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 「魔法先生ネギま!」タイムリーマガジン掲載分ネタバレ感想です。
 深いなぁ。厳しいなぁ。でも優しいなぁ。
 ◇

 「夕映さん…本当のことを言って下さい。僕は僕達自身のために悪を行う。それを逃れることはできないのだと」(ネギ)

 前回書いた/予想した通り、エゴを否定する方向で論理を押していくとどうしても自己否定になってしまうので、エゴを肯定する方に裏返ったお話だったんですが、ただエゴを肯定して「自分の好きなようにやればいいじゃない」と帰結するだけじゃなくて、自分の日常を守りたいというエゴを通すために誰もが犯さなければならない「悪」にまで話が及ぶとは思わなんだ。予想の上を行かれました。

 ずっと、僕の感想では「ネギま!」は最終的にネギがクラスメイト達との日常を一番と思うようになって、「日常>非日常」で帰着するお話だと思うと書いてきたんですが、単純に日常賛歌に落ち着くんじゃなくて、それによって失われるものにまで話が及んだのが今回でした。最終回でネギとクラスメイト達でワイワイやってる楽しげな風景が帰着点として描かれたとしても、その風景を守りたいというエゴを通したために、救えなくなる人も出てくる、そんな優しい風景もある種の「悪」の上に成り立ってる……と、そういうお話だよね。

 それでも、そんな「悪」を、性格上一人で抱え込んじゃいそうになってたネギに、その種の「悪」は世界中の人達が背負ってるもの、私で良ければ一緒に背負うと言ってくれる夕映の存在が優しかった。同じく未来の高畑先生からの「一人で背負うんじゃないぞ」という伝言が伝えられるシーンが優しかった。それを聞いて涙を流しながら「ありがとうございます」って言うネギの所はかなりグっと来た。

 ◇

 しかし、『ツバサ』17巻の感想で書いた、

 「…私はこれからも、誰か…を傷つけて何かを奪う…自分勝手な理由で…きっとその報い…を受ける。わたしが…そうしたように…でも…それでも……取り戻したいの。貴方の無くした心を…小狼君…」

 のサクラの語りの解釈とも通じる部分だよなぁ。自分の願いを通す過程で、どこかで誰もが悪を犯している。奇しくも現在のマガジンのコミックス売り上げ/メディア展開度のツートップが同じメッセージを発してますよ。

 赤松先生の奥さんの佳音さんのブログによると、赤松先生は「日本のオタク的価値観が世界に広がれば世界は平和になる」と(たぶん幾分か冗談めかして)言ってるそうですが、こういう「自分が正しい」をひたすら押していく思想じゃなくて、その自分が感じてる正しさの裏で何かが失われてる/何らかの悪を犯してるという意識を持とうという価値観、広まっていけば確かに世の中変わってくる気がするなぁ。

 そういうわけで、夕映の言葉でネギが吹っ切れて自分の正しさを確信するという展開ではなく、夕映の言葉を踏まえた上でもなお残る自分達の「悪」を踏まえた上でその「悪」をこれまで築き上げてきた仲間達と分かち合いながらカモ君曰く「ギリギリの正義」で前に進んでいく展開というのは非常に良かったですよ。惚れた。

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