僕なりに内容をかみ砕いて伝えるんですが、とりあえずリーダビリティーも高くて一気に読める本だから実際に手に取ってみるのがお勧め。
まず、今までこのブログでも何度か書いてきたように、一般的によく言われる「公正な見方」とか「バイアスをかけない見方」、「ナチュラルな見方」、「色眼鏡をかけないで」なんていうモノの見方は、実は全て嘘。そういう概念を絶対な正義として押しつけてくる人がいたら、まず疑ってかかった方が良いです。
実際は「公正な見方」などというものはこの世のどこにも存在せず、人間というのはデフォルトで、モノを見るときに自我という名の主観に基づいたバイアスをかけて外界を知覚し、考えるように生得的に設計されています。人間、というか人間の脳がそういう特性を持っていることは、哲学、心理学、脳神経科学、などなどの認知系の学問の最近の研究が、かなりの説得力を持って証明しています。
人間は色眼鏡をかけてしか外界を知覚できない生き物。
まずはそれが大前提。
で、それは昔から気付かれていて、その虚しさに救いを与えるように、せめてその色眼鏡を綺麗なモノに磨いていこうなんてお話が、有名な人間はボロ船で大海を航海してるようなモノなんていう哲学の小話で昔から伝えられてきたわけですが、そういった人間の認知に関する歴史的な知見からも、人間はかける色眼鏡次第で、外界をポジティブにもネガティブにも知覚し得るということが一つ明らかなワケです。
簡単に二極化すれば、
1.ポジティブな色眼鏡をかけて、外界からの情報を全て前向きに変換してインプットして自分に活力を与え、自分に活力があるゆえに発言・行動といったアウトプットもポジティブなモノになり、そのアウトプットがまた他者にポジティブな影響を与えていくという連鎖の中にいる人
と、
2.ネガティブな色眼鏡をかけているがゆえに、外界からの情報全てが自分に負の影響を与えているかのように知覚して自分の活力を失い、外界がネガティブに見えるゆえに発言・行動もネガティブになり、そういった負のアウトプットが他者にも負の感情を与えていくという連鎖の中にいる人
との二種類の色眼鏡を持った人間がこの世の中には存在します。
で、この本で教えているのは、2のネガティブな色眼鏡から、1のポジティブな色眼鏡にあなたの知覚のバイアス/フレームをかけかえる方法です(かなり簡略してますが)。
自己啓発系の書籍ではそれこそポジティブシンキングが大事だというのはどんな本でも言われていることなのですが、この本がすごい点は、このポジティブシンキングへの色眼鏡のかけかえ方を、技術として洗練させて具体的に伝えており、またその技術の有用性と実際に有用だった結果を、ある程度の理論と実際の結果(データ)によって証左してる点です。
ポジティブシンキングしたい、前向きになりたい、自分のやりたいこと目指して活力をもって生きたい、そういった沢山の人のニーズに対して、眼鏡をかけかえれば上手く行くという所までは指摘しながらも、具体的にどうやってかけかえればいいかを突き詰めて技術として体系化し、それを分かりやすく伝えている本というのは、中々なかった。確かに、これは1300万部売れる本です。
そういうわけで非常にイイ本だと思ったんですが、今回の本田健さんの日本語訳版に対して、原書「Awaken the Giant Within」は4倍の量があるとの情報が巻末解説に書いてありました。これ、人気出て完訳を日本でも出してくれないかなぁと思いつつ、相当イイ本だと思ったので、これなら久々に原書を取り寄せて英語でがっちり読んでみるのもイイなと思った一冊でした。NLPの理論の妥当性とかはcontroversiveな話題ですが、単純に結果から見て前向きに活力を持って生きられる人を量産してるという点では、やっぱりアンソニー・ロビンズはスゴイよなぁ。
→2冊セットな感じ。本書とセットになると前書も相当イイと思うようになった。
一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える
一瞬で「自分の夢」を実現する法
→Amazon洋書ストアの544Pの原書版
Awaken the Giant Within: How to Take Immediate Control of Your Mental, Emotional, Physical & Financial Destiny!