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面白い!基本コメディ調のキャラクター漫画なんだけど、ちょっぴりイイお話も入ってて、東ちゃんの「ひいじいちゃん……」の所では泣きそうになった。泣きそうになっても、ギャグで落とされてるんですが、それもイイ!
厳しく変わってしまった練習環境にもう部活を止めようと思ってた成明高校剣道部の小川芽衣ちゃんが珠希の完成された剣道のカッコよさに触れてもう少しだけ部活を続けようと決意するまでの流れ、そしてそれを見て自分の厳しい指導方針と現実の若者の軟弱さに(おそらくは)若干の迷いがあった林先生が、剣道は厳しくあって良いのだと気持ちを決めるくだり、そしてそんな林先生に、人として、教育者として影響をうけるこちらもまだ至らない大人のコジロー……と、ここまでの連鎖の流れは本当に良かった。努力が結実した完成された強さ、カッコよさというものは、そこまで周囲を巻き込みます。
そして、同じく巻き込まれてしまった表紙にもなってる今巻メインキャラクターの東聡莉ちゃん。勉強ダメダメだけど大学進学志望ゆえ、高校では勉強しなきゃで剣道ができない、だけど内面では剣道がまだとても好きで……という前巻までの状況から、こちらも珠希の強さに触れて、徐々にハートに熱を取り戻していきます。そこで挿入されるひいじいちゃんの回想が泣ける。勉強がどうしようもなく、ドジっ娘で何もかもダメダメな幼東ちゃんだったからこそ、何か一つ特技を伸ばしてあげようと、剣道を教えてくれたひいじいちゃんの優しさ。ちょっとだけ真面目に、偏差値システム外で生存権を付与する、『金持ち父さんの子供はみんな天才』的なすがすがしさを感じさせてくれます。完成されて美しい珠希と、だけどそんなタマちゃんとある程度打ち合えるくらいには自分でも「デキ」る剣道という存在を与えてくれたひいじいちゃんに感謝して東ちゃんが涙を流してる場面が感動的。
けれど、ここまで感動的に引っ張っておいて、東ちゃんが室江高校剣道部の5人目として入部する決定打はギャグオチで攻めます。
「第一ねあんた 部活の時間を勉強にあてて多少成績上げるよりも――得意な剣道頑張って、内申よくして推薦で大学行った方がいいんじゃないの!!?」(ミヤミヤ)
熱い。学業と部活の両立、それが出来なくて悩む登場人物……というのはわりと青春部活漫画でよくあるお話ですが、かなり画期的な解決方法です。ミヤミヤの「推薦で大学行った方がいいんじゃないの!!?」ビームで東さんが貫かれる絵はかなり笑った。
◇作画担当の五十嵐あぐり先生の個人サイト
恥ずかしながら初めて存在を知りました。そして、オリジナルイラストに舞台裏話、etcと何とも充実している『BAMBOO BLADE』ページ。BAMBOOファンで未チェックだった方は義務的に行くべし!↓
『アンチヒロイン通信』
最新の日記(4月26日分)では今回5巻にまつわるミニ話まで書いてくれてますよー。
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それを明るく楽しい部活を介してすんなりと伝えてくれるからこそ、単に萌え描写だけではない地力があるんじゃないかと。それを伝える人々のキャラが立っているからこその手法ですが。
個性の強い人々の群像劇故の現実感が、作品に親しみを持たせていると思います。
なによりおまけや五十嵐先生のサイトから伝わる通り、両先生が作品を本当に大切に思っているからこその面白さなんでしょうけれど。書き手すら楽しめる作品が面白くないわけないんですから。
最後に、作品の世界を凄く大切にする心遣いは、土塚先生の他の作品でもそうなのでお勧めですよ。特にマテリアル・パズルは武装錬金とかFateみたいな、とにかく熱い作品なので。一応、2巻までをお勧めしておきます。