モコナが良かった。
東京編以降、ギクシャクした感じというか、何かが破綻してしまったように描かれていた新パーティーの面々の関係性が、サクラの救済という目的に一致して再びまとまった感じ。黒鋼をモコナがおちょくるコマが久々で愛おしい。
サクラが強運と右足、体と魂の分離、そして仲間との別れという対価を支払って完遂したファイ救済計画がここにひとまず成就。
「モコナも行く!」(黒鋼)
「おう」(黒鋼)
の黒鋼とモコナのやりとりから、
「ファイ、一緒に行こう!」(モコナ)
までの流れは涙もの。ちょっとコンビニで立ち読みしながら涙腺にきた。氷の牢獄で死への安楽の最中それでも他者を求め、だけど得られずに死にたがりとして独り様々なものをあざむいて生きてきたファイが、今は一人ではなく、四人。この辺り、Chapitre.144「一番大切なもの」、Chapitre.147「三つの世界」、Chapitre.148「二つの選択肢」、そして今回のChapitre.152「四つの対価」と、一、二、三、四のナンバー付きサブタイトルはそれぞれ流れの中で意味があったっぽい。それがここにきて、ようやく「四」人。熱い。
そして、飛王パートに飛んで、本当はファイが刺すのは真・小狼のはずだったことが明らかになり、明確に定められた未来が「変わった」ことが示されました。やっぱり、コントロールされた、定められた運命のようなものを、作中是である紡がれる「関係性」が打ち破っていく話なのだと確信。そして、新たな関係性構築の一要素として、夢の中でのサクラと四月一日の出会いが侑子さんの口からあげられます。これは、クライマックスの最逆転カードとしてきそう。対価を支払ってまで四月一日を助けた真・小狼の顔が、黒鋼が四月一日の名を侑子さんに問いただしてる場面で翳ってるのがちょっと気になりますが、真・小狼、サクラ、四月一日ラインは雰囲気的にどう考えても是の関係性でしょう。このラインが繋がるお話も、もはや待ち遠しいです。
そんな感じで、最初からファイの死にたがりを看破して物言わず最善手で接してくれてた黒鋼に、謎生物のくせにまさかビックリでいい所を持っていく形でファイの存在の大事さを説くモコナに、サクラが嘘も含めてファイを信じていたから俺も信じるという真・小狼の三人を伴って、ファイ、一人ではなく、四人で運命の地セレス国へ。次回休載ですし、ここで一区切りっぽいですね。あー、振り返るとインフィニティ編も東京編に負けず劣らずの濃いお話だった。
◇
最近の黒鋼のカッコよさは異常だ……。
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