ブログネタ
ガンダム00(ダブルオー) に参加中!
 ガンダム00が、ソレスタルビーイングという上から見下ろす形で大きい視点からしか地上の人間の活動を見れない「天上人」と、一方でそんな大きい視点は持たずに、実際の現場、地上で必死に這いずり回って小さい視点でも実感として真実を探求して足掻いている「地上人」との対立構造の物語であるということは、かもめさんが放送前のこの記事の時点で指摘している事柄だけれど、僕としてはもう一つ、このような視点からガンダム00を見る上でとても参考になるコラムがありますので紹介。2006年4月時点でITmediaに掲載された小寺信良さんの情報過多が作り出す「Level1飛空艇」症候群というコラムです。
 上記リンクの記事を熟読して頂いたのを前提にお話を進めますが、ガンダム00のソレスタルビーイングっていうのは、上記コラムで言う所の「Level1飛空艇」症候群の若者を風刺したような存在なんですよね。実際の地上のことは実感として知らないのだけど、知らないままでも飛空艇に乗って上から俯瞰できちゃう力(プトレマイオスやガンダム、光の粒子の技術)を手に入れてしまったゆえの、偏った視点を持つ存在。それを、現実の社会経験はないけど、グーグルアースで世界を俯瞰した気にはなれちゃう現代の若年層(想定視聴者層とある程度重なる)に重ねて、批評的に描いているのがガンダム00だと思います。

 トラックバックを頂いた感想先ではBLOG不眠飛行さんなんかが、セイロン島や北アイルランドの紛争の詳細な背景もちゃんと描けと怒ってますが(第3話の感想など)、そういった怒りは、上記コラムの小寺信良さんの書く所の、

「例えばまだ何も経験していないうちから、この職種はこういうところがオイシくてこういうところがキツい、人事部の面接ではこういうところが評価される、営業とはこういうものだ、といった情報には異様に詳しい。これを聞いたら、オマエが営業の何を知っとんのじゃオラと、多くの現役営業マンが怒髪天を衝くことだろう。」

 といった類の怒りに近い印象を受けます。

 ただ、そういった「Level1飛空艇」症候群の危うさと、そういった若者に対する現場の人(紛争の話で言うなら、紛争の当事者や、真剣に調べたり学んだりしてる人)の怒りをも、込みで客観化して作中に盛り込んでいるので(天上人の立場で思惑が伏せられたまま物語が進むという構成を取られている主人公サイドソレスタルビーイング=視聴者の感情移入は拒む/天上から降りてきた彼らに困惑する地上人サイド(セルゲイ中佐や沙慈くんなど)に視点を設定してむしろ第3話までは作られている)、おそらく急に視点を現場に持ってきて各紛争の詳細をお勉強的に作中に盛り込むことはないかと思われます。詳細をはぶいているのに(ソレスタルビーイングの面々もある種の視聴者も飛空挺から見下ろしてるだけなので現場の詳しい背景など知らない)、なのに上から分かった気になって武力干渉してくるソレスタルビーイングというのを、危うく、別な視点(ある種の視聴者の視点含む)からは怒りの対象として描くのが恐らく送り手の意図でしょうから。

 そして、作劇上ほぼ当たり前ですが、序盤でまだ優勢のソレスタルビーイングの「Level1飛空艇」症候群軍団に対して、必ず揺り戻しが来る部分が描かれるハズです。上記コラムで言う所の全滅経験ですね。

 ここは一発、まずは全滅して貰って、オノレの限界と力量を知るというのが筋だろう。

 とありますが、まさに僕もそれが筋だと思うので、全滅まではいかないかもしれませんが、それに類する破滅経験をソレスタルビーイングの主人公達は物語途中で経験するという筋を、ちゃんと制作サイドは通してくれるように今のところは感じられます。

 そして、どっちを正しいとは描かないのがガンダムシリーズですが、天上人VS地上人の構図もおそらく相対正義的に描かれるはずで、その中で現在優勢の見下ろし視点からのソレスタルビーイングに対して、思想的カウンターとして自国のために世界中を飛び回ってるという設定のヒロイン、マリナ・イスマイールが、地面を這いずり回っている地上人代表として出張ってくるんだろうという予想は僕もかもめさんと同じ。

 そこで、上記コラムで言う所の、

 そして地面をはいずり回って構築したオリジナルのワールドマップこそ、リアル世界で価値があるものだと知って貰うしかない。

 が、危うい「Level1飛空艇」症候群の少年達に対してグサリと決まってくれるのを期待しております。

機動戦士ガンダム00 (1)

→前回:第03話「変わる世界」感想へ
→次回:第04話「対外折衝」へ
「ガンダムは誰のために創られているか?」へ