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 「右目の許へ」(もう一人の小狼)

 というわけで第2巻から伏線を張ってた、飛王のもとにいたもう一人の小狼がついに行動を開始してクライマックスその1到来という状況。
 もの凄いクライマックスな勢いなんですが、どうなるんだろう、コレ。一番のキーの「遺跡」がクロウ国にある以上、物語の最後には舞台がクロウ国に戻ると思うし、まだ黒鋼の母上の仇とか、ファイの逃げる理由とか、星史郎さんとか、未消化要素が沢山あるんで、まだクライマックスその1で最終回近しというわけではないと思うんですが、それにしても盛り上がってます。

 侑子さんが眼帯小狼(仮称)の願いも同等に叶えてやるのがイカす。単純な敵−味方の構図でははかれない所にいるのが侑子さんです。

 今更だけど、小狼の見えない右目は眼帯小狼のものってことなんですよね。

 さらには神威が小狼にむけて言った、

 「……おまえ『エ』か」(神威)

 の台詞からは「餌」を連想させられます。そうじゃないとしても、なんらかのネガティブなニュアンス(少なくとも『エ』だ、万歳!という類のものではない)。

 他、これまでの様々な伏線から、小狼の実体の方は眼帯小狼の方で、主人公の方の小狼は何らかの儚い存在だというのがほぼ確かだと思います。記憶がなくなって自分って何?という状態に陥っていたサクラですが、今度は小狼が自分って何?な状態に陥るワケですね。

 そんな小狼の最後の救いになるのはヒロインの役目としてサクラだと思うんですが、今巻では取りあえずファイが小狼の側に付くようになります。

 そのイベントに至るまでの動機を描いた「魔術師の素顔」は黒鋼とファイの物語のベストエピソードだと思います。

 「いい加減 今の自分に腹ぁ括れ」(黒鋼)

 く、黒さまカッコいい!

 ピッフル国篇の、

 「そう思えるおまえも変わったんだろ」(黒鋼)

 「え……」(ファイ)


 のシーンから顕在化してきて、前巻のレコルト国ではついに仲間のために魔法を使ったファイ。

 死にたがりで、自らが関わることで誰かを不幸にしたくなかったファイですが、そこから変わってきた「今」のファイをそろそろ自分で受け入れなければならない。もう、小狼とサクラと無関係を決め込んでいられないほどに、絆はできあがってしまったから。

 おそらくはそういうファイ物語の変遷を踏まえて、今、小狼のピンチが近づいているのをほっておけないものとして、自ら積極的に関わろうとしてる……というのが、今巻の小狼と行動を共にしているファイの背景なのだと思います。心強ぇー。侑子さんは制約で干渉できないし、小狼自身は今ボロボロだしとで、本当頼りになるのはそんなファイの微細な覚悟だよ。

 ◇

 そして一方でサクラの方もピンチに。

 「夢」というのが重要キーワードとして何回も語られるんですが、星火(シンフォ)が語り、またクロウ・リードが侑子さんと最後に会った時に語ったという、

 「夢は終わらせなければ」

 という台詞の指す「夢」と、侑子さんが言う「(星火(シンフォ))達はかなわない夢の欠片」という「夢」と、地下の泉の中で夢に捕らわれて眠っている「何か」が語ってる「夢」とが同一のものなのかがちょっとまだ謎。そんな泉の何かに引き寄せられるかのように、「魂が眠ってる」状態というのが今回のサクラ。なんか、小狼もサクラも大ピンチだよ。どちらかというと構図として、ピンチの小狼&サクラを助けるポジションとしての黒鋼&ファイという感じです。ここでこの構図にしておいて、今後、黒鋼の母上の仇とか、ファイの逃げる理由とかのイベントが来たときは、逆に今回を踏まえて小狼とサクラが力になったりするのかな。そういう恩義や絆が連鎖するような話は好みなんですが。

◇ホワホワ感が薄い

 ハード、シリアス路線の話が続きます。あと、これ『X(エックス)』読んでればもっと楽しめるんだろうな。とりあえず、草薙と譲刃が一緒に行動してた桜都篇は救い的なifで、今回の敵対勢力に別れてる二人という方が『X』のデフォ設定というのは分かりましたが。『X』が未完な分も『ツバサ』でテーマ的に回収にかかってるのかなぁ。

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