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 「変わらないものなんて、何処にもないのだから」(ミレイ・アッシュフォード)

 前回第11話「ナリタ攻防戦」の感想記事では100を超えるトラックバックを頂き、3000PV/WEEKを達成できました。皆さんご協力ありがとうございましたm(_ _)m。当ブログの感想記事は管理人在住地域の放映日(金曜深夜)以降になりますが、今回も早い放映の地域にお住まいの方のために、早めにTBできるよう記事は立てておきます。今回もふるってトラックバック頂けたら幸いです。引き続きトラックバックセンターとしてご利用下さい。
 <追記:感想書きましたー>
 ◇

 スタッフコラムの最新記事より、DVD2巻のピクチャードラマは、脚本:吉野弘幸さん、作画を木村貴宏さんでテーマは『お風呂』とのこと。男性ファンの皆様、お待たせしました。女性ファンの皆様、ゴメンナサイ。はっきりいって、今回、『エッチ』です発言が出ました。な、何そんなスーパースタッフにサービスドラマ作らせてるのー!

コードギアス 反逆のルルーシュ 2





<以下、本編感想>

 ついに始まったカタストロフ展開。大まかに、ルルーシュ個人の内部にあった、多面性(三面性)間の整合性の崩壊と、これまで皆の優しい方の顔が集っている夢のように楽しい場所(そしておそらくは回帰点)として描かれてきた、生徒会の風景が崩壊していく暗示が強く描かれ始めました。

 ミレイ先輩の、

 「変わらないものなんて、何処にもないのだから」

 が真実をついてるんですね。一方でルルーシュはそんな過酷な真実をよそに、

 「誓うよ、俺は変わらない。何があろうといつまでもお前の側にいるよ、ナナリー」

 と、ミレイ先輩の暗示とは逆に「変わらない」ことを誓うんですが、そんな誓いも虚しく、変わってしまった自分を突きつけられてしまうというカタストロフ展開でした。

 前回で、

 「C・C(シーツー)、私はどうして雪が白いのかは知らない。しかし、白い雪は綺麗だと思う。私は嫌いではない」

 と、自分のことを踏まえながら、雪(=複数のアイデンティティが存在して、自分を同定できない状態の比喩)は綺麗だなんて言ってたルルーシュですが、やはり綺麗だで押し通せるほど現実は甘くなかったということで、

 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア−ルルーシュ・ランペルージ−ゼロ

 という、それぞれの名前に対応するルルーシュの三面性の整合性が失われてきたのを強く突きつけられるというラストでした。

 ラストっていうのは、もちろん最後のシャーリーの涙のシーンね。今回は桐原の前でルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとしての顔を明かすなど、ルルーシュの三面が全部出てきた回でしたが、そんな中でも、ルルーシュ・ランペルージとしてのルルーシュと、ゼロとしてのルルーシュの整合性の崩壊が描かれたのでした。

<補遺:ちなみに、オープニングのファーストカットのルルーシュの絵の所、地味にルルーシュの三面性を表現してるんだと今回ようやく気がつきました。ルルーシュの背後に映るキャラが、母親(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとしてのルルーシュを表現)、ナナリー(ルルーシュ・ランペルージとしてのルルーシュを表現)、ゼロ(ゼロとしてのルルーシュを表現)の順で切り替わっていきます。良くできたオープニングです>

 序盤で、ゼロとして戦う動機の一つとして、ナナリー原理主義の他に、「ブリタニア皇族としての身分が明らかになればシャーリーやリヴァルも離れていってしまう」と、そんなナナリーと自分の居場所として、シャーリーやリヴァル達と一緒の風景も保持したいと思ってるふしがある台詞が挿入されてるんですね。

 そんな、ルルーシュ・ランペルージとしてシャーリー達と一緒にいる風景を守るためにゼロになったはずが、ゼロとしての自分が自分の居場所の一つであるシャーリーの父親を殺してしまった……と、きつく、ルルーシュ・ランペルージとゼロとの整合性が崩壊したのが描かれたのが今話なわけですよ。もう、ラストの雨と涙のシャーリーのシーンは神作画に神演出で凄まじい。弱者のためにゼロとしてギアスの力(瞳を使用)を使ってきたルルーシュの瞳の中に映る、その力で犠牲者となってしまった弱者の代表である涙のシャーリーの絵(しかもすげー作画)という凄まじい演出。震えましたよ。

 雪を綺麗とばかりは言ってられない、多面であるがゆえのカタストロフが始まった回だったのでした。

 で、ここまでがルルーシュ個人のカタストロフ展開開始の示唆で、もう一つは生徒会の風景が崩壊していく展開も強く示唆されはじめた点ですね。

 今まで生徒会からバラバラになっていく暗示がまだ無かったシャーリーですが、今回のゼロ(ルルーシュ)によって父親を殺されたというイベントで、十全に生徒会から離れていってしまう仕込みが完了(というかこれ、最初のゼロの正体バレはシャーリーじゃね?)。引き続き婚約伏線続行中のミレイ先輩に、ユーフェミアと出会ってから何か変わりはじめちゃったニーナ……と、バラバラになっていってしまう暗示がされまくりです。ニーナはここで語っちゃった方がいいのか。ユーフェミアの写真を見ながらの同性でのオ○ニーシーンですが(アドセンスのNGワードに触れそうなので伏せ字(笑))、ただのサービスシーンやら話題作りシーンのために入れるような脚本の作品では無いんだと思うんだよなぁ。敢えていうなら、やっぱりルルーシュもカレンもスザクも持ってる、秘匿しているもう一面の自分を表現したのかな。そんなシーンで表現せんでもという感じだけど(笑)。ただ、どちらかというと、そんな行為も目が見えないゆえにナナリーには見えないという構図の方が何か意図があるんじゃないかと気付きました。ナナリーは、ルルーシュから、スザクから、彼らのもう一面を秘匿されてしまうキャラなんですよね。それゆえに目が見えないという設定にしたのかな、なんて。逆に、予想しているナナリーの目が開く時は、そういった各キャラが秘匿していたもう一面が明らかにされてしまう時期とシンクロするんじゃないか……なんて、その位の象徴表現は余裕でやってくれそうなパワーをこの作品には感じてますね。

 儚いなー。一緒に猫探しをやってたあの楽しい風景が徐々に失われていくカタストロフ展開に突入5秒前という感じですよ。でも、あの第5話のラストが猫から仮面が脱げてホッとするルルーシュの絵で締められていたように(深読みすれば、仮面で秘匿していたものがなくなればホっとするのにという暗示)、カタストロフの後、最後にこの風景にまた帰ってこれるという希望あるラストを希望いたしますよ。

◇その文脈でリヴァル

 リヴァルは実はスーパー重要キャラなんではないかと踏んでいます。こいつだけ、ここまで話が進んでも二面性の提示が無い。ミレイ先輩に惚れてる伏線を生かして、ミレイ先輩の婚約話が動いた時に出てくるという見方もありますが、僕的には、リヴァルはずっと生徒会の風景を守ってる素の一面人として、最後に生徒会の風景が再構築される時の指針になるようなキャラなのではないかと予想しております。だとしたら、前にあった、ルルーシュに「最近つき合い悪くね?」とか、何かルルーシュの微妙な変化に気付いてる描写とかが熱い。リヴァル要注目。あんまり出てこないのが逆に怪しい。

◇怪しいと言えば咲世子さん

 今回の午前中不在だったというのは伏線じゃないの?とりあえず、オープニングでは学園サイドの他に黒の騎士団サイドにも映ってる彼女なので、何かしら秘密があってそれにフォーカスがあたる展開がくるのは確かだと思います。何だろうなー、気になるなー。

◇他、着々と二面性

 ロイドの(オープニングで出てる)もう一つの顔はクライマックスまで温存として、キョウトの代表の桐原も「売国奴の桐原」という顔と、でも実はレジスタンスの元締めキョウトの重役という顔も持ってると、初っぱなから二面性を提示。
 あとは、スザクなー。学生としてのスザクと軍人としてのスザクの他に、前回の過去回想シーンを受けて、「データにも残ってないんだ」などと言ってるあたり、この子も秘匿している負のもう一面があるっぽい。この辺りがどうなるかだなぁ。

◇神楽耶

 当初からオープニングに登場していた少女(声から今回にて少女と判断)、EDクレジットより(たぶん)名前判明。紅蓮二式を黒の騎士団に渡すように指示したのは彼女らしい。スザク救出が黒の騎士団を買うきっかけということで、これはやはり、今回の過去回想シーンでスザクの横にいた巫女系の幼女が彼女なんだろうか。過去編、色々と謎が多すぎる。

◇コーネリアとルルーシュ

 何気なく、結果が全て的な考えをコーネリアとゼロとでシンクロさせて描かれたワンシーンが今話に。ブリタニアサイドのコーネリアと、それに対峙して戦ってるはずのゼロが同じ考えをしているということで、ルルーシュがぶっ壊すはずのブリタニア帝国的な考えに飲み込まれながら活動してるという表現なような気がするなぁ。前にも書いたけど、ブリタニアの掲げる弱肉強食をぶっ壊すために戦ってるんだけど、そのタメには勝利しなければならないという結果主義を押し進めるしかなく、それは実はブリタニアの弱肉強食の論理に組み込まれたまま行動していることになるという矛盾をルルーシュは抱いてるキャラなので。結局、弱者であるシャーリーのお父さんを殺してしまったのが、その事実を突きつけられた一コマ。弱肉強食の論理を勝ち上がって証明するという矛盾した方法以外に、弱者の救済を実行できる方法論は無いのかねー、と。そんな辺りも考えさせられるお話です。

◇一応政治パートも

 情報量多くて一回見ただけじゃ分かりづらかったんだけど、冒頭でブリタニアの「ナンバーズの統治はナンバーズに任せる原則」とか言ってた所を踏まえて、エリア11を統治する側のイレブン代表のはずの桐原が、実はレジスタンスの大本キョウトの重役だった!!というサプライズ……ということでいいのでしょうか?
 これ上手いですね。どうやって弱小レジスタンスサークルの黒の騎士団が国家と対等に戦えるまでになるんだと思ったけど、この設定で、一気に国家と互角クラスの勢力に。ロイドが一目置くラクシャータさん(OPの黒の騎士団サイドに映ってる人)がレジスタンスサイドにいることも明らかになり、裏技的な設定明かしで一気に大局的な勢力が互角になってきました。これは、2クールで少なくとも日本の話には決着つきそうだな。何回も書いてるけど、「名前」伏線を生かして、「イレブン」が「日本人」の名を取り戻そうとする辺りと、個別の名前選択物語をシンクロさせて描いてくれたら言うこと無しです。

 ◇

 もちろんですが、今回の犠牲者シャーリーの図は、結果のルルーシュか、過程のスザクか……のテーマの方で、結果のルルーシュの負の部分を描いた話だった側面もあります。こっちのテーマは止揚されるしかないと思うので、ラスト近辺のクライマックスに期待。普通に、ショックを受けてる感じのルルーシュが良かったよ。やろうとしていることはデカいけど、まだ内面がそれに追い付いてない感じに描写されてるのが感情移入を誘います。本命(ナナリー)、彼を巡って嫉妬してくれてるC・C(シーツー)、カレンまでいるのに、元からLOVE光線全開だったシャーリーにここでキスか!という辺りが微妙に感情移入を拒みます。ハーレムを作りたいとか、そういや昔、思ってたっけな♪



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 それでは!

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