2007年11月12日
Re:Survival/感想/WEB漫画
死と生の価値の反転した空間での殺し合い。
自殺について突き詰めて考えた時、個人的にある結論に至り、この前、澁澤龍彦幻想文学館で三浦雅士さんの講演を聞いた時に、三浦雅士さんも澁澤龍彦も僕と同じ結論に至っていたことに驚き、またそのテーゼの系譜は夏目漱石〜小林秀雄〜澁澤龍彦という流れの中で捉えられる日本文学の一大テーゼの潮流だったと知った時は大変驚いたんだけど、レイくんは今「DS文学全集」を読んでるような人だから(笑)、そんなアカデミックな意味での日本文学の潮流なんてまったく意識しないで描いたお話だったんだろうけど、先人と一致してるのがスゴイ。
すなわち、自殺とは、自殺を考えてる自身の存在そのものすら否定することに他ならないので、論理的に否定の否定になり、自殺というテーゼは自殺を考えた自分自身が内包する自殺というテーゼ自体を否定しているため、裏返って「生」という結論にしかならない(ロジックを丁寧に追ってみて下さい)。
そのことを、殺すことが生かすことに反転している世界という作中世界でもって描いている今作は瞠目に値する。作中世界では、「殺す」行為が、「殺される対象」が内包している「自殺」というテーゼを否定することになり、反転して「生かす」ことになるのだ。
そうして殺されることで自分が内包している「自殺」自体のテーゼが否定されて反転し、結局「生きる」ことになった佐山美和と川本夢姫が「生」の世界で再会するというラストは圧倒的。「生」の世界は、ただデフォルトにそこにあるだけじゃなく、自殺を殺すという「否定の否定」の末に存在する反転した世界であるという風に意味合いが付加されています。自殺の方を志向した人間にとっては、ある意味「生」の世界の方が虚構的なんだけど、ラスト数ページ前の死神の言葉が効いていて、それでも二人は生きていくというラスト。
うむ、「ちのしあ」も好きだけど、この「Re:Survival」は間違いなくレイくんのこれまでの最高傑作だろう。そんな感じで文学の領域に寄ってるので、エンターテイメントとしては評価されないかもだけど(;´Д`)
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