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 だいぶ昔書いたお話(多分ブログ移行前に無印SEEDのまとめみたいなので書いたヤツ)に、『ガンダムSEED』シリーズはパズル的作品だ、というお話があったんですが……
 例えば、『ガンダムSEED』は序盤にラクスから提示される、「あなたが優しいのはあなただからでしょう?」という台詞が、パズルの一ピースなわけですよ。序盤に提示された段階では、そのピースがどこにハマるのか視聴者には分からない。けれど、その後2クールかけてパズルの外枠が埋まってきた所で、第34話が訪れると、ああ、あの時のピース(台詞)はここ(カテゴリから離脱しての個人化)にハマるんだ、と考えながら見ていた人は、自分でピースをもっとも美しい場所にあてはめて感動できるわけです。

 だけど、こういう視聴しながら自分で考えてピースをあてはめていくようなパズル的作品は最近流行らないのかもしれないとちょっと感じるようになった。母上が見てる関係で朝に『どんど晴れ』ちょくちょく見てるんだけど、毎回のラストにナレーションが入って、今回のお話ではこういうことを言いたかったんです的なことを全部喋ってくれちゃうのね。これ、確かに分かりやすいんだけど、僕的にはどうなのかなという感じ。自分である程度ピースを当てはめる作業を必要とするパズル的作品に対して、最初から出来上がってて完成形で見せてくれて視聴者の思考/読解負担が少ない作品を絵画的作品と昔僕は呼びましたが、一般人が見てる数では『ガンダムSEED』より数倍多い朝の連ドラがこういうことやってるのを見ると、今、作り手は世間が求めてるのは絵画的作品だと判断してる?って感じなわけですよ。

 このパズル的作品と絵画的作品の違いは、視聴者に思考力が要求されるかどうかなんだけど、世の中が思考力を使わないで楽しめる系の作品に向かってると感じるのは、CLAMPの脚本担当の大川さんが、トップランナーに出たときに、「最近の読者はいきなりクライマックスだけ見たいから、起承転結のうち『承』をはぶいて構成している」という話をしていて、それを聞いた時になんかも感じました。『承』から色々思考して『転』『結』にあてはめていく思考遊戯的作業を、最近の読者は嫌がっていると大川さん判断しているんじゃないかと(もっとも、CLAMPは『ツバサ』も『XXXHOLiC』も、全体としてはスゲー読者に読解力が要求されるパズル型の作品だから僕は好きなんだけど)。

 『コードギアス 反逆のルルーシュ』に関して、コンティニュー Vol.33 (33)オトナアニメ Vol.4 (4)に載ってた監督インタビューで、実際に視聴者になるはずの現在の高校生をリサーチするべく実際の高校に監督達が取材に行ったら、今の学生は努力とか無しに自分は何か凄い存在になれると思ってることが分かった。だから、昔だったら主人公が一回挫折したら新しい魔球を身につけるまで修行パートを入れる所を、コードギアスでははぶく感じで描いてる(概意)……なんて語ってたのも、修行パート(思考をフル活用して壁を乗り越えるパート)を省く方が感情移入できるなんていう最近の風潮かもしれない(これも、コードギアス自体はバリバリパズル型の作品だから僕は好きだけど)。

 あと、復活したどらみそら。さんにて、あなたは覚えてますか? 6年越しの伏線を。っていうエントリがあって興味深く読んだんだけど、この長期に渡る伏線は好まれなくなってるかもしれないというお話も、かなり昔の伏線を覚えていて、自分で頭の中から引き出してきて、回収回にそこに自分であてはめて感動する、という感動までに思考のプロセスが入る部分が、「面倒だ」と思われてしまってきてる部分なのかもしれない。

 アニメや漫画の鑑賞だけじゃなく、この思考力を要しない方がヒットするという傾向は、最近ヒットした世の中の娯楽全般にも感じる部分。例えば、『脳トレ』ブームから始まる、なんだか最近コンプレックス産業っぽくなってきた任天堂のソフトラインナップなんかもそう。『一個人』という雑誌の2007年05月号で、数学者の秋山仁さんが、脳トレでは数学の最前線で使うような深い脳力(思考力)はつかないって脳トレを批判していたけど、それはぶっちゃけその通りなんだけど、自分でじっくり突き詰めて思考して考えて……という部分のプロセスをふっとばして、楽して脳だけ活性化できる!みたいなフレーズが、最近の世間ではウケていて、これも思考力を必要としない方がウケるパターンのような気がする。

 あとは2ちゃんねるとmixi。たぶん、サイトやブログを表に公開してる人の総数よりも、2ちゃんねるとmixiのユーザーの方が多いという点で流行ってると捉えられるからここで例に出すんだけど、普通にサイトやブログで表に文章を公開していると誰かに見られているという抑制力が働いてそれなりに思考力を働かせて文章を書かなきゃならないんだけど、2ちゃんねるならどうせ匿名だし皆毒吐きだしという意識が働いて、あんまり思考力を使わないで文章をアウトプットできちゃう点。mixiは逆に、どうせ何書いても見てるの身内だけだし的な意識が働いて、やはり思考力を使わないで文章をアウトプットできちゃう点。やっぱり、そういう方が、流行りやすい。

 どうも、最近の流行の風潮として、そういう「思考力を使わない方がイイ」的流れがあるのかもしれないというのは現実として把握しとかなきゃいけないんだけど、あんまり、そっち方向にばっかり世の中流れてもつまらないというのが僕的な感想。『ガンダムSEED DESTINY』の34話のラストで、いちいち「一度は憎しみの連鎖を断ち切らんとした前作主人公のキラであったが、今再び今作主人公のシンの手によって憎しみの刃はキラを貫くのであった……」みたいな解説ナレーションが入ったら冷めますよ。分かりやすけりゃ良いってものでもない。

 そんな思考力を使わない、楽して楽しめる……的最近の風潮に一石を投じる希望が、ビリーズブートキャンプですね

 全然楽じゃない。超苦労して身体動かした上で目的(痩せる)を達成して楽しみを得るという。まさに、「楽して楽しむ」的忍び寄る風潮へのカウンター作品(作品?)。

 というわけで僕は個人的にはビリーズブートキャンプ的娯楽を応援していきます。

(仮)ビリーズ ブート キャンプ 7DAYS SUCCESS PLAN (DVD3本+ビリーバンドセット)

思考力を必要としない娯楽その2