「死にません。まだやらなきゃならないことがあるのに、死んだりしません」(小狼)

 密 度 高 ッ 。

 原作では、正義くんがプリメーラちゃんを守るために「強くなるんだ!」と咆吼して1話、覚悟炸裂で小狼くんが羽を取り戻して1話、「あなた、だあれ」で小狼くんが泣かないナミダを流して1話、旅立ちで1話……と1話1クライマックス計算だと4クライマックスあったんですが、アニメ版ではこれらを全て1話にまとめてきました。ゆえに、どの台詞を引用するべきかかなり迷ったんですが、やっぱり『XXXHOLiC』と関連させての「本当の覚悟」がツバサのテーマの中で一番好きなので、覚悟炸裂の小狼くんの台詞を選んでみました。「僕はしにましぇん」的に運命にゆだねてるがゆえの「死んだりしません」ではなく、自立意志で、何を失ってもやると決めたことをやり遂げるという「本当の覚悟」からくる「死んだりしません」です。

 そしてXXXHOLiC的に「何かを失うとしても」の部分が、すぐさまサクラは小狼の記憶を失っているという事実によって突きつけられます。されど小狼くんは有言実行の男なので、そこで涙を流してグチったりしません。流すのは「泣かないナミダ」のみです。

 そんな小狼くんを買い始めてる黒鋼が、

 「下を向くな、やらなきゃならねぇことがあるなら、前だけ見てろ」(黒鋼)

 と、近過ぎず遠すぎずな関係からエールを送り、小狼も過度に受け取りすぎず邪険にもせずに自然に励まされて新世界への旅路へ。

 ラストの、

 「大丈夫です、オレがついてますから」(小狼)

 はアニメオリジナルの台詞です。「あなた、だあれ」から「泣かないナミダ」を流して下降してた小狼くんの心が黒鋼のエールでよみがえり、言葉通り前を向くことに……という流れでラストを前向き部分で締めるナイスな追加だったと思います。失った関係性があったとしても、未来に新しい関係性を作ればいい。04話冒頭のサクラのアニメ版オリジナルのモノローグといい、アニメ版はこの点を前面に押し出していくみたいですね。

◇ピコポイント

 アニメ版ではカットされましたが、原作版では旅立ちの際に小狼くんが正義くんに一台詞かけます(太字強調されてる結構重要台詞だったり)。正義くん物語の締めになるシーンなので、正義くん視点の「強さ」をテーマにした物語の帰結をもっとしっかり味わいたい人は是非原作版を手にとって読んで頂きたい部分です。

◇フライング燃え予告

 次回より高麗国編の模様です。激燃えの小狼くんの後ろ回し蹴りシーンやいかに演出されるのか。ツバサにハマるきっかけになったのが今回の「死にません。まだやらなきゃならないことがあるのに、死んだりしません」と、高麗国編クライマックスの小狼くん後ろ回し蹴りシーンで飛び出す小狼くんの台詞だったりします。期待して待ちたいと思います。

 それにしてもアニメ版に合わせて原作も再読する楽しみは中々オツなものがあるなー。


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