ウズミの否定者シンVSウズミの肯定者カガリという序盤に描かれていた対立の構図にこの終盤で再び回帰してるのは熱いです。そんな二人が根底では同じ戦争否定者というのも熱い。序盤押され気味だったカガリが今度はウズミの意志が込められた黄金のMSでビジュアル的にも思想的にもパワーアップしてるのも熱い。
◇カガリ物語の一つの着地

 「力」に関する物語と「役割」に関する物語がカガリにはあって、「力」に関しては第01話から否定気味、「役割」に関しては14話でアークエンジェルにさらわれてから放棄気味と、アークエンジェルサイド、理想サイドと僕が呼んでる方に流されてたのがカガリなんだけど、そこからついに「力」を取り、「役割」を全うするという現実に帰還する所が今回は描かれましたよ。この理想と現実の二つの立場を地べたを這いながら経験してきたカガリが、「力はただの力、多くを望むのも愚かなれど、むやみと厭うのもまたおろか」という両者を合わせるかのようなウズミ様の言葉に回帰して出撃した今回が、DESTINYのカガリ物語の一つの着地なんじゃないかと。アカツキとウズミ様の遺言を前に、前作01話のオーブが開発したストライク(力)らを見て嘆くカガリ、前作第2クールの力に振り回されていた頃のカガリ、今作第01話の過ぎた力は争いを呼ぶと議長にくってかかるカガリと、カガリの「力」にまつわるシーンを総回想してたのは熱かったですよ。SEED〜DESTINYの「力」に関する物語はカガリを通してここで着地でいいかな。中庸というか何というか、普通って言えば普通の着地なんですが。

 今回は「役割」のカガリ物語の方も熱かったです。14話時点ではユウナの方が為政者としての役割を全うし、カガリはさらわれて放棄し……だったのですが、物語を経て、ユウナの方が「また負けたらお前のせいだからな」と役割、責任を放棄し、カガリの方が全ての責任を引き受けて役割に返り咲くというように逆転しました。思うにこんな感じの前半−終盤で「役割」に関する登場人物のアプローチが逆転する……というのが一つ物語上のギミックで、アークエンジェルサイドとミネルバサイドのスタンスは両方ともあり得るものだ……というのを描こうとしてるんじゃないのかなぁ。ここまでアークエンジェルサイドで為政者という役割に関して放棄/自由だったカガリが全うする側に逆転し、ミネルバサイドで軍人という役割に依存/全うしていたアスランがそこから自由になる側に逆転してるワケだし。この予想からすると、さらにアークエンジェルサイドで歌姫の役割を放棄していたラクスが再び役割を全うする方へ逆転、ミネルバサイドで役割を全うしていたシン、ミーア辺りは自由へと逆転……という流れが予想されるんですが。神、支配者の役割を全うせんとする議長が自由へ……までが描かれたとしたら大団円なんですけどね。

◇ネビュラ勲章

 前作ではネガティブ記号のアイテムだったネビュラ勲章が今作ではポジティブ記号に。実際、与えられた枠組みの中で結果出して称えられるというのは共感できる部分です。ただ、枠組みを与えてくれる側(議長)が実はヤバい可能性もあるというマイナス面も同時に描かれているだけで。ヤバ気だけど、枠組みが気に入らなかったら自分で枠組みを作ってやるという議長の心意気には結構共感できる部分があります。DESTINYの中では運命だとか世界だとか、デカい話になってますが、基本的に議長はFATE(悲劇的な運命)という枠組みが気に入らなくて、DESTINY(大いなる運命)という自分好みの枠組みに改変しちゃえという感じなんでしょう。小さい話にすれば、勤めてる会社の枠組みが気に入らないんで、自分がトップになって枠組み変えます、ただし自分の枠組みになったらその中で社員は自分の「役割」を全うしろよと、そんな感じでしょう。モチベーション高くて尊敬できますよ。ただし、さすがに社員の自由選択が奪われるのはキツイ。使えないと判断されたら殺されるのもキツイ(笑)。そりゃ反乱分子も出てきます。ストライクフリーダムな社員も出てきます。

◇その他

・ジブリールが口にした「レクイエム」という言葉は、宇宙編で地球軍の大規模作戦がある、つまり終盤までベースの地球軍VSザフト軍という構図は残りそう。その構図を土台にしながら、無所属の前作主要組VSザフトの今作組がピックアップされていく感じ?
・キサカがアカツキの存在をカガリに伝えるのは、何気に前作40話ラストでウズミにカガリを託されたキサカの図を受けていて熱い。
・再びFictionJunction YUUKAが歌うカガリのテーマと思われる挿入歌『焔の扉』は良い。歌詞をちょっとだけ聴いた感じだと「傷ついた指で暁のドアを開く 明日をこの手で選び取ると決めたから」と、『暁の車』よりも前に進んでいく決意を込めた感じの歌っぽいです。
・ダメージをおして何とか動こうとするアスランの図が何度も挿入されるのは、多分いよいよ訪れるインフィニットジャスティス搭乗を盛り上げる“タメ”。三人の主人公の中で理想と現実の間の揺れの部分を担ったアスランが最後に新機体に搭乗。盛り上げて欲しい所。

◇次回サブタイ「リフレイン」

 総集編っぽい?この盛り上げ具合で総集編は残念なんですが。34話の感想なんかで書いた通り、シンに討たれるキラの所までは、前作のキラのifであるシンという主人公を立てての前作のリフレインという側面があったDESTINYなんですが、そういった意味での「リフレイン」視点からの総集編なのかな?

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