手前味噌ですが、こういう展開/こういう形での作品テーマ提示は2年以上前の 湖の国の話の時から僕予想してましたよ。逆に言えば、それだけ伏線/暗示の提示の仕方がフェアだったということ。
「小狼君の心を取り戻す為に」(サクラ)
というわけで、明確にここにて主人公を(餌の)小狼からサクラにチェンジ。
物語冒頭でサクラの心を取り戻すために旅立った小狼。それから培われた新たな関係性を頼りに、今度はサクラが小狼の心を取り戻す為に旅に出る番です。まさに、『XXXHOLiC』から受けつがれる対価の思想。心を取り戻してくれたから、今度は私が取り戻す。
奇しくも、先日完結したアニメ版『ツバサ・クロニクル』の最終章と同じく、旅の意義の再構築が描かれました。物語冒頭ではなりゆきだったり、飛王にコントロールされてたりで始まった4人でしたが、ここにて、明確に4人それぞれの意志で旅を続ける決意を固めます。最高に熱かった。
この、サクラの心を取り戻す旅を描きながら、実は心を失うアイデンティティクライシスの危機が迫ってるのは小狼の方という伏線。それゆえに、旅の過程で小狼と新たな関係性を構築したサクラが、今度は小狼の救いになるという予想をずっとしていたのですが、小狼のために今度はサクラが主人公になって旅に出るというこの上ない明確な形で答えが描かれました。超満足。やはりトップセラー作品は伊達じゃないです。
◇ピコポイント
・真・小狼
やっぱり、「取り戻せないかもしれないけど、できることなら守りたい」ということで、真・小狼にも真さくらがいるんだろうな、たぶん。それでも違う小狼の為に違うサクラを守るという決意。こいつもひたすらカッコいいヤツです。
・黒鋼
飛王は打倒されないで終わるのかなという気がしてきてたんですが、黒鋼に討たれるラストはあるような気がしてきた。母上を殺されちゃってるからねぇ。
◇
4人、それぞれの決意がひたすら熱かった1話でした。1レベルステップアップした決意を秘めての再発進回ということで、『ガンダムSEED』なら第34話に相当する回です。続きがひたすら楽しみ。
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アニメだと「(コピー)小狼に守られるお姫様」という構図を確立してしまったために、これを変えるのは大変ですね。