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 ピリオドの感想は雑誌掲載時の感想を読んで貰うとして(単行本版の方がカズキVSパピヨンのバトルシーンに加筆、ファイナルページに見開きカズキ&斗貴子さんを描き下ろし……とお得な感じでした!)、今回は描き下ろし読切の「武装錬金アフター」の感想を軽く。
 あと、単行本未収録の『るろうに剣心』後日談「弥彦の逆刃刀」は収録されませんでちょっと残念だったんですが、その代わりに収録された「エンバーミング」についても軽く。

◇エンバーミング-DEAD BODY and BRIDE-

 『るろうに剣心』にしろ『武装錬金』にしろ、主人公の剣心やカズキが、ともすれば綺麗事、偽善と罵られがちな信念を、斉藤やら志々雄やらパピヨンやらのカウンターに幾度となく否定されながらも、あがきながら貫き続ける話だったんですが、これはそれらの作品とはサイドが逆で、主人公が綺麗事を否定する立場のキャラになっております。ヒロインの綺麗事を主人公ジョン=ドゥが否定するという場面がクライマックスという逆転ぶり。されどライナーノートの、ジョン=ドゥは一部志々雄真実のリメイクキャラという記述をみてそれも納得。完全に、今まで敵サイドだった方を主役に描いてみたって感じなんですね。ライナーノートで「黒和月の作品」と自分で言ってる通りブラック要素満載の作品でした。
 ヒロインの足については『るろうに』時代からの読者からは是、『武装錬金』からの読者からは否の反応という傾向があったということですが、それは単に『るろうに』時代からの読者で未だに『武装錬金』読んでる読者はそうとう大人になってる→大人の方が一般的にブラック要素に耐性が強い……という方程式ゆえにという気もします。
 かくゆう僕はどうかというと、ブラック路線和月漫画、面白そうではあるけれど、次に読みたいかというとそうではないなぁというのが個人的な感想。最近あんまり刺激が強い漫画が読めないんで、むしろバトルの枠も外した学園コメディーモノにチャレンジしてほしいくらいです。その辺りは、何巻かのライナーノートで「学園モノはいつかチャレンジしてみたいジャンル」みたいなことを書いてたのに期待したいです。コメディは得意分野ではなく、努力して入れてるみたいなことを前に書いてましたが、ちょっと頑張ってみて、思想、信念があまり重くかかってこないライトな話にも新境地でトライしてみてくれないかなぁ。

◇武装錬金アフター

 そんな感じで、思想、信念があまり重くかかってこないコメディ重視の話も十分面白いじゃんと感じたのが今回の新録読切。ロッテリやに変人集合のあたりは普通に笑えました。
 されど、斗貴子さんの傷&西山くん伏線に毒島素顔伏線まで回収しちゃうという作品的にも頑張ったお話でした。西山くんは斗貴子さん物語の宿敵ポジションではなく、非日常に入るきっかけになった敵キャラとして回収されました。この、斗貴子さんが非日常の戦いの道に入るきっかけをここで振り返っておいて、そんな斗貴子さんも今では日常に帰ってきたんだなーと思わせるラストの学生仲間が集合してはしゃぐシーンで締める構成は上手いなーと思いました。僕の感想では何度も書いてきましたが、『武装錬金』という作品の斗貴子さん物語は、ホムンクルス・即・斬でトゲトゲしてた斗貴子さんが徐々に柔和になっていき、最終的にはカズキによって非日常から日常へと連れ戻されるという物語だったと思うので、最後にカズキとストロベリってまひろやR.O.Dトリオとコメディやってる風景で終わるというのは、ああ、ここまで来たんだなぁとしみじみできて良かったんじゃないかと。

◇あとがき

 「何が何でもこの作品は最後まで描きたいとあがいたコト。そしてあがき切ってようやくここに辿り着いたこと」(和月伸宏)

 打ち切り後の武装錬金の展開については、本誌で打ち切られても、ここまでやれるという好例を作ってくれたと思ってたんですが、打ち切りといえど商業展開を続けるのに値するだけの根強いファンがいたという事実も勿論あったんでしょうが、ここまでなんとか完結させるのに和月先生自身もそうとう頑張ったんだなと、この一文を見てしみじみ。僕が格別好きな早坂姉弟編ラストのカズキの「諦めるな!」の咆吼。結構和月先生の地が出てた部分なんじゃないかと思ったり。数少ない、単行本を全て揃えてる漫画家さんです。これからもまったりと和月漫画を追いかけていこうと思っております(^_^;

ドラマCDシリーズ「武装錬金」
斗貴子さんフィギュア


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