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 今週の「ツバサ」。マガジン雑誌本編のタイムリーネタバレ感想、Chapitre.149「愛すべき未来」の感想です。
 これまた引き続きすごい展開だ。
 ◇

 インフィニティ編ラストにして、サクラの意味合いが裏返った結構すごい構成のラストでした(もう、「東京編」を読んでからは『ツバサ』に関しては生半可な裏返し構成では驚かなくなりましたが)。

 ずっと、餌の小狼と似ている真・小狼からの逃避的に孤独に落ちようとしてるのか?的な叙述でインフィニティ編のサクラは描かれていたわけじゃないですか。まあ、それも多少はあったのかもしれないけれど、今話のラストにて、そういうのよりは、インフィニティ編は、サクラの内面でだけで描かれてた、孤高のファイ救済計画だったことが明らかに。

 まあ、今回の侑子さんの説明通りに漠然と受け取って、「とにかく凄いパワーが発動した」で解釈をすませてもいいスケールの作品なんですが、敢えて細かく考えると、サクラは二つのチィに眠る羽根の力を使って、本体を二つに分離(この表現は適切ではないかもしれないですが、飛王が(たぶん)魔力で真・小狼から存在が同じ餌の小狼を作り出しているように、細かい設定はともかく、作中の世界では、凄まじい魔力さえあれば、自分の分身のようなものを作り出せるものと思われる)し、ファイに殺されたサクラを片方の世界へ、もう一つの「まだ命が消えてない」サクラをサクラの望む世界へ旅立たせることで、「呪いからサクラを殺すことになってしまうファイ」という予定調和に定められていた悲劇的未来を回避したものと思われます。

 幽閉されてた大事な存在である「もう一人」を自分の命と引き替えに死なせてしまったファイの絵と(このカットで次元の隙間から出てる手の袖の部分がモロ飛王っぽいので、やっぱりファイに悪魔の選択肢を突きつけてきた存在は飛王っぽい。そう言えば、Chapitre.133「旅の行方」で、侑子さんがファイに「仕組まれた事とそうでない事、貴方はもう分かっているでしょう」の言葉を語っており、その後がファイの幽閉されてる回想でした。つまり最終的に、サクラを使っての次元の記憶回収ミッションのお供としてファイをサクラのもとに送るまでが飛王にコントロールされて仕込まれていて、「もう一人」殺しもその「仕組まれたこと」の一環だったということ)、再び呪いで大事な存在となったサクラを殺してしまった(かに見えた)ファイの絵をリフレイン演出で見せて「また大事な人を殺してしまった」のか?と引っ張っておいて、そこから秘匿されてたサクラのファイ救出計画が決まって、サクラの生存が明かされ逆転する構成は見事でした。自分が孤独に落ちることをはじめ、様々な対価を払って見事に予定調和な悲劇的未来を変えて見せたサクラ、

 「忘れないで、これからも未来は変えられる」(サクラ)

 の言葉をファイに残します。「唯一の姫君」以来、サクラを守る気でいたファイだけど、実は守ってもらったのはファイの方。ファイの「死にたがり」の源泉には(悲劇的な)未来を変えられないという諦観もあったと思うのですが、それを無効化できることを実証しての、サクラがファイに残したメッセージです。今話サブタイが「愛すべき未来」。死にたがりのファイにサクラが提示したものを表現してると解釈したい所です。

 ◇

 ファイに微かな救いの糸が垂らされたのはステキなんですが、その対価としてサクラが孤独の旅路に入ってしまったのは悲しい展開。最後の言葉が、

 「また会えるまで」(サクラ)

 だったのが微かな希望でしょうか。サクラ、仲間パワーをないがしろにしてたワケではなかったんだなぁ。それを凌駕するくらい、ファイを救いたかっただけで。

 インフィニティ編終幕で新展開に入りそうな雰囲気ですが、ここでの別れをタメに、サクラと仲間の再会が盛り上がりそうになってきましたよ。また長い目で、感動回を待ちます。

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