翼人伝説という町の伝承を追いながらの、自分のルーツに近づくフィールドワーク。ルーツの先には大きくは神奈と柳也の翼人物語があるんですが、小さい所では自分を存在させてくれた存在である「母親」に焦点があたってまとめられていました。自分のルーツから想いは受け継がれていくということで、過去の神奈と柳也の想いから、現在の観鈴と往人の想いへの受け継ぎ、そしてそこから母親から子へと受け継がれていく想いに着地する様はちょっとグっときましたよ。
 まず、前半の夏のあの町で観鈴と往人が、翼人伝説にまつわるフィールドワークで自転車であちこち回る部分のシーンがスゴい好きです。結果的に観鈴の(実は往人も)ルーツへとせまる二人旅……という意味合いの場面になってるワケなんですが、こう、自分のルーツを探してあれこれ協力して頑張ってみるというシチェーションは、なんだかワクワクするものがあります。この前半部分だけでも観て良かったと思えました。二人のルーツである過去の神奈と柳也のシーンが何回も挿入されるんですが、それが現在パートでも風化せずに様々な形で残ってるってのが妙にフォークロア的な魅力を醸し出していました。書物に書かれた伝承、神社、古式の絵、祭り……など、おもわずニヤリとさせられるギミックが満載でした。いや、僕はまっとうな歴史、民俗学的フィールドワークはやったことないんですが、なんか、こういうのいいよなーと共感しながら観てしまいましたよ。

 そしてそういう大きなルーツ、遠い過去の人から現在の人への想いの受け継ぎ……という物語があるだけじゃなく、小さく母親から子への受け継ぎ……という物語があるんですね。受け継ぎっていうかこれはもう母から子へのですね。それが晴子と観鈴の間には特殊な関係ながら存在して、往人母と往人の間には物語のキーとして存在しているという。ラストの過去の神奈と柳也の翼人物語が、「町の祭りの日」という民俗学的、民間伝承的に一番色濃く現在に復元される一日を舞台にして、往人母の想いが往人に届けられるクライマックスはかなりジンときました。大きい神奈と柳也→観鈴と往人への受け継ぎの物語と、小さい母→子への受け継ぎの物語を同時にミックスさせてクライマックスに持ってきたというか。

 しかし、終劇部分は原作版よりも悲しいですね。

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 原作版のラストは難解ながらも、神奈、観鈴、往人(そら)それぞれに救いが感じられるラストなんですが(勿論、先の代まで想いを託した柳也や裏葉にとっても)、劇場版は観鈴の死をもっても物語に救いの結末が訪れたワケじゃなく、往人は今度は観鈴から受け継がれた想い(恐竜のおもちゃが象徴)を胸にいつ終わるともしれぬ旅を続けていくという、それだけでは全てが浄化されたワケじゃない、なんだか悲しいラスト。

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 「受け継がれる想い」というのを主要テーマとして受け取るならこの終わり方で良かったと思いますが。

◇面白かった原作からの変更点

 登場人物の性格設定をはじめほぼ原作とは別物というくらいさまざまに変更されているんですが、僕的には往人の人形芸が劇場版では子ども達に好評なのがウケた。自分からピエロに扮して客(子ども)の目を引いてみたりと、往人が随分と器用に芸商売をこなすキャラになってます(^_^;

◇劇場版AIR BONUS DISC 1:神尾さんち

 Kanonの時の「水瀬さんち」の時とまったく同じノリで面白かったです。「水瀬さんち」から祐一、あゆ、秋子さん、久瀬らがゲスト出演してるのもコアなKEYファンにはツボです。これはかなり価値高いんじゃないかな。「水瀬さんち」は本当好きで今でもときおり聴いてるので、AIRのドラマCDも発売が決定してる正当派のヤツよりも、「神尾さんち」ノリのコメディー調のヤツを出して欲しいかもだ。平和に切り取られた日常コメディーはついつい繰り返し聴いてしまいます。

◇劇場版AIR BONUS DISC 2:交響曲「劇場版AIR」〜神話への誘い〜

 普通に素晴らしいクラシック交響曲です。寝る前に聴かせてもらってます(^_^;

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