カガリの理想と現実の止揚を描いた40話で「力」に関するテーマには決着をつけて、残る「真−偽」、「自由−運命」テーマでのファイナルクライマックスに突入してきました。というか36話時点の感想で予想していた「議長の真の目的予想」、ほぼ100%的中。
 遺伝子による役割付与、調整、管理、そこから外れる者は淘汰。ラストのアークエンジェル内の会話でネオがステラ達を思い起こしていましたが、記憶を調整、管理され、戦う人形という役割を忠実にこなすことに特化したエクステンデットのキャラ達は、そういった議長の作る世界に生きる住人の先駆けにして、そしてそんな世界のネガ面を描くために登場していたワケですね。全ての物語のピースがカチリとハマった感じです。また、これによってネオがアークエンジェルサイドに付いて戦う理由付けが強化なモノに。マリューさんのためだけじゃなく、ステラ達の物語を汲んでのアークエンジェル搭乗になります。ネオ、記憶云々、どっちが幸せか云々の台詞など、ステラ達のあり方にはずっと割り切れない想いを抱えていましたから。

 そして畳みかけるように「真−偽」のテーマも加速。

 「何故人はそれを気にする?本物なら全て正しくて、偽物は悪だと思うからか?」

 と、作中で明確に「真−偽」テーマについて言及してくれました。それまでやんわりと徐々に描いていたテーマに関して、作中で登場人物から明確に語られる段階に来たというのは、物語の終幕間近を感じさせます(実際残り話数わずかですが)。今回のレイのクルーゼ回想で気づいたんですが、「真−偽」テーマはラクス−ミーア、ムウ−ネオ、辺りだけじゃなく、フラガ父(真)−そのクローンであるクルーゼ(偽)にもかかっていて、というか主にそこから来てたんですね。そこで、

 「オレはそれはどうでもイイ」(レイ)

 と、「偽」でも構わないと、「偽」であったクルーゼに救いを与える存在としてのレイ−議長ラインがあったと。僕は第01話の感想から言ってますが、本当にクルーゼの文脈といかに付き合っていくかという物語だったんだなぁ、DESTINYは。

 そんなレイ、議長、そしてその背後にあるクルーゼにまとわりつくのは、運命だからしょうがないという諦観「ただ祈って明日を待つだけだ、俺達は皆」とか、何かしら運命に諦観している描写が挿入されていたレイですが、今話でも「議長は正しい、オレはそれでイイ」と、議長の運命が全てという諦観ぶりを発揮。そこに自立思考を駆使して運命に抗う算段を立てるというスタンスはありません。やはり、最後の物語はVS「運命」、かつVS「諦観」。

 その運命サイド、諦観サイドが描かれているからこそ、ラストの自由サイドの結託が熱かった。

 「オレはそんなに諦めがよくない!」と、モロにVS諦観の台詞を語るアスランに、「無駄なことはしないのか?」と、ステラらエクステンデッドの物語を受けての無駄かもしれない抗いを決めるネオ、そしてこれまで反目する存在同士の引きで使われていた『君は僕に似ている』のED導入が、初めて結託する存在同士のキラとアスランで流れながら、

 「未来を作るのは運命じゃないよ!」(キラ)

 「ああ!」(アスラン)

 で、二人ガシッ!!

 熱いー。

 自由サイドも宇宙(そら)へ。様々に対比されていたキラとシンが駆るフリーダムとデスティニーの機体の名称にそのまま「自由」VS「運命」を象徴的に乗せて、ついに「自由−運命」の物語最終章です。

 それにしてもやっぱり最後は「自由」VS「運命」できたなー。

◇選択肢を与えられる民衆

 ラクスの議長を支持しません、および、

 「悪いのは彼ら、世界、あなたではないのだと語られる言葉の罠にどうか陥らないで下さい」(ラクス)

 の言葉が全世界に向けて発信されたことで、心地よい他罰に身をゆだねるか、自罰を考慮をするかを含め、様々な思考に関してラクスVS議長の選択肢が与えられました。この選択肢を与えらて自立思考しなくてはならなくなる民衆というのを終盤でやるために、今まで民衆の描写を限定してきて、主人公サイドで二つの異なるサイドを描いてきたんだなーとしみじみ。「選択するものがない」というのは「選択しなくてよい」、つまり「選択のための思考をする必要がない」と言う状態で怖いです。完全に一択の情報を提起したものの優位になってしまいます。そんな罠を描きつつ、終盤で選択肢を前に自立思考せざるを得なくなる民衆達(ザフト支持のコニールらと同時にそれらに懐疑を向ける民衆の姿も)。主に今作のアスランなどを通して描かれていた異なる考え方の前に自立思考して悩むという状態が、民衆全般に拡大。大ざっぱに言えば「自分で考えろ」をメインテーマに描いてきたSEEDシリーズも、ここに着地した感じです(やはりこのテーマの最後のキーパーソンはラクスでした)。そしてこの異なる選択肢を選んだ人達が、それぞれ反目しながらも「君は僕に似ている」の形で解り合える救いが最後に微かに描かれれば、もう、作品としては満足です。DESTINY。

◇次回サブタイ「変革の序曲」

 現自由サイド、アークエンジェルサイドは物語が着地した印象を受けるので、残るシン物語、議長物語あたりがどう展開していくのかに期待です。議長、今回、「だがもう遅い、既にここまで来てしまったのだからね」とか言ってるんですよね。中盤でカガリが語った「間違ったらやり直せばイイ」みたいな台詞もありますし。議長にも救いが描かれるのもアリなような気がしてるんですよね。どうなるのかなぁ。

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