2008年01月05日
機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)/感想/第13話「聖者の帰還」
も、もう最終回でも良かったんじゃないかと思うほど、1クールラストで区切りよく心地よい完結感が。
「歩みよることができる」
という落としどころ。
宇宙(天上)を志向している改革派の代表のマリナさんと、地上志向の保守派(というかそういう人達の受け皿になってる)の代表のマスードさんとが歩み寄って対話へ……という所で大局的なアザディスタン内戦のお話には区切りをつけたんですが、それ以上に一番歩み寄ってるのは、武力による紛争の根絶が理念のはずのソレスタルビーイングが、武装解除して(武力を持たないで)マスード氏をマリナさんの所まで運ぶという、「武力」という理念の一部を捨てて「歩みよってる」点。
刹那のガンダム(神)信仰→上から武力で押さえつければ解決というのはどうか?という感じの危うさがずっと描かれていたと思うんですけど、刹那、武力で上からやってしまうだけじゃなくて、武力を使わずに非暴力の聖者の行進を見せるという、なんか、つきまとっていた危うさを払拭するようなラストの展開で、もう刹那的にもステップアップ出来て良かったね。ガンダム信仰も、一応の形で報われて(一時的にでも紛争を止められたことで、あの日見たガンダムに一応なれた)良かったね、みたいな。
また、ラストの刹那とマリナさんの構図が相変わらずニクイですよね。ガンダムのコックピットから見下ろす天上人の刹那と、それを見上げる天上を志向している地上人のマリナさんとの間での会話。ソレスタルビーイングのやり方を否定していたマリナさんがソレスタルビーイングを一応は認め(信じたいと言っている)、天上人の刹那が非天上志向の代表のマスード氏を保護して地上に下ろすという、両者の歩み寄り。だけど、それでも、まだまだ第08話「無差別報復」のラストシーンから続いている、見下ろす刹那に見上げるマリナさんという圧倒的な構図は変わらないという。
さらに、非武装の歩み寄り作戦に難癖付けてたティエリアに対して、リューミンが意外にも「歩み寄ることができる」とか言っちゃってスメラギさんの非武装作戦を認めてる所とかポイントだと思った。王留美、当事者意識、実感描写の無さから、ティエリアと並んでラスボスくらいの予想してたけど以外とイイ奴なのかもしれない。
あと、グラハムファンが見逃していけないのが、今話にあったもう一つの歩み寄りとして、天上人刹那と地上人グラハムの歩みよりがあったのもポイント。刹那とグラハムの会話のシーン、刹那は高い所から見下ろす構図で、グラハムは下から見上げる構図だったのが要注目。これまではセルゲイ中佐ほど明示はされてなかったけど、これにてグラハムも今は地上人キャラというのが分かったと思います。そして、そんな刹那とグラハムが、どちらにも正義がある、そうこうしているうちに人は死ぬという点に置いて「同感だ」と歩み寄って、グラハムが刹那に情報を教えちゃうという、一種の天上人と地上人の歩み寄り。それが巡り巡って、ラストの聖者の行進に繋がるという。マジで、最終回っぽかったなぁ。
あとはまだこの部分のストーリーラインにのびしろがあるとすれば、刹那の方が武力を一旦捨てて歩み寄った今話とは逆に、マリナさんの方が今度は武力(刹那)を必要とする時が来るのかもしれない。それこそ、今までのシリーズで言えば終盤のリリーナに対するヒイロ(ガンダムW)、理想に空回りしてた前半カガリと現実を飲み込んだ終盤のカガリ(ガンダムSEED)みたいな感じで。
●ロックオン兄さん
第05話の「ガンダムマイスターは一人じゃない!」の所とか、今回の「それはどうかな?」の所とか、一人ではできないという所で必ず援護射撃に登場してくるロックオン兄さんのカッコ良さが半端ない。
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先日はお会いできて嬉しかったです。また来られるタイミングがありましたら、差し入れ持っていきますね(笑)
さて、今回のOOは「聖者の帰還」というタイトルに込められたダブル〜トリプルミーニングが綺麗+切なかったなぁと。
一つ目のダブルミーニングは「聖者」というフレーズ。
宗教的指導者たるマスードさんの帰還。前回は無力に終わった刹那(神を駆る存在)の帰還。ここまでのダブルミーニングは予想していたのですが、とどめにマリナさんへの「戦え、お前の信じる神のために」まで重ねてキタ━(゚∀゚)━!!!!!。
皇女という立場にありながらも今回は無力に終わったマリナさんが、自分の信じる神のために戦う「聖者」としての帰還を求められるという。
このあたりの全てを含んで「聖者の帰還」とタイトルを付けてきたのがメラ綺麗に感じられました。
>も、もう最終回でも良かったんじゃないかと思うほど、1クールラストで区切りよく心地よい完結感が。
>「歩みよることができる」
>という落としどころ。
のくだり。ここの解釈が二つ目のダブルミーニングなんじゃないかなぁと。
表面としては、聖者が帰還したことによる「一時的にでも紛争を止められたこと」をポジティブに受け止めるシーン。裏面としては、聖者の帰還をもってしてもアザディスタンの内戦が収まらないことを、ある意味ネガティブにも受け止められるシーン。
聖者が現れて一刻の平和は得られた。けれど争いそのものは止まらない。歩み寄ることはできるが、その関係も永く続きはしない。聖者の帰還が示した儚い理想と、聖者の帰還が示した皮肉な現実。では何をもってすれば争いを止めることができるのか。
このあたりの皮肉さと救いのなさがメラ切ない一話でした。
ED曲「愛を知らず、揺れる揺り籠、燃え尽きていく、眠りの淵で。共に生きる喜びさえも、消えてしまう、遠くへ」と、ナレーション「しかし、アザディスタンでの内紛は未だ続いている」を重ねた素敵演出から見ても、
今回の歩み寄りは「共に生きる喜びさえも、消えてしまう、遠くへ」という形に終わってしまうことが示唆されているような。
そんな感じで完結感と共に新クールに向けた課題提示に感じられる〆だったわけですが、その課題を解くための鍵を握るのがマリナさんの役割とか。
平和声明を背景に戦車が街を駆け抜けたり、暗殺の標的とされて嘆くしかできなかったり、マリナの絵を背景に強盗や殺人が横行したり、ガンダム攻撃を阻止できなかったりと、
DESTINYのカガリばりに落とされたマリナさんの今後に期待したいところです。
これでマリナさん覚醒回のキーフレーズに「聖者」のフレーズが含まれていたらどうしよう(笑)
このあたりを見ていて、ふと、ひぐらしの「ババ抜き」が思い浮かんでしまいました。ババ抜きを続けて敗者を生み出すゲームを止めたいのなら、ババ抜きを止めるように呼びかけるか、毎回自らがジョーカーとなって場からジョーカーを取りあげてしまうか、ゲームそのものをジジ抜きに変えてしまうか。そんなことを思ってみたりでした。
差し入れどうもでした。座ってるの寒かったのでホットなドリンクは大変嬉しかったです。
一時的にでも止められたんだから、刹那がんばったよという心境なんですが、エンディング導入部分が「しかし、アザディスタンでの内紛は未だ続いている」だから、やっぱりこれだけはまだまだということなのか。果てない理想を追ってる感じで、刹那はだいぶカッコよくなりました。だから、「ガンダムになった」とは言わせてないんでしょうね。まだまだ、ガンダム信仰の道は遠いみたいな。だけど、自分がその果てない道を追って戦ってるように、マリナさんにも自分の信じる神を追って戦えと鼓舞していると。刹那カッコいいなぁ(笑)。









