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 今週の「ツバサ」。マガジン雑誌本編のタイムリーネタバレ感想です。
 引き続き大変だサクラ。
 ◇

 Chapitre.139の、

 「勝つ…だから、そこにいろ」

 のシーンで、真・小狼としては(サクラと)「関わる」ことを決めた感だったのに、サクラの方は(真・小狼及び仲間と)「関わらない」ことを決めていたというすれ違い劇ここに極まれりのラストの扉越しのサクラと真・小狼の絵。

 断片的な先読みの力にて、このまま一緒に餌の小狼を追えば仲間達に悲劇的な結末が訪れることを感知してるがゆえ、それをさける別な未来を「選ぶ」ための行動と表面的にはサクラ視点から取れるように話は語られてるんですが、その割には得られる「彼女」による一人での次元移動は一回しか使用不可で、しかも望んだ次元にいけるとは限らないということで、表面的には仲間達より先に餌の小狼を見つけてみせるなんて言いつつ、そんな可能性はほぼゼロなわけで、これは自分が犠牲になることで仲間達を助けようというサクラの一種の自己犠牲な感がひしひしです。

 自己犠牲がもたらす負の部分のお話は、既に『XXXHOLiC』第8巻相当のお話で四月一日を通して描かれてるんですが、この時の『XXXHOLiC』のお話の着地の「半分ずつだな」の関係の四月一日と百目鬼の関係(『XXXHOLiC』第8巻の感想を参照)にはまだツバサ側の新パーティーはなれていないので、得るものも失うものも同価の対価の原理にのっとったパーティになるまでをこのエピソードを通して描くという感じかなぁ(このままサクラが自己犠牲的にいなくなったら、サクラは与え過ぎ、仲間らは貰いすぎの状態になる)。

 さらに、サクラ、「東京編」クライマックスの17巻で、

 「…私はこれからも、誰か…を傷つけて何かを奪う…自分勝手な理由で…きっとその報い…を受ける。わたしが…そうしたように…でも…それでも……取り戻したいの。貴方の無くした心を…小狼君…」

 と言っているので(17巻の感想参照)、あの時点では誰かを傷つけてでも、それでも得たい願いがあるという侑子さん曰くの「本当の覚悟」を宣言していたのに、ここにきて仲間だけは傷つけたくないというのは、やはりその後に起こった真・小狼と小狼を重ねてしまうエピソードに端を発していると思われ、やはり「ツバサ」という作品的にカッコよく描かれる願いのための「覚悟」というよりは、迷い、逃避、といったカッコよく描かれない類の感情によって今はサクラ動いてる感じ。

 今話で侑子さんも、

 「望もうと望むまいと 一度結ばれた縁は消えないわ」

 と暗示させてることだし、ここは迷いや逃避から自己犠牲の道を選ぼうとしてるサクラを真・小狼をはじめとする仲間がすくい上げる話を期待したい所。素でどんどん主人公(今はサクラ)を破滅に追い込む展開もCLAMP作品的にはアリなんで怖い所なんですが、やっぱり「一度結ばれた縁」にフォーカスがあたって、「東京編」で崩壊させたサクラ達が積み重ねてきた関係性(縁)を、やっぱりそう簡単に消えないくらい強いものだった!として描くというのが、一番カッコいい感じ。いくら「東京編」で一旦全部転覆させたとはいえ、何もそれまで描いてきた「新しい関係性を紡いでいくことができる」という是のメッセージまで否定することないじゃない。この話で、その辺りの是のメッセージをさっそく(物語上)繋ぎ取って欲しいところ。

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