数年ぶりにじっくりTV見てしまったので簡単に感想をば。
柔道知らない人にはちょい宇宙語かもです(w)
●女子48kg級準決勝・谷VSドゥミトル
奥襟を取りたいドゥミトルVS取らせたくない谷という組み手戦。
で、組み手戦のまま組まないと、近年の柔道では指導が来るので、そのまま微妙なバランスで谷の方が一つ多く指導を貰って判定負け。
ちょっとの加減で谷の方が判定勝ちでもおかしくない試合だった。ドゥミトルの決勝での豪快な大外刈りでの一本勝ちを見るに、そんなドゥミトルがビクビクの組み手戦に終始したということで、まあ、そうとう谷は警戒されてたんだろうと。
高いレベルで警戒し合うとよくこういう組まない組み手戦になってそのまま指導や効果で判定ということになるんですが、しょうがないですね。見てる分には動きが無くてつまらない試合ということになりますが、これも柔道です。
●女子48kg級3位決定戦・谷
これは谷っぽい払い腰で一本勝ち。体格が小さいのに内股・払い腰系(とその裏の大外)をタイミングで仕掛けるというのが谷の凄い所です。
結果、銅メダル。なまじ戦歴が鬼なだけに物足りなく語られるかもですが、世界3位なんで十分素晴らしいです。ママでも格闘技で世界3位。久々にテレビ見た甲斐あった。
●男子60kg級決勝・チェ・ミンホ(韓国)VSペイシャー(オーストリア)
ペイシャーの方が学生時代の僕の戦闘スタイルに近く、そこはかとなくイケメンで飄々とした雰囲気で面白かったんですが、今回はチェ・ミンホが凄すぎた。解説の人も言ってたけど、絶好調の時の野村忠宏ばりの無敵加減でした。オール一本勝ちで金メダル。
野村系のクラシックスタイルのチェを、捨て身技から寝技で稼ぐ感じの非王道(って言ったら悪いか)のペイシャーが翻弄する感じの戦いの構図だったんですが、ペイシャー系の戦い方をチェが真向勝負で叩き斬った感じでした。
寝技に逃げようとしたペイシャーをそのまま持ち上げてすくい投げで一本取った辺りが、違う土俵へ持ち込もうとするペイシャーを強引に正規の土俵で叩き倒した感じ。
優勝を決めた後、泣き崩れてその場にうずくまっていたのも印象的。日本、韓国圏の文化だよな(欧米の選手はもっと大きく喜びを表現する人が多い)。
そして、こんな真っ向からやられたんでは悔いは無いという感じでハグして手をあげてやってた(そこはかとなく)イケメンペイシャーが面白かった。
もうしばらく柔道の情報なんか追ってなかったんですが、今回のオリンピック視聴の収穫は、ペイシャーがなんかイイ奴っぽかったということです(エー)。
(青木勝)
>高いレベルで警戒し合うとよくこういう組まない組み手戦になってそのまま指導や効果で判定ということになるんですが、しょうがないですね。
そうなんですよね。逆にいえば、組み手戦に面白みを見出すのも観戦の愉しみの筈なんですけれども、トーシロにはそれが判らない。今日もリーチのある外人選手と重心の低い日本人選手の試合があったのですが、ロング〜ミドルレンジで勝負したい外人さんとインファイトに持ち込みたい日本人との駆け引きが面白いのに、一緒に観ていた親戚のおっさんとかは、
「こんなものは柔道じゃない」
とか、まるで見当外れなことを言い出したりして、かなりムカッ腹がたちました(続く)。