キラ負けたー!!!

 確かにここでキラが勝っちゃうとやっぱり前作の正義を掲げて闘う者が強いということになって、シンサイドの今作の正義を描いてきた意味がなくなっちゃうんで妥当なんですが、こんな完膚無きまでやられるとは思わなかった。前作の正義の象徴敗北。「憎しみの連鎖を断ち切る」、「できるだけ殺したくない」と「理想」を唱えても、「殺されたら殺し返す、憎しみは全うすることでしか浄化されない」という「必殺」の「現実」の前に敗北。討ったら討たれる、これが「現実」。
今話ラストのソード一本でのインパルスのフリーダムへの特攻は、前作最終話のビームサーベルでのフリーダムのプロヴィデンスへの特攻を想起させます。キラ、前作ラストは結局フレイを殺された憎しみを抱えて殺意をもってクルーゼに特攻するしかありませんでした。憎しみを断ち切る、できるだけ殺したくないと「理想」を唱えても、結局こうなるのかという、「結局何もできなかったラスト」。それが前作のラストです。そして殺せば殺される。クルーゼを殺したキラ、回り回って、クルーゼに縁ある議長とレイを背後に持つシンによって討たれます。憎しみの連鎖未だやまず。この時点ではまだ、前作ラストに滅びの運命を完膚無きまで語りきり、諦観の笑みを浮かべて死んでいったクルーゼが勝者のままです。  第32話の感想で書いた通り、大事な人を二度とも守れなかったという共通の経験に辿り着いたシンとキラ。そして、そこから二度目の守りたかった人(シンにとってのステラ、キラにとってのフレイ)の仇に向かって特攻してそれを討つ……という所まで、今話でシンとキラに共通の経験が描かれました(逆に対比点としては、キラは一人目の守りたかった少女エルの仇に対してはイザークを許すという形で憎しみの連鎖を断ち切ることに成功したのですが、シンはマユを殺した存在に対してはオーブやアスハに怒りの矛先を向け続けたという点が異なります)。前作のキラのifとしてのシンというキャラを立てての、前作のリフレインという物語の構造が一つあったDESTINY。ようやく、前作の最終話までのリフレインが完了しました(派手な爆発演出を背後にソードでの特攻という絵にもシンクロを感じます)。ここからが、前作に無い本当の意味での続編の物語です。

◇本当の意味での続編予想

 一つは、シンはあくまで前作のキラのifとして描かれ続けるのではないかということ。キラは前作ラストでクルーゼを殺した後、「力」を捨てて心にダメージを負いながらの隠遁生活に入りますが、シンはこのまま「力」に傾倒して突き進んでいくのではないかという点。ここが、前作の続きとしての、「力」肯定のシンという主人公の行く末として非常に興味深い点です。

 二つ目は、シンに討たれたキラは、キラに討たれたクルーゼと違って運命の諦観者ではないという点。クルーゼは「それみたことか」と言わんばかりに諦観の笑みを浮かべてキラに討たれて消えていきましたが、キラは「カガリをオーブへ」とあくまで「理想」を繋ごうとする行動の途中でシンに討たれました。おそらくキラはもう一度立ち上がるのでしょう。そこから、クルーゼの諦観のまま物語が閉じた前作の真の「続き」が始まるんだと思います。クルーゼの諦観に対して「それでも守りたい世界があるんだ!」と反逆したキラの、今再び憎しみの連鎖の中にシンに討たれて、クルーゼ的諦観がやはり正しかったのかという状況に追い込まれたキラの、「それでも!」という最後の反逆が描かれるものと思われます。「最後の切り札」(公式サイトより)ストライクフリーダム発進回。今から楽しみに待ちたいと思います。

◇やはりもう一度オーブが舞台になる

 オーブ内部にもロゴスがという、オーブ戦場への含みを十分に持たせながらアークエンジェルがオーブへ。カガリの「現実」への帰還です。オーブを舞台にした第08話「ジャンクション」はコレでもか!というほど回帰点になりそうな雰囲気を出していたので(現に今話でタリア−マリューの関係の回帰点として機能)、これは納得です。あとの興味はこのカガリの帰還劇の中で、カガリはアスランに出会えるのかどうか。このままオーブが最終舞台でもいいくらいな気がしてるんですが、やっぱり王道として宇宙編があって、そこまでキラ−ラクス、アスラン−カガリ、あるいはキラ−シン、カガリ−シン、といった主要ペアの再会は無いのかなぁ。ラクス宇宙にいるしなぁ。次回予告でラクスのバックにドムトルーパー映ってたしなぁ。

◇今週のバトルギミック

 カキョカキョと分離・合体を繰り返しながら攻めるインパルスが面白かった。頭部破壊にバク転してからの切り込みと、フリーダムの方は視聴者にもお馴染みのいつものお得意戦術を繰り広げるんですが、それがことごとく視聴者初見のインパルスのビックリギミックによって返されていくのが面白かった。ラストのフォースの推力でソードを持って突撃は、ガンプラで遊んでるうちに子どもが生み出したようなアイデアで燃えました。ガンプラなめんな!という咆吼が聞こえたような気がしました。

◇今週の何気にスゴイ描写

・ノイマンさんの操縦

 ギリギリで避けるノイマンさん燃え。23話のチャンドラさんの不殺攻撃とイイ、アークエンジェルのクルー二人は優秀です。

・そのノイマンさんの操縦で大変なことになったであろう天使湯

 ゆうに90°くらい傾いてました。お湯が心配です。

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