2008年07月20日
コードギアス 反逆のルルーシュR2/感想&トラックバックセンター/TURN15「Cの世界」
『コードギアスR2』第15話「Cの世界」の感想&トラックバックセンター記事です。前回第14話「ギアス狩り」の感想&トラックバックセンター記事では、6600PV/WEEK超えのご好評を頂いてありがとうございました。前シリーズでの運営経験を生かして、TBセンター記事は早めに立てておきますので、今回も感想記事を書いたブログ管理人の方はふるってトラックバック頂けたら幸いです。なお、記事中はネタバレが前提となりますことをあらかじめご了承下さい。
<追記:感想アップしました>
◇以下本編感想◇
「嘘などつく必要はない。何故なら、お前は儂で、儂はお前なのだ」(ブリタニア皇帝)
SF(speculative fiction)な方向でスリリングな1話でした。
コードギアスは「秘匿-告白」と「強制意志-自由意志」、「ロストアイデンティティ-再アイデンティファイ」がキモだとずっと書いてきた訳ですが、それらの主題が、今までの普通の物語上だけじゃなく、SF的な仕込みも交えて繋がってきた感じです。
皇帝は「嘘」、つまりは今まで使ってきた言葉だと「秘匿」をものすごく否定的に捉えていて、世界そのものを「秘匿」・「嘘」が無いものに作り変えようとしてるフシがあって、まだ断片的ですが、
「嘘などつく必要はない。何故なら、お前は儂で、儂はお前なのだ」
「そう人はこの世界に一人しかいない。過去も未来も人類の歴史上たった一人」
の辺りの台詞に、
思考エレベータが思考に干渉するシステムという情報を加えるに、それぞれの自由意志をもった群体としての人類からなる世界ではなくて、一人の意志に統一された世界を作ろうとしている(思考エレベータ的システムは、一人の意志を人類に干渉させるためのもの?)感じなんじゃないでしょうか。
エヴァ世代にだけ分かる用語で言えば、ATフィールドをとっぱらった人類補完計画的な世界を目指してるんじゃないかと。
確かに自分と相手を隔てるATフィールドがなくなって、人類がたった一人の意志に統一されれば(その一人の意志を選出すべく皇帝は弱肉強食をやっていたとの仮説も立ててみる)、「秘匿」も「嘘」もなくなるんですが、当然それもどーよ?な描かれ方をしていますよね。
マオがやっていた「秘匿」の強制暴露の強化版といったような、パーフェクトな「秘匿」の無い世界な訳ですが、だとしたら、もがきながら自分をアイデンティファイし、相手の強制意志をはねのけて自分の自由意志をかかげることを矜持としてきた、これまでのキャラクター達の物語はなんだったのかという。
ここでこれまでネガティブなニュアンスだった「秘匿」「嘘」に別な側面が見えてきました。内部にある自由意志、自分のアイデンティティを他者からの浸食から守る一つの防御壁みたいな意味も「秘匿」や「嘘」にはあるんだろうと。
「人は誰しも嘘をついて生きている。俺もそうしたまでだ」(ルルーシュ)
勿論「嘘」が良い訳ではないのですが、自我も自由意志もアイデンティティすらなく、みんなが溶け合っている世界があるならば「秘匿」も「嘘」もなく全ての人の心が自動的に分かるけれど、それでいいのか、という。
他人の内面は透けては見えない、もし内面を明かして貰えるなら、それはその他者の自由意志によって告白されるからこそ、意義があるのではないか、という。
「強制意志」、他人の「秘匿」を強制的に暴こうとする行為がコードギアス内では何かと否定的に描かれてきましたが(マオ編など)、そういった「秘匿」は「自由意志」で告白されなければダメだよという主題にこの壮大なSF的仕込みも繋がってきた感じです。その点、スザクがカレンの「自由意志」を踏みにじって秘匿を強制暴露するのを今回回避したのは希望的でした。
で、そういった「秘匿」の強制暴露という作中否に対する、「自由意志」に基づく「告白」ですが、今回それがついにC.C.からルルーシュに対して行われました。今まで共犯者関係でありながらずっと秘匿していた胸の内を、C.C.があの不思議な世界にルルーシュを飛ばすという形で「告白」します。
「よっぽど大事な人」しかあのC.C.の心象世界と思われる場所にはいけないということから、あれは、C.C.からルルーシュへの、私の本当の秘密、過去、私は何者かを知って欲しいという「告白」だったのでしょう。
今回の扇さんの、
「死ぬ時くらいは自分で選びたいから」(扇さん)
がかかってくる、死ねないという地獄。
なんだけど、だから第1話から引っ張ってきたC.C.の願いは「死ぬこと」なんだというのは早計で、たぶん大事なのは、あの心象世界での、
「でも愛されすぎて、そのうち本当の愛が分からなくなった」(C.C.)
の方でしょう。
C.C.の「願い」に関しては第一期第10話の感想と第11話の感想の時点で予想しておりましたが、やっぱりそっちで(表面的にはC.C.的にも「死ぬこと」だったのかも知れないけれど、深層ではおそらくこっち)、愛されすぎて愛が分からなくなって(C.C.もギアスの犠牲者だったんですね)、最後の自分の理解者だったと思っていたシスターにも裏切られて、孤独を抱えたまま悠久の時を生きてきてアイデンティティロスト少女になっていた自分を、ルルーシュの自由意志に基づいて、C.C.として(というか本名の一人の少女として)、愛して欲しい、再アイデンティファイして欲しいんでしょう、本当は。
第一期のナリタでのC.C.の雪の話を覚えていたであろうルルーシュは、心象世界に飛ばすというC.C.の告白を受けて、色々理解したんでしょう(もとから頭はいいので)。
「俺は知っているぞ、お前のギアスを、本当の願いを!」(ルルーシュ)
皇帝が(たぶん)望むような「秘匿」が消えた完全な世界では決して存在しない、「秘匿」を超えて、他者を理解するというカタルシス。
「秘匿」の是非が作品として次のフェーズに入ってきた感じです。
ルルーシュとスザクが対立しながらも同じ言葉を使う場面はこの作品のキーですが(第一期第5話のルルーシュとスザクの共通の信念をC.C.、ユフィにそれぞれシンクロする言葉で聞かせるところとか)、今回の注目は、
「ナナリーにだけは嘘はつかないよ」
の言葉をスザクもルルーシュも使ったということですね。もちろん、これも「秘匿」であり「嘘」なんですが、スザクもルルーシュもナナリーを守るためにこの「嘘」を使っているという。ナナリーっていうのが、手を触れることで「秘匿」を暴き、目が見えないので「強制意志」のギアスが効かず、ユフィが追った「自由意志」の理想を追っているという、作中最強キャラ(テーマ的な意味で)の趣があるキャラなんですが、そんなナナリーを、守るための「嘘」もあって、それをルルーシュとスザクは共有していたってことですね。
「嘘」か「真」か、「真実」か「偽り」かというテーマも、最終章に向けて加速していきます。
そんな中、ついにC.C.までが記憶喪失という形でアイデンティティロスト。これが「真実」か「偽り」かのテーマにかかっていくのは明らかで、シャーリーは記憶を喪失した偽りの時間の中でもルルーシュへの愛に到達した。偽りの時間に形成されたロロとルルーシュの絆はどうなるのか?ヴィレッタと扇さんの絆は無意味だったのか?
奇しくも、記憶喪失中に生まれた絆を拠り所に、ヴィレッタさんが扇さんを助けに海に飛び込んだ回です。ルルーシュと過ごした時間の記憶を失ったC.C.とこれからルルーシュは関係を続けていく訳ですが(これがもちろんシャーリーやヴィレッタさんのケースと重ねられ、対比されて描かれていくと思われる)、最後にルルーシュは何処に辿り着くのか。
何回も書いてるけど、コードギアスは失われた「名前(記憶やアイデンティティ、自由意志もこれに繋がってくる)」を取り戻す物語なので、ルルーシュがC.C.の本当の名前を取り戻してあげるエンディングを希望してるんですけどね。
◇この感想記事はトラックバックセンターの役割も兼ねています。今話の感想(レビュー、考察、etc、関係する記事なら基本的になんでもOKです)をお書きになった方がいらっしゃいましたら、報告義務とかありませんので、気楽にこの記事にトラックバックして頂けたら幸いです。後日僕の方からも返させて頂きます。色んな感想を読みたい人のための一つのインデックスみたくできたら嬉しいと思います。ご協力頂ければ幸いです。
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この記事へのコメント
今週スザクがリフレインを思いとどまったので少しは叩きは収まるかと思いましたが、あいかわらずウザク呼ばわりされてますね。叩かれ方がSEEDのキラと同じになってきてます。何かする度に「行動が矛盾しまくり」「何がしたいのかわからない」など。
なんか長い上に今週とあんまり関係ない話を延々としちゃってすいません。
あー、僕は他の人の感想をほとんど読まないので(TB返す際に最低限の俯瞰はしますが)キャラのうちで誰が叩かれてるとか知らないですし、あんまり興味も無い感じです(笑)。
挙げておられるキャラのラインナップ的に、アンダーグラウンド気取りが多いであろうネットユーザーの間では(まあそれも実はたぶん限定的な場においてなんですが)、矛盾を抱えて現実に摩耗しながらも理想を追うタイプのキャラが叩かれる傾向があるんでしょうか。
そういうキャラを作中に入れるのももはや物語作りの基本なような気が僕はしてますけど(笑)
ナナリーはその時にルルの気持ちが嘘か本当か気付いている?
嘘でないルルの想いに。その時の「想いの力」がナナリーを動かしているのでは?
総督になった理由「私はお兄様に見られて恥ずかしくない選択をしたいのです」
・ユフィが特区宣言した時も、ナナリーはルルの手に触れていた。何を感じたのか…。ナナリーからは質問していないから嘘発見能力は働いていないとも考えられる。
・ナナリーが総督として特区宣言した際にも、スザクの手に触れて確認
→同回でスザク「ナナリーは僕の嘘に気が付いているのかもしれない」発言。スザクはユフィの意思を継ぐことは望んでいるが、特区は望んでいない?
皇帝は「強制意志」により「秘匿」をなくそうとしていますが、これは明らかに間違っている。スザクがナナリーをまもるために嘘をついたそうに嘘も方便です。「秘匿」を持っても「自由意志」は守られるべきですね。
エヴァ世代なのに忘れてました。
これは極論だと思うのですがあくまで自由意志を尊重するというのなら
スザクがルルーシュを許さないのも自由
ブリタニア人がイレブンを差別するのも自由
皇帝が自論の弱肉強食を強制するのも自由
という事になってしまうんですよねー。
だから人間、他人を思いやる心が必要という事ですね。
例えば、ガンダムSEED DESTINYではデュランダル議長が人の自由を奪っても争いを無くそうとしました。
今回は、秘匿を無くすために人の自由意志を奪うって感じかな。
谷口監督作品ではガン×ソードがこれによく当てはまります。
カギ爪の男は争いを無くすために、すべての人間に自分の意志を植え付けようとしました。これって、コードギアスの皇帝の行動にかなり似通っていますよね。
僕は毎回、こういう話では敵側の偏った正義に賛同してしまうのですが、変わっているのかな?
でも、今回は賛同できそうにありません。なぜなら、皇帝の声が若本さんだから…
(若本さんの役=悪)というイメージがついてしまっているんですよね(笑)
これは、今後の話の展開に大きく関わりそう。
OPでシュナイゼルが皇帝と同じような演出でていることから、シュナイゼルがこの原爆っぽいものを使ってなにかやらかしそう。
シュナイゼルが最終的に戦争を治めて、シュナイゼル皇帝のもとでの平和な世界が達成されて終わりというような展開もあるんじゃなかろうか。
それにしても、ニーナはアインシュタイン並に頭が良いんじゃないのか。
ニーナの頭の良さと顔芸は群を抜いていますね。
今後もニーナの活躍と顔芸に期待。
ゼノサーガの集合的無意識を思い出しました。
あの世界だと死んだ人が自他の壁が無い世界を拒絶して、それが世界そのものをばらばらにしそうになるんですよね。
普段は綺麗ごとを並べているやつが、ああいう誤ったことをやると周りからのバッシングがひどいからな〜
思ったけど、今からスザクの株価を上昇させようと思ったらどうしたらよいのだろうか?ああいう偽善者にみえるタイプって、人気を下げるのは簡単だけど、上げるのってかなり難しいよね。
それに対して、ルルーシュのようなアンチヒーロータイプは人気下がりにくいんだよね。
なんかスザク君がかわいそうになってきた。
これって多分ダモクレスの剣のことを言っているんですよね。
これは、フレイヤを世界に対するダモクレスの剣のように扱うということでしょうか?(つまり、今の核爆弾のように戦争の抑止力に使うということなのか。)
それとも、本来の意味である王(=皇帝)に対するダモクレスの剣なのでしょうか。
おそらく、前者のほうで、ブリタニアと合衆国連合の戦争を止めるカギになりそうですね。
ナナリーと誰かが手(指)を繋ぐ場面が重要なのは確かですね。
今回のもしかしたら秘匿の無い世界を作ろうとしてるかもな皇帝の話を聞いた後だと、秘匿のようなもので個と個の精神は分かたれてるんだけど、だからこそ繋がろうとする肉体的な「触れる」描写が生きてくるような気がします。
スザクの「ナナリーは僕の嘘に気が付いているのかもしれない」は、単純にルルーシュのこと(特に電話のこと)かと僕は思ってたんですが、どうなんですかねー。
まとめレスですいません。
秘匿、絶対ダメな方向じゃなくて、秘匿もあるから、そういうもので自分のアイデンティティと他者のアイデンティティと別れているから、他者から愛されたり、赦されたり、同定されたりというのは尊いという方向に行きそうな気はしてきました。
ダモクレスはどうなんでしょうね。
前者解釈だと、今回の「戦争は変わる」発言が、殲滅戦への移行ではなくて、抑止力での冷戦への移行と捉えられてだいぶニュアンスが変わってくるんですけどね。
ヴィレッタは完全に避けているのに、自らクナイに当たりに行く扇。
ちょっと、ふいてしまった。あほすぎるでしょ。
でも、そんな扇が俺は好きだー
ヴィレッタは完全に避けているのに、自らクナイに当たりに行く扇。
ちょっと、ふいてしまった。あほすぎるでしょ。
でも、そんな扇が俺は好きだー
これは論理学ですが、「他者の自由意志を尊重してよい」という命題はこの命題を抱いてる自分自体が他者から尊重されているのでOKなんですが、「自分の意志を他者に強制してよい」という命題は、この命題を抱いてる自分自体が他者から意志を強制されて命題を抱いてる母体自体を否定されてしまうので、一種の「矛盾」になってなりたたなくなるんですね。
これは自由意志とか人それぞれの解釈の是云々以前の法則のレベルの話ですが、こういうのがあるので、「強制して良い」だけは成り立たないと僕は思ってます。
他の所は、それらは表裏一体としてスザクがルルーシュを赦すのも自由、差別をしないのも自由なので、選択があるからこそ、赦された時、差別しないと決めた時は尊いって感じで、選択そのものを奪う行為(自由意志の剥奪)自体を否的に持っていくのかなという気がしています。
>プロの棋士団 0番隊隊長さん
>プロの棋士団 最高顧問さん
>プロの棋士団 副司令官さん
どうもはじめまして。
同じ方という解釈でいいんでしょうか(違ってたらすいません、が、もし同じ方だったらレスの際考えるのが大変なので、やっぱりこういうのはやめて頂けるとありがたいです)?
あと、時間を置いての複数書き込みに全部レスをするのは難しいので、まとめレスですいません。
ナナリーは確かに嘘を否的に捉える側のキャラですが、だからこそ一見同じ方向に見える皇帝とは差別化をはかるんじゃないかと僕は感じています。
皇帝は秘匿の無いアイデンティティが消失した世界を望んでいるとしたら、ナナリーはアイデンティティに分かたれた上での、秘匿の告白を「赦し」てあげるキャラとか、そんな感じで。印象的に使われているナナリーの「手繋ぎ」行為に、SF的なお話も最後は収束していくのかもなんて感じです。
ゼノサーガは僕は知らなかったんですが、記事であげたエヴァを持ち出すまでもなく、みんなで一つになっちゃえ的なお話は昔からSFのジャンルにはありますよね。
イイ意味で既存の要素の集合的な作品がコードギアスだと思っているので、今回ほのめかされはじめたSF要素も、そういう感じでいいよなーなんて思っています。
僕はマリアンヌを殺したのはV.V.なんじゃないかと勝手に思っています。(マリアンヌが本当に死んでいるのかはわからないけど)
V.V.がマリアンヌが好きだったことから、愛が憎しみに変わったのかなと思っています。
皇帝がV.V.のコードを抜いたのはその復讐?(皇帝は本当はイイやつ?)
皇帝が死ぬ間際になって、ルルーシュが皇帝の口からその真実を知るという展開があるのではないかと思っています。
P.S.
管理人さんレスありがとうございました。レスのこと考えずに好きなことを勝手に書いていただけなので、レスが来てホント嬉しかったです。
あと、プロの棋士団なんとかも全部僕が書きました。調子乗ったことして本当にすいませんでした。
同じ名前で何回もコメするのはどうかなと思って無駄に「秘匿」を持ってしまいました。今度から名前統一します。
それと、今日は暇すぎて何度もコメしてしまいましたが、今度からは簡潔にコメをしたいと思います。
奥深いレスありがとうございます。
自分は学が無いのであまり高尚な事は言えませんが
あいばさんのレビューは為になると思います。
時々難しいけど。
全部ジュミナスさんでしたか。
>レスのこと考えずに好きなことを勝手に書いていただけなので
できれば何か言葉を発する際は常にその向こうに相手がいることを意識して頂けたらと。
とりあえず、一日内のコメント乱投稿(しかも複数ハンドル)は今後止めて頂けるようお願いします。
読者も、管理人も大変ですので。
>かずらさん
自覚はあります(笑)>時々難しいけど。
分かりやすくを心掛けようとも思うのですが、ある程度書き手側で読者さんの層を決めてそれに合わせて書き方の難しさを調節していくしかないので、今の所分かって難しく書いてる面が大きいです(そういうのを読みたい読者さん向けに書いてるということですね)。
僕の父などは、僕の文章は意味不明で、こんなのを書く僕は頭がおかしいのではないかと本気で心配しています(笑)









