子育てと介護には似て非なる部分も多いです。
 まず、子育ての始まり、出産に関しては今の時代かなりの程度生む時期を生む側でコントロールが可能であるけれど、介護の始まり、事故であったり病気であったりといったきっかけは多くの場合まったく唐突に訪れ、介護する側で時期を決めることができない。よって、子育ては人生プランであるとか自分の目的を達成するまでのプランに計画性を持って組み込むことができる事象であるけれど、介護はむしろそういったプランを一瞬で破壊するようにして始まる事象であります。

 次に、子育てには卒業があるけれど、介護には卒業がない。子育てには子供の自立という一つのゴールがあり、親は解放される目安があるけれど、介護は一生型であって、基本的には永遠に続き、介護者は解放される目安を持つことはできない。子育ての食事作りやトイレの世話、教育はある時点で必要なくなるけど、介護の食事作り、昼夜を問わずのトイレ介助、行動補助は、永遠に必要、ゆえに僕の将来のプランは常にこれらに時間を割き続けることを念頭に組み立てなければなりません。正確には介護にも終わりはありますが、子育ての終わりが子供の自立という歓迎すべきことであるのに対して、介護の終わりは被介護者の死という悲しいものであります。

 そして、子育ては時間の経過と共に子供の成長を楽しめる事象であるのに対して、介護は時間の経過と共に被介護者の身体機能、認知機能が衰えていくのに耐えねばならない事象であります。時間の経過と共にいくらか楽になる……という見解ではなく、時間の経過と共にますますハードになる……という見解のもとで将来のプランを設計しておく必要があります。

 最後に、最初のコントロールの話に関わることですが、負担増のタイミングもこちらではコントロールできません。今は父親の協力があるからまだ良いけれど、いずれそう遠くない未来その父親自身も被介護者となり、僕の負担が倍増する可能性は高く、多いに考慮しなければなりません。コントロールできないからこそ、早めのリスクヘッジを行っておくべき。そこまで考慮して、僕はここ数年で構築するライフスタイルのモデルを考えなければなりません。これが、本当に難しいことなのであります。

 現状を認識するに、難しさをはねのけて理想のライフスタイルを構築するには、まだかなりの程度実力が足りない。要努力、これが現在の僕の自己認識です。


このブログの投票にご協力下さい。人気のブログを探すならコチラ、人気BLOGランキング