「空にはね、小さい頃からずっと想いを馳せてた」

 「分かんない、ただ、もう一人の自分がそこにいる、そんな気がして」(観鈴)



 超 傑 作 。

 電撃G'smagazine4月号のアニメ版『AIR』特集記事にて、シナリオ原作の麻枝さんが、

 「京都アニメーションさんに、菓子折り持ってお礼に行きたいくらい。インタビューしていただいてなんですが、『すごい』以外に、あんまり話せることがないんですよ

 と語っておられますが、この「『すごい』以外に、あんまり話せることがない」という部分、これがこの作品、壮絶に決まってます

 マジですごい。

 僕は滅多なことではアニメのDVDは買わない人なんですが、それが前作『SEED』最終巻と『イノセンス』以来ついに手を出してしまったと言えば僕の感動っぷりが伝わるでしょうか。

 まず、とにもかくにも絵が超綺麗。実生活の旅行で避暑地に赴き、そこでフと気付く世界の美しさ、とりとめのない風景に目を見やる……と、そんな詩的な感傷に、パソコンのモニターの中の風景で浸れてしまえるほどに、『AIR』の世界観を形作る風景描写は美しいです。原作で文章+いくつかのイラストで形成されてたあの『AIR』作中の町を、雰囲気をそのままに立体的に肉付けして再現してるのが凄まじい。あの夏のあの町にモニターの前でトリップです。この世界観(世界っつーか町なんですが)の映像での作り込みはマジで半端じゃないです。町が、海が、そしてタイトル『AIR』にちなんで「空」が、超美麗に描き込まれています。ただその点だけでも、視覚野的快感を求めて繰り返し鑑賞するのに耐え得る傑作です。

◇ストーリーの方

 壮大な原作を12話1クールに詰め込んでるのでやや駆け足なのはしょうがないんですが、要所要所はポイントで押さえているので、凝縮された感じの完成度の高さは感じることができます。ストーリー構成も原作に忠実なのが好感。多少ネタバレすると、『AIR』は序盤の物語の様々な一場面一場面で視聴者が感じてた印象が、後半の種明かし編的な部分に触れた時にまったく別の意味合いに裏返るのがステキな部分で、最初読んだ時は別な意味合いに映っているという真の意味での伏線が張ってある作品なんですが、その部分も原作に忠実にアニメ版でも構成してるのがスバラシイです。この第01話で描かれるヒロイン観鈴ちんの笑顔。これが後半を視聴した時に、その隠された意味合いに視聴者は気付くように構成されています。そして、そのような物語構造上のトリックは気付かせないように、今巻では普通に観鈴ちん可愛いなー、モエだなー、だけで視聴者は楽しめるように作っているのがスバラシイ。とりあえずはそのままの第一印象で観鈴を、母の晴子を好きになって下さい、そして後半に明かされる裏の意味合いで泣いて、さらに二人を愛して下さい。そんな気概を感じる作品です。

◇アニメ版未見の方へ

 DVDは初回限定版と通常版の二つがありますが、初回限定版の麻枝氏のメッセージカードの方は、パッケージイラストのカードにショートポエムがついてるだけというものなので、特にこだわりがない人は通常版でもいいかもしれません(僕は初回限定版で買ったワケですが)。

 ◇

 音楽を全部原作のモノを使ってるという、その原作リスペクトっぷりもスバラシイんですが、その音楽の使い所がまた分かってるなーという感じでスバラシイ。冒頭の主題歌『鳥の詩』に入るタイミングとか、第01話ラストのクライマックスで『鳥の詩』のBGMでガーっと盛り上がって帰結する部分とか。最近見てるSEED DESTINY、ツバサ・クロニクルなんかもそうですが、このように各話のクライマックスをコレだ!という1曲で盛り上げる作品が好きみたいです、僕。

 つーワケで激しくお勧めの1作。原作ファンは勿論、時間なくて原作プレイできないという人はアニメ版で感動の要所だけでも把握してほしいような、そんな作品です。

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