2007年01月17日

真島一男監訳:ベンジャミン・フランクリン『プーア・リチャードの暦』/感想

 新年一発目の読書は暦の形態を取った警句集から。小説じゃないんだけど、今年は気が向いた時は別ジャンルの本も紹介していく形で。自分用の読書メモって感じですが。有名な「時は金なり」の大本がこのフランクリンの暦だと言われております。
 一般人の読む活字は聖書と暦しかなかったというアメリカ黎明期の頃に、だったら暦にいい話を載せて贈っちゃえば皆読むんじゃん?という発想のもとで作られて当時のベストセラーになった暦です。まずはフランクリンのその抜群のアイデアに敬礼。

 もう、とにかくいい話、ためになる話ばっかり。金儲けとか、立身出世の際に参考にすべしといった文脈で紹介されることが多いフランクリンですが、書き残してることの本質は、やっぱり「勤勉」が最強と、至って地味な真実です。なんか、読むと勤勉がさして苦にならないような気分になってくるんで、お勧め。フランクリンいいな。自伝と、この暦の形をした警句集と読んだけど、学生時代を卒業して、特にメンターというか指針となる人が無い人が参考にするには、時代を超えた普遍性を宿してるという点でちょうどいい感じ。英語圏では全集みたいなのも出てるらしいけど、色々と抜粋版でいいんで、今後も日本語にフランクリンのお話をどんどん翻訳していって欲しい所。

 本書では、カゴから逃げ出してシェパード犬にかみ殺されたリスに対しての追悼文という形で、カゴ=束縛、カゴの外=自由という比喩で、自由の両側面、束縛は保護でもあるということを書いていた文章が示唆に富んでいました。アメリカと言えばキャッチフレーズは「自由」みたいなイメージがある現代ですが、なかなかに、アメリカ黎明期のリーダーは自由という概念に関して考え抜いてます。自由と紙一重の無責任に対して、心持ち後者を自由とはき違えてる人が多い気がする昨今の日本人に対しても、もう一度自由に関して煮詰めて考え直してみるきっかけとして読んでもらうといいんじゃないかという小警句。

 「自由に生きる」を人生のテーマの一つと考えてる僕的にも、色々考えさせられたなぁ。


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aiba20 at 17:05│TrackBack(0)
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