだから壊した」という「理由」のために生きていけというように、前の白黒云々の比喩だったら、「黒だから壊す」を正当化した、現時点では二項対立な答えなのが熱い。これはそのウチ本当に白黒で割り切っていいの?という展開になっていくタメだと思いますが、現時点では白黒割り切ってます。そう考えると、主人公特権の設定がその白黒を見破れる能力というのは、かなり熱いもののように思えます。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 ドーピングコンソメスープは笑った。最後は犯人とバトルになるという展開で、推理モノ云々の型を余裕で破ってるだけじゃなく、犯人がバトル漫画ばりにドーピングで巨大化というのが面白かった。この面白ければOK的なこの漫画のスタンスは大好きです。

 弥子を利用してるだけのネウロが、たまに弥子の内面を適切に代弁してる辺りがピコ深い(「食べる事はそれ自体が幸せだ」と そんな事はこの僕でも分かるというのに……の辺りとか)。

●銀魂

 銀さんが神楽を引き留めなかった理由が感動的なテイストで回収されて良かった。親父燃え。カッコいいハゲ親父というのを描ききってくれたのが良かった。身体的特徴云々と過敏に反応する人も世にいますが、こうやってネタにしつつカッコよく描いたりすることでこそ差別感とか無化されていくんじゃないでしょうか。

●ユート

 登場人物をほぼ瀬尾と吾川にだけ絞った1話。対照的な二人の掛け合いは面白いです。今の所スケートの方の物語より、雄斗の家庭の、父親が遅くなって自分でご飯炊いてレトルトカレーという描写とかの方が気になる。今の所雄斗の家庭の描写はネガティブ描写だよなぁ。そこから抜け出すようにスケートに打ち込んでいくんでしょうか。しんみり家庭描写に吾川からの電話が鳴る所は良かった。これは陽気をいっぱいに詰め込んだ吾川がこのしんみり家庭から雄斗を引っ張っていく展開かな。

●いちご100%

 美鈴のキャラクターとしての役割が完結したって感じがしました。尊敬する東城先輩の想いを間接的に真中に伝える今話が美鈴物語の最ヤマのような気がします。もう、最終回まで特に美鈴にスポットが当たらなくても納得できるくらいです。そして、そんな一登場人物的には最大の見せ場を、シリアスビジュアルじゃなくてエロメイドコスプレでこなさなくてはならない辺りがいちご100%です。

●武装錬金

 「ごきげんよう」は『マリみて』知っててやってるんだよね?宇宙から降り注ぐアイデア波(吼えろペンネタ)が和月先生と今野先生を同時に直撃してたとかじゃないよね?『ネウロ』の「俺の料理は至高にして究極だぁ!」の台詞とか(美味しんぼネタと思われる)、多作品ネタが結構見つかった今号でした。

 本編の方は久々のギャグパートで面白かった。斗貴子さんがいないと御前様がメイン突っ込み役にならなきゃならないのが面白かった。

 そして登場した少女は脇キャラにしては髪を凝らしてみたりで「立っている」ビジュアルをしてる点に、意味深な「そう――なんだ…」のコマに一人何か気付いたっぽいパピヨンのコマが挿入された点とで、結構重要キャラっぽいですよ。 まひろが抜けた分のヒロイン補強でしょうか。次回楽しみです。

●ワークワーク

 ヨキの使い方が効果的。2ページ目からワイワイ集まってくれるプラちゃんらをしり目に、冷めた表情してて、そこから後半の「私達は滅びたのだ」までの語り。奇跡なんか起きないという諦観した思考で絶望気味のヨキを描いたからこそ、だからこそ、ラストの「私は…あなたにどう報いればいいのでしょう… …せめて せめて命をかけて」の神様のシーンが、それでもっ!って感じで感動的だった。

 シオと神様お互いが命をかけたここ数話のクライマックスだけでも第1話から追いかけてきた甲斐があったなーと思っております。

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