2008年05月12日

ダブルアーツ/感想/第7話“鴉は舞い降りる”/古味直志

 今週の「ダブルアーツ」。ジャンプ雑誌本編のタイムリーネタバレ感想。第7話「鴉は舞い降りる」のネタバレ感想です。
 ◇

 前回ラストの(未来のエルーのものと思われる)モノローグで、「あいつ」と特別な呼称で呼ばれていた、これからキリとエルーの因縁の相手となるキャラと思われる、ルーシー・ゼズゥなる敵キャラが登場。

 ダブルアーツの「アーツ」がたぶん「Arts」で、「透明」になっていく作中否のトロイという病気に対して、透明な場所に絵が描ける、「彩り」を創り出すことができるという作中是のクリエイティビティーを意味している「Arts」なんだろうとは前から書いてきたことですが(実際、キリには絵を描くのをはじめ、芸術的な創造する力がある設定)、今回ゼズゥが、カラスというガジェットを引き連れて登場してきているのは、たぶん「黒色」という部分に意味があって、そんな作中是のキリ(とエルー)が創り出す「彩り」を「黒色」一色に塗りつぶしてしまう……という比喩を込めての、「黒色」を携えたキリ(とエルー)の敵キャラってことなんでしょう。

 あとは、ローズさんの自己犠牲的な姿勢をキリが否定的に捉えた所も今話の見所でしょうか。作中否のトロイと、それを打ち破る作中是のキリ(とキリにまつわる能力・特性)の対比は前回の感想でまとめた通りですが、そこにさらに、「自己犠牲−自己犠牲の否定」というのも加えられそうです。

 これも、人との触れあい、関わりができなくなって消えていくトロイに対して、人と触れ合って関わり合って力を増幅させるキリのフレアという構図にほぼ繋がってくることで、シスター達は自己犠牲、つまりはトロイを吸い上げて自分が透明になって消えていくことを受け入れてしまっているフシがあるんですね。いわば、他者と繋がらずに「存在が薄く」なっていく方向を受け入れてしまいがちな人達(第01話でキリと出会うまではエルーにもこんなフシがあった)。で、それではいけないだろうと言うキリの能力は、そんな姿勢とは真逆の、他者と繋がることで、触れ合うことでパワーアップするフレアなんですね。こっちは、逆に他者と繋がることで「存在が濃く」なっていくイメージ。そんなイメージが、それぞれ「自己犠牲の姿勢」と、「みんなで繋がってパワーアップの姿勢」に対応している感じ。ストレートにエンターテイメントとしても面白いですが、この漫画の凄さは考え抜かれた比喩表現の巧みさにあると思っております。

 さて、キリ&エルー、連載開始以来のピンチな状況ですが、まだまだ逆転カードがあるのでそんなに心配でもない感じ。パッと思いつくだけでも、キリとエルーの助けに向かってきているファルゼン部隊、前もってバトル要因として掘り下げられていたスイの存在、力の弱いシスターでもフレアでみんなでパワーアップすればなんとかなりそう……など、結構な逆転カードが思いつきます。3番目のフレアでパワーアップパターンが一番熱い気がしますが、スイ好きなんで助っ人登場して欲しい気持ちも!

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