「今の俺にできるのは頑張ってるヤツを応援することくらいかな」(ザンキ)

 猛士の資料に目を輝かせる明日夢くんの絵が印象的です。鬼になる気はないと言明している明日夢くんですが、サポートする役なら……と興味を示しているシーンのように取れます。「たちばな」で働くことを通して、サポートすることにやり甲斐を感じ始めてる明日夢くんが描かれてるのでとても自然な流れです。

 この明日夢くんの場面で「サポートすること」に関する意識を視聴者に提示しておいて、そこから自然に新人のトドロキさんにはサポートが必要……という話の流れに繋がります。トドロキさん、ディスクのメンテが間に合ってないとか、戦闘後にかき鳴らしまくりとか、前話で「?」マークで描かれていた描写は、新人なりにイッパイイッパイ頑張ってたがゆえと回収されました。そんなトドロキさんの周りに集まるヒビキさん、香須実さん、ザンキさんの面々というシチェーションで、同じく「サポートすること」には熟練している香須実さんから、ザンキさんへとトドロキさんのサポーター転向をそれとなく打診。このシーンが十六之巻から続くトドロキさんを温かく見守っている猛士の先輩達という雰囲気が十全に感じられて良かった。この、サポーターの大事さを描くというのが渋すぎでかつ子ども向け番組として良質過ぎです。ヒーローが活躍できるのも大勢の人達のサポートがアレばこそ。天才独善型のヒーローを掲げる子ども向け作品とは真逆の、共生、協力の魅力、大事さを前面に押し出している作品です。

◇バトルも協力型

 ヒビキさんの単独バトルが無くなったのは、演じる細川茂樹さんのスケジュールの都合上という側面があるのだろうと思ってますが(『義経』にも出演されてるので超多忙だと推測され、アフレコをはじめ、できるだけ細川さんの出番を少なく押さえるように配慮されてるように感じます)、結果的にヒビキさんが遊撃班という役所になって、毎回毎回響鬼単独ではなく、威吹鬼or轟鬼との協力型バトルになるという展開は「協力型」の魅力を前面に押し出すという意味で子ども番組として上手く機能してるのではないかと思います。ヒーロー物で作品の魅力を出していく方法には、主に「努力型」、「協力型」、「天才型」の三つがあると思ってるんですが、『響鬼』は最初、「鍛える」をキーワードに「努力型」で入ってきて、最近は「協力型」に移行して作品の魅力を作ってるように感じます。実社会でも大抵の場合何かを成し遂げるのに必要なのは「努力」と「協力」だと思うので、実際に視聴してる子ども向けにそのようなメッセージを意識して発してるように感じます。ここ数年の平成ライダーにはない、寓話的というか教訓的なメッセージが入ってる作品です。

 そんな感じで今話の教訓。

1.サポートする人も大事。
2.「自分なり」ならかき鳴らしまくりもOK。


 東映公式の次回予告より、残念ながら次週6月19日は放映お休みです。

 ここ数年の平成ライダーだと、スッゲー続きが気になる所で「次週休み」が入ってたんだけど、『響鬼』はこれまでの所完全な2話で一区切り制なので、ちょうど一区切りの所で休みが入ってストレスが薄いですな。


仮面ライダー響鬼 VOL.1


オリジナルサウンドトラックアルバム 仮面ライダー響鬼 音劇盤

→かぶりたい

仮面ライダーヒビキ ヘルメット


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