「私の力は誰かを幸せにするためにあるんだ」(春香)
今週は当然原作の中でも僕が好きな屈指の台詞、
「……庇ったりしない、どこを怪我していようが関係ない、やると決めたことはやる、それだけだ」(小狼)
を引用することになると思って観始めたんですが、なんと、原作で見開きで大々的に描かれたこのシーンは前半のピコクライマックスで、後半の本命クライマックスは春香ちゃんを主役に添えての母との対話のシーンでした。サブタイ見た時からそんな気がしてましたが、オリジナル要素の方をクライマックスに構成してきました。
だが、それが結構良かった。
一つは『ツバサ・クロニクル』の感想では何回も書いてるように、このアニメ版は原作をちょっとだけブレイクして聖女ベクトルでサクラが序盤から活躍するように描かれてる点。その方針にブレがない感じで、今話でも春香の母親の魂を宿すという、巫女ベクトルという、まさに聖女ベクトルでちゃんと物語の中に役割が組み込まれていました。それが良かった。
二つめは、これは次週明らかになる点ですが、展開上、オリジナル要素とはいえ、ここで春香がサクラを通して母親と対話したのが、この高麗国編のクライマックスでの春香の台詞にかかってくるように構成されている点。アニメのオリジナル要素なんだけど、ちゃんと高麗国編全体を見ると伏線になるように構成されてます。これが結構美しい。
三つめは、理屈抜きに親から子へ連綿と受け継がれる精神(教え)というのがシチェーションとして良かった。歴史、古い物、連綿と続く時間……なんてものを尊重する小狼くんのキャラ設定にもかかってきてツバサのテーマと矛盾しないし、敵キャラのネガティブ描写としてそういう「過去との繋がり」である春香の母親の扇をぞんざいに扱う領主の息子……というシーンがタメとして描かれていました(これもアニメオリジナル要素、オリジナル要素を上手く物語構成に組み込んでるのは本当ツバサ・クロニクルは上手い感じ)。そんなぞんざいに踏みにじられた「繋がり」の描写があったからこそ、それでも母と娘は繋がっていて、大事なことを伝えていくんだ……という今話のクライマックスは普通に中々良かった。
「私の力は誰かを幸せにするためにあるんだ」(春香)
劇中では秘術というはなはだファンタジックな「力」ですが、現実の様々な「力」に置き換えても通じるものがあるイイ教訓だよなーと思って観てました。さすが教育テレビでやってるだけあります(^_^;
キンヤ『BLAZE』
坂本真綾『ループ』
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ツバサ・クロニクル Vol.1
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