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 「ならば君はその道を行け!」(藤堂鏡志朗)

 前回第16話「囚われのナナリー」の感想記事では120を超えるトラックバックを頂き、4000PV/WEEKあまりを達成できました。皆さんご協力ありがとうございましたm(_ _)m。当ブログの感想記事は管理人在住地域の放映日(金曜深夜)以降になりますが、今回も早い放映の地域にお住まいの方のために、早めにTBできるよう記事は立てておきます。今回もふるってトラックバック頂けたら幸いです。引き続きトラックバックセンターとしてご利用下さい。
 <追記:感想書きましたー>
 ◇

 本日のコードギアスメルマガからの情報は僕的に注目ポイント無し。代わりに「チャンピオンRED」3月号に監督の谷口悟朗氏のインタビューが載ってるというお話を目にしたのだけれど(『コードギアス』は谷口悟朗版『最強伝説 黒沢』であるらしいくらやみ団メモさん))、チャンピオンRED、ゴムで閉じてあって立ち読みできず。むむむ、このインタビューのためだけに購入するかどうか現在迷っている所。迷ってるうちにそろそろ本屋からは消えてしまいますよね。とりあえず、間違って「チャンピオンREDいちご」を買わないようにしないと。オールヒロイン15歳以下!!て



<以下、本編感想>

 はじめに、上で取り上げた「チャンピオンRED」3月号が読めたんで(ゴムで閉じてない本屋があった)少しだけ感想。2点、

・(今後)ミレイの別な側面が見えてくる。
・ラクシャータの本編登場をきっかけに、ロイドとセシルも掘り下げられる。

 の部分が、「二面性」をキーに視聴してきた僕的にストライクでした。ミレイ先輩の別の側面はもろにミレイ先輩のもう一面も描かれ出すことを暗示させているし、ロイドとセシルの方も、現在はまだ掘り下げられる段階になく、別な側面が分かりやすく出てくるのはこれからということでしょう。今話で藤堂さんの二側面も明らかになったので、これでほぼ全主要登場人物に「二面性」「多面性」を設定してるのが本格的に明らかになったと思います(リヴァル以外。だけどリヴァルはあえてそういう側面を持たないキャラに設定してるのだと思ってます)。やはり、そこからどう一面を選んでいくか、あるいは統合していくか、あるいはある一面を「奪われた」登場人物達が多数なので、どうそれ取り戻していくか……そういうストーリーラインを通して色々なものを訴えかけていく作品なのだと思います。
 そういった「二面性」「多面性」からそれぞれが自己を選び取った末に、世界は、社会はどういう状態に突入するか……という所まで示唆させる内容を含んだ監督インタビューでしたが、ここで全部紹介してしまうのも出版社に優しくないと思うので、興味ある方は実際に一読されるのを勧めします。「チャンピオンRED」の3月号です。1ページあまりの短いインタビューですが。↓

チャンピオン RED (レッド) 2007年 03月号 [雑誌]

 さて、今話の本編感想ですが、今回も凄かった。凄い密度で一瞬も目が離せず、見終わってからアレとこれが繋がって、そういうことか……と反芻することしきりの高密度なお話でした。

 表面的には、サブタイである「騎士」に相当するスザクをルルーシュとユーフェミアで奪い合って、結果としてスザクはユーフェミアの騎士に、そしてその過程でスザクがランスロットのパイロットであることをついに知ったルルーシュは衝撃を抑えきれず、最後は何かが決壊したように狂気じみた笑い声をあげるだけ……という部分がお話のキモなんですが……というか勿論これが一番重要な部分で、これだけで十分すごいお話だったんですが。

 が、

 今回で一番面白く、そして熱く、心に響いたのは、

・藤堂鏡志朗の選択
・ユフィの選択

 この二つの選択がものすごい熱いテイストで描かれ、そしてこの二人の選択を通して、

・作中でスザクがはじめて肯定された

 ことでしょう。藤堂さんカッコよかった。ユフィもカッコよかった。そしてスザク頑張った。前回全ての正義を自己満足と否定されて落ちる所まで落ちた感じだったのに、そんなスザクも言葉と行動が藤堂さんとユフィに届いたという点で浮上しました。偽善的でかつ父を殺した過去からの逃げ、自己満足への逃避から生まれた正義だったとしても、一生懸命がむしゃらに貫き通す姿は人の心に届き得る。

 「ならば君はその道を行け!」(藤堂鏡志朗)

 「私が騎士とするのはあそこにいるお方、枢木スザク准尉です」(ユフィ)

 はじめてスザクが他者から認めてもらった瞬間ですよ。

 まずは藤堂鏡志朗の選択から。

 藤堂さんの二面性は、これも一応名前に写像されながら存在していて、厳島の奇跡で日本を勝利に導いたことがある「奇跡の藤堂」(←名前ね)という外部から作られた偶像的藤堂さんと、等身大の素の「藤堂」さんとの二つの側面だったわけですよ。

 で、そこにゼロから、

 「足掻け藤堂!最後までみっともなく足掻いて、そして死んでいけ、『奇跡の藤堂』という名前がズタボロになるまで!」(ゼロ)

 という言葉を浴びせかけられて、藤堂さん、「奇跡の藤堂」という名前をズタボロにするまで、素の「藤堂」として足掻ききることを決意するわけですよ。つまりは、「奇跡の藤堂」と「藤堂」を対峙させての、「藤堂」の選択。二面とそれに対応する名前、一つの方を自立意志で選ぶ場面が描かれたのは始めてじゃないかな。それゆえに燃えた。で、当然ゼロに命を助けられた点が同じでも、スザクはその時「そんな世界に未練は無い」とか言ってて死のうとしていて(今思えば前回明かされた「死にたがり」のバックボーンゆえなんですが)、藤堂は「足掻く」と生きることを決めるというのが対比されてる部分なわけで。

 で、そんな「生きる」ことを決めた藤堂とスザクがナイトメア戦でバトルに発展して、変わらない信念(今の社会を否定しても意味はありません。認められて、変えていける力を持つことこそが)をスザクが語るわけですよ。それに対して藤堂さんが言ってあげるわけです。

 「ならば君はその道を行け!」(藤堂鏡志朗)

 と。そして、こう続きます。

 「勝つにしろ負けるにしろ、全てを出し切らなければ何も獲得できはしない。それは国でも個人でも同じ事!」

 と。ついさっきまで死ぬ気だった人が何を!って感じですが、それだけゼロの説得にて、そこで行った藤堂さんの選択が強いんですね。足掻くと決めた藤堂さんだからこそ、「全てを出し切らなければ」という言葉が出てくるわけですよ。そしてはからずも、それがスザクへの肯定の言葉として響くと。余力を残して敗戦を迎えた日本という「国」レベルへの叱咤と、すべてやり切る前に過程で死にたいと思ってたスザクへの「個人」レベルへの叱咤へと、二重の意味で藤堂さんが叫んだ場面です。

 それを受けてスザク、何かが吹っ切れた顔をして、ラストでは、

 「藤堂さん、僕は、あなたの敵です」

 何かが、藤堂さんを通してスザクの中でステップアップしましたよ。

 そして続いてユフィの選択。

 ユフィも虐殺が行われた新宿ゲットーを見たいといい、またホテルジャックの件ではラストに黒の騎士団に(否定的ではなく)思う所がある、現存のブリタニア体制には疑問を持っているユフィとしての側面と、一方で今回序盤で散々描写されたように、現在の状況ではユーフェミア副総督としてブリタニアの体制に埋没してるしかない側面とがあったわけですよ(しかも政治的な力は無い)。

 それが今回二つのギミックで表現されて、一つは、ユフィとして本心からステキだと思った牧歌的な日本の家屋が描いてある1/4イレブンの血が入ってる画家の絵。こちらでブリタニアとか日本人とかのボーダーを無効化して考えてるユフィとしての本心の一面を表現、一方でブリタニアの権威の象徴におもねるようにブリタニア皇帝を描いたニコライ公爵のご子息が描いた絵で、自分もまたブリタニアの権威に埋没するしかないユーフェミア副総督としての一面を表現。どちらを選ぶかでユーフェアが二面のどちらの自分のあり方を選ぶのか?というのを問いかけているわけです。

 もう一つのギミックは、もちろん騎士として選ぶ対象として、お見合い写真のように上から渡されたブリタニアの良い血筋の騎士名簿と、枢木スザクという日本人の存在。スザクは当然ブリタニアとか日本人とかのボーダーを無効化して考えてるユフィとしての本心の一面の象徴で、騎士名簿の騎士達は、ブリタニアの権威に埋没するしかないユーフェミア副総督としての一面の象徴。どちらを選ぶかで、こちらもまたユフィがユフィのあり方をどう定めるか?というのが問いかけられているわけです。

 そして、政治的にも実力的にもまだ何の力も無いユフィは、記者会見にて自分の言葉は何一つ語れず、ダールトンが代弁、自分はブリタニアの権威に埋没するままの傀儡か……と描写されて、あるいは諦めかけて、ブリタニア皇帝の絵の前に進み出た所で、スザクの頑張る姿がユフィのもとに届くわけですよ。くしくも、藤堂さんに「全てを出し切らなければ」と叱咤されて賢明に己の信念・正義を貫こうとするスザクの姿が。そして、ランスロットをはじめは応援していたブリタニア記者団達が、パイロットがイレブン(名誉ブリタニア人)のスザクだと分かるや否や非難や嘲笑に態度を変える姿をうけて、ユフィ、ついに自分の言葉でスザクを騎士にすることを宣言。このスザクに勇気づけられてユフィが自分の本心のあり方を宣言、それが散々否定されてきたスザクを肯定することに繋がるという流れが熱かった。ユフィ、よくぞ言い切った。

 ユフィに関しては、どうやらユフィが好きな絵というのが、作中の是の要素っぽいのにも注目。今回出てきた牧歌的な日本の風景だけじゃなく、ルルーシュとナナリーが描いてあったクロヴィスの絵も好きだって言ってるんだよな。ユフィはスザクもルルーシュも好きなのです。スザクとユフィのラインが今回特に繋がりましたが、同時にユフィはユーフェミアとしてルルーシュとも繋がってるという事実。前回ロイドとミレイのラインが繋がって、同じく特派組とアッシュフォード家というスザクとルルーシュのバックが繋がったことといい、ルルーシュとスザクのラインが繋がる仲介部分の構築が余念なく仕込まれてるような気がします。やっぱり最後はルルーシュに「俺とスザクが組んでできなかったことなんて無いだろ?」と言ってもらわないとね。

 以下は、キャラ別語り。

◇ルルーシュ

 今回はルルーシュもカッコ良かった。C・C(シーツー)を中華連邦に送ったり、何やら世界規模の大規模作戦が開始されそうで、話数的にも世界規模のファイナルミッション近しという感じなんですが、それに伴って、大規模に行動すると同時にルルーシュはナナリーのもとからいなくなるつもりだったというのが熱かった。最初からそのつもりというよりは、シャーリーから自分の記憶を消して、この道を行くなら日常にはとどまれないというのを強く知った辺りからの覚悟だと思うんですが、たとえ、そこに自分がいなくても、大事な人が平和に暮らせる世界を……というのはカッコいい。それで自分の代わりにスザクをナナリーのもとへ……なんて考えるわけですけど、ナナリーは、

 「もちろん、一番はお兄様ですけど」

 なんて言ってるわけですよ。冒頭のゆかなさんのナレーションも、ルルーシュの二つの道として、「過去−母親の復讐−世界の破壊」VS「未来−ナナリーの平和に暮らせる世界−世界の構築」ということがアナウンスされてましたが、現在は前者の道を行きかけてるルルーシュが、最後は後者に移るという暗示だと思いたいです、これは。ルルーシュがいなくなったら例え世界が破壊されてもナナリーは幸せではないんだということにルルーシュ気付けと。

 あと、ラクシャータとの対面時に出てきた、「医療サイバネティック関係の記事をルルーシュはチェックしていた」というのは、ナナリーの目が治って最後に開く伏線だと思う。OPで咲世子さんが黒の騎士団に加入してるのも、このナナリー−ラクシャータラインで加入するのかもしれない。

◇シャーリー

 ルルーシュの顔が描けないシャーリーを描写しておいて、「何か」を見つけるシャーリーというシーン。シャーリーの記憶復活伏線きましたよ。現在の展開はルルーシュますます後戻りできない非日常へという展開ですが、最後にそれを覆すカードとしてシャーリー重要キャラ続行中です。

◇カレン

 シャーリーの件で葛藤の末ゼロについていくと決めた辺りから、ゼロ依存が著しいように描写されております。今回もスザクがランスロットのパイロットだったと知っても、自分の思考を放棄して、対処、判断を悲痛な振る舞いでゼロに委ねています。残るカレンのお話はこの辺りかなぁ。カレンとルルーシュは、カレン<ゼロという主従的な関係がある以外は、戦う動機も立ち位置も同じで役割が被ってるキャラなんで(シャーリーの件もスザクの件も、ルルーシュと共に葛藤する立ち位置)、この辺りのゼロ依存では無い自立意志での行動や否やという辺りで最後にルルーシュと役割が分かたれるのかもしれない。

 ◇

 ユフィと藤堂がとにかく今回はカッコ良かった。そしてユフィの騎士となり国レベルの話に関われるようになってきたスザクと、C・C(シーツー)を使って中華連邦を巻き込んで何やら世界規模の行動を起こそうとしているルルーシュと話が大きくなってきました。それでいて動機はそれぞれの過去や日常にあるという大きな話と小さな話の連動っぷりも忘れてません。スザクがブリタニアサイドでステップアップしていけばいくほど、ルルーシュの黒の騎士団が仲間が増えていって勢力が大きくなっていけばいくほど、そういった大きい話の部分で対立していくスザクとルルーシュをよそに、二人が共有した過去と日常の大事な存在であるナナリーや生徒会といった小さな話が光っていくのがいいんだよなぁ。



◇この感想記事はトラックバックセンターの役割も兼ねています。今話の感想(レビュー、考察、etc、関係する記事なら基本的になんでもOKです)をお書きになった方がいらっしゃいましたら、報告義務とかありませんので、気楽にこの記事にトラックバックして頂けたら幸いです。後日僕の方からも返させて頂きます。色んな感想を読みたい人のための一つのインデックスみたくできたら嬉しいと思います。ご協力頂ければ幸いです。

 それでは!

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