だがヤツらが離れたというのは幸いか、ラクス・クライン、そしてキラ・ヤマト」(デュランダル議長)

 超高密度な議長の台詞でOPへの27話。
→この台詞から読みとれる事実。

・「ラクス・クライン」と言い切ってるので、シャトルハイジャックが本物のラクスの仕業だと感づいてる。その上で「ヤツら」と敵意的なニュアンスで呼び捨ててることから、本物のラクスが現れたらちゃんと尊重しますよ?的な、議長=『理想の「白」』説は今話で瓦解。19話で「こんなことばかり繰り返す我々に、彼女はもうあきれてしまったのだろうか?」とか、本物を尊重するようなこと言ってたのもアスランの前での詭弁。アークエンジェルの動向をアスランに探りを入れていたのも、「やっかいな存在」の動向を把握したかったがためと思われる。

・議長がチェス盤&チェスのコマとセットで今までずっと描写されていたのは確か。今回でも大々的にチェス盤が演出の表に出されていたことから、アークエンジェル=唯一チェスのコマを進めるように(議長の思惑通りに)動いてくれない議長にとっての「やっかいな存在」というのを暗示しているものと思われる。そのアークエンジェルが有するモビルスーツの名が我らが自由(フリーダム)というのは燃える設定。

・「そして」ともったいぶってキラの名を出していることから、単に前の戦争で活躍したフリーダムのパイロットのキラ君的な意味合いで出してるワケではないと思われる(そもそも、アスランとカガリが大戦の英雄になってるという情報は描写されてる一方で、キラ&フリーダムに関しては「ヤキン・ドゥーエのフリーダム」といった程度の「伝説上のMS(小説版では明言)」みたいな感じでボカされて作中世界で語られてるのが分かっている。キラが普通に「そして」とか言われるほど作中で有名人とは思えない)。よって、議長絡みの伏線で描写されてる通りメンデル絡みで、「スーパーコーディーネーターの完成品であるキラ・ヤマト」というニュアンスを強くもって、「そして、キラ・ヤマト」なのだと思われる。

・つか、前作のフリーダム登場回と今作のセイバー登場回を演出でシンクロさせた時点から暗示されてた、ラクスVS議長必至の展開。これは燃える。

 その他、台詞とは直接関係ないけど、議長絡みの重要描写。

・不満な表情のミーア。先週マジ切れしてた描写からも分かるように、最初アスランに語ったような「今は憧れのラクス様の代わりでもできることを」という殊勝な気持ちは薄れ、「今では私がラクス・クライン」的な傲慢な気持ちに変わってきてるものと思われる。

・ジブリールが知ってる「デストロイガンダム」の存在を議長も知っているという描写。アークエンジェルの情報を集めるのに苦労してるレベルの情報収集能力なので、単純にプラントの情報収集能力が優れてるがゆえに敵MAの最新情報が入ってきたとは考えづらい。何者か議長へ情報をリークする存在があるor議長自身が兵器開発に一役買っているなどの展開が考えられる。

 ……と、アバンでちょっと喋っただけなのに議長絡みの情報が多い今話でした。



 第2クールは「ミネルバサイド」VS「アークエンジェルサイド」の対立による正義の相対化というのが今作の視点の一つでしたが、第3クール、てか今後は「真」VS「偽」の対立が一つの視点になるのではないかと思ってます。

 正しさが相対化されれればされるほど、最終的に判断の基準となるのは単純な真偽値のみになってきます。「何が正しいのか?」という漠然とした問いに対しては答えは万別で正しさは相対的にしか出せないけれど、「何が本物なのか?」という問いに関しては単純な0or1の真偽値で「真実の」答えが導きだせます。「前作でヤキンで戦争停止を呼びかけたラクスはどっちなの?」という問いに関しては、「相対的だ」ではなく、「いや、本物のラクスの方」という真実の「答え」を出すことができます。

 このラクスVSミーアの真偽対決だけではなく、ムウVSネオの真偽対決など、後半クールはストーリー上重要な真偽視点の対決が待ってます。特に重要なのが、「本物の記憶」VS「偽りの記憶」の真偽対決。アウルもスティングもステラを忘れてしまい「偽りの記憶」に今は生きてますが、果たしてそれはステラがいた「本物の記憶」と比べてどっちがイイの?という視点です。

 「なーんか、大事なこと忘れてる気がするんだよなー」(アウル)

 のアウルの台詞が泣ける。

 楽かもしれない「偽りの記憶」よりも、つらくても尊い「本物の記憶」を、そう裏返る展開があるとすれば、その時こそが僕的ファントムペインの作中正義への裏返り化現象です。つらくても尊い「本物の記憶」を地でいってるのがシン。どんなにツライ記憶でも、持ち続けて突き進む。やはりシンはヒーローです。突き進んだゆえが破壊や悪に辿り着いたとしても、そこに真実が掲げられるならダークヒーローです。

 おそらく単純に「真」の方最高……という描き方をするんではなくて、「真」と「偽」、どっちが幸せなの?的な思考誘導をしながら描いていくんだと思うんですよ。最初は「偽」でもミーアについて依存して戦争に向かっていた方が楽だし、正しい。そこに「真」である本物のラクスがエターナルに乗って現れたとしても、状況は混乱してかならずしも万人にとって幸せということにはならないでしょう。しかし、それでも、「真」を選ぶ尊さを叫ぶ。どんなに楽でも、真偽値だけは偽れない。1+1=3とかは認められない。ツラくても真実の側にいたい。幾人かの登場人物がそういう帰結を選ぶ……という所に物語が着地するとしたら、やはりDESTINYは僕にとって心に残る作品になると思います。そのテーマを担うのが「本物の」ラクスだとしたら、ますます「やっぱラクスイイな」状態になりますね。

◇ミリアリア

 「エルスマンとは?」(チャンドラさん)

 フッちゃった」(ミリアリア)

 ディアッカ……_| ̄|○

 非所属ミリアリアがアークエンジェルに戻っちゃったのは残念な気もするけれど、このまま背景オペレータ化するのではなく、まだまだミーアを激写してた伏線があるんで、ラクス−ミーア絡みでもう一物語あると信じます。

 でもやっぱ、イイね。

 「世界も皆も好きだから写真を撮りたいと思ったんだけど、今はそれが全部危ないんだもの。だから守るの、私も」(ミリアリア)

 が泣ける。

 カッコいい解釈は、前作ラストのキラの「それでも、守りたい世界があるんだ!」を、ミリアリアも通信を通して聞いていたという解釈でしょう。それゆえの、キラへのウィンク。ミリアリアにとっては「世界を守る」ための選択肢はアークエンジェルなんですよ。相対化され批判の対象になってる場所へ迷い無く戻ってくるのが熱い。ミリアリアは信じてるんですよ、アークエンジェルを。キラを。

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