2008年08月24日
コードギアス 反逆のルルーシュR2/感想&トラックバックセンター/TURN20「皇帝失格」
『コードギアスR2』第20話「皇帝失格」の感想&トラックバックセンター記事です。前回第19話「裏切り」の感想&トラックバックセンター記事では、13000PV/WEEK超えのご好評を頂いてありがとうございました。前シリーズでの運営経験を生かして、TBセンター記事は早めに立てておきますので、今回も感想記事を書いたブログ管理人の方はふるってトラックバック頂けたら幸いです。なお、記事中はネタバレが前提となりますことをあらかじめご了承下さい。
<追記:感想アップしました>
◇以下本編感想◇
「生徒会室は無事か?」(ルルーシュ)
「んん!」(リヴァル)
ルルーシュの三つの側面(アイデンティティ/名前)、皇子ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)、学生ルルーシュ(ルルーシュ・ランペルージ)、反逆者ルルーシュ(ゼロ)、それぞれを失っていき、最後に完全なアイデンティティ・ロスト状態に至るというのは第一期の流れでしたが、結局ここまではまたルルーシュが一つ一つ側面を失っていく物語になっていますね。
●第一期
→シャーリーの記憶を消した時に学生ルルーシュ(ルルーシュ・ランペルージ)の側面を失う。
→ユフィを殺した時に皇子ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)の側面を失う。
→最終話でカレン(と黒の騎士団)の信頼を失った時に反逆者ルルーシュ(ゼロ)の側面を失う。
→完全なアイデンティティ・ロストへ
だった訳ですが、今回は、
●R2
→シャーリーの死と共に学生ルルーシュ(ルルーシュ・ランペルージ)の側面を失う。
→前回の黒の騎士団の裏切りで反逆者ルルーシュ(ゼロ)の側面を失う。
→ロロの死により、学生ルルーシュその2(偽りだけどホンモノだったver.の学生の時間)を失う。
→残る皇子ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)の側面を掲げて、皇帝に復讐の突撃。
って感じです。
「学生服をしまう動作」がルルーシュが学生ルルーシュの側面を捨てる意味合いと対応して描かれたり、「ゼロの仮面をとる動作」がルルーシュが反逆者ルルーシュの側面を捨てる意味合いと対応して描かれたり、色々と「ある側面を捨てる描写」は象徴的に描かれるんですが、今回は、リヴァルとの会話のシーンですね。
「一緒に花火をする約束、守れそうにないって」(ルルーシュ)
シャーリーもロロも死んだから、もう学生ルルーシュの側面は失ったという象徴的な会話です。
そうして、学生ルルーシュの側面を失い、前回の裏切りで反逆者ルルーシュの側面も失い、最後に残った皇子ルルーシュの側面を掲げて(「我が名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!」と、最後に残った皇子ルルーシュのアイデンティティで今話は行動してるのが顕著です)今話は皇帝への復讐に突き進むしかないという構図は、第一期終盤で、同じように学生ルルーシュと皇子ルルーシュの側面を失って、最後は反逆者ルルーシュ(ゼロ)として突き進むしかなかったという悲壮な部分とリフレインしますが、これ、まだ希望を残してますよね。
やはり、第一期とR2と二回繰り返してのアイデンティティ・ロストエンド、破滅エンドではなくて、R2は「やり直し」要素によるアイデンティティ統合エンド、Allルルーシュ到達エンドだとまだ僕は信じてますよ。
●根拠1(学生ルルーシュのアイデンティティがまだ死んでない理由)
生徒会室がまだ残っている。
フレイヤが発射されてもアッシュフォード学園がまだ残ってるという前回の情報からもしやと思いましたが、今回明確にルルーシュがリヴァルに聞くんですね。
「生徒会室は無事か?」(ルルーシュ)
「んん!」(リヴァル)
って。
R2のルルーシュの「やり直し」パラメータその1。
「第一期はナナリーとのセカイ系に閉じて世界を壊そうとしたけど、R2では生徒会(に象徴される差別がなく、立場が違い、罪を犯しても赦し合ってやり直しが効く世界)のために『優しい世界』を目指した。」
がまだ生きています(R2第7話「棄てられた仮面」の感想を参照)。
第一期前半から、深読みしてる視聴者の間では、「ラストの回帰点となる生徒会を最後に守っているのはリヴァル」という予想があった訳ですが、これが、まだ外れない方向で進んでいます。リヴァルは超重要キャラなんですよ!
●根拠2(反逆者ルルーシュ(ゼロ)のアイデンティティがまだ死んでない理由)
シンクー、神楽耶、天子様が、まだゼロのことを信じている。
扇ら反逆組の情報操作に惑わされずゼロの生存を見抜く星刻、神楽耶様の変わらぬゼロとしてのルルーシュへの信頼。形だけの夫婦だったと涙を流す神楽耶様のシーンは、前回のロロ物語の結末で作中で圧倒的に是として表現された、「偽りの関係にも意味がある」を地でいくシーン(偽りの夫婦関係でも、神楽耶様のゼロ(ルルーシュ)への気持ちはホンモノだったということ)。
R2のルルーシュの「やり直し」パラメータその2。
「第一期は強制意志のギアスで人の自由意志を蹂躙していったけど、R2では星刻と天子様の自由意志を尊重した」
がまだ生きてます(R2第11話「想いの力」の感想を参照)。
扇一派がシュナイゼルに丸め込まれたように、「ゼロは強制意志のギアスを使って黒の騎士団をゲームの駒のように操っていた」からでは、どうしても説明できない生きた証拠が、星刻と天子様(とあの一件でさらにゼロ(ルルーシュ)に惚れたであろう神楽耶様)。この構成は上手い。
しかもこういったこれからルルーシュを救い得る希望の要素は、全てシャーリーから派生しているという。ルルーシュにナナリー以外の守るべき存在を自覚させ、「想いの力」を自覚させて星刻と天子様の件を救い、スザクとの赦し合いのバトンを繋ぎ、ロロを一切糾弾しないで死んで(前回のルルロロ相互アイデンティファイエンドへの仕込み)いったという。エンディングで天使をモチーフにした一枚絵で破格の待遇を受けているのも分かる。裏正ヒロイン。
という訳で、ここから怒濤のアイデンティティ復活、オープニング冒頭の学生服にゼロマントのAllルルーシュへ繋がっていくというエンディングはまだまだアリだと思いますよ。
◇
一方で皇帝は現存世界を偽物扱いして、何かSF的な装置で世界そのものを真実の世界に作り替えてしまう気みたい(R2第15話「Cの世界」の感想を参照)。
V.V.(だっけ?)がルルーシュとシャルルは似ていると言っていましたが、ルルーシュの「そう、間違っていたのは俺じゃない 世界の方だ!」という痛い主張を、より壮大なスケールで実行しようとしていたのが皇帝だった感じですね。頭の中のイデア的というか、夢想する真実の世界と現実の世界とのギャップに苦しくなった時、本来考慮するべきは自分の方を変える可能性を検討することなはずなのに、外の世界の方を間違ってるものとして変えようとしてしまうという。ルルーシュは革命運動的な方向で自分の外側の世界を破壊しようとし、シャルルはSF的な装置で世界そのものを変えてしまおうとしているという。悪いのは自分じゃなくて、世界の方。谷口悟朗監督が第一期の頃のインタビューでコードギアスは谷口版『最強伝説 黒沢』って言ってたのが分かる気がしますよ(;´Д`)。
今の自分、世界は偽り、ホンモノの俺、真実の世界があるはずとか考える前に、偽りかもしれない今の世界、自分の価値を検討してみろよっていうメッセージなのかもしれません。
「真実のナナリー、偽りのロロ」の物語が偽りのロロにも意味があったと前回決着したばかりですが、今回ではアーニャの中にマリアンヌが眠っていたことが明らかになり、真実のマリアンヌ、偽りのアーニャの物語まで顕在化しました。もう前回のロロのラストで作品としてこのテーマに決着はついているので、アーニャの時間にも意味があったと落ち着くと思いますが、ようはアイデンティティの求道の物語というコードギアスの骨格も、最終的にはそこに繋がってきそう。
今の自分、世界、国は偽物だと、真実の自分、真実の世界、真実の国を登場人物達は求めるのですが、結局偽物に思えたモラトリアム学生ルルーシュにも、皇帝が偽物と否定する秘匿と嘘にまみれた世界にも、偽物の名前が与えられたエリア11という国にも、意味があった。全部ひっくるめてルルーシュで、世界で、国だと、そういう結論でしょう、たぶん。
そういう訳で、蔑称を与えられた偽物の時間であったはずのオレンジの時間をアイデンティティに取り込んでAllジェレミアとして成長したジェレミア卿がこの作品のMVPです(オレンジの俺は偽物、そう呼ぶ世界(ゼロ)が赦せない、変えてやるという所から、そう呼んだルルーシュに忠義し、オレンジの名も今では栄誉と、自分の方を変える(成長させる)ことで世界と自分を整合させた)。
◇この感想記事はトラックバックセンターの役割も兼ねています。今話の感想(レビュー、考察、etc、関係する記事なら基本的になんでもOKです)をお書きになった方がいらっしゃいましたら、報告義務とかありませんので、気楽にこの記事にトラックバックして頂けたら幸いです。後日僕の方からも返させて頂きます。色んな感想を読みたい人のための一つのインデックスみたくできたら嬉しいと思います。ご協力頂ければ幸いです。
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→メカ
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この記事へのコメント
されど、思いますが、最終的にALLルルーシュを同定するのは、やはりルルーシュ自身でなければならないではないのでしょうか。
つまり、ルルーシュがアンディティティロストする原因は、アンディティティ同定する人間の死そのものではなくて、それと同時に、ルルーシュは心情的にそのアンディティティを「捨てた」というわけではないのでしょうか。
オレンジとしての自分を肯定するのはジェレミア自身(ルルーシュの認めはあるけれど、最終的にそれを成したのはジェレミア)、紅月としての自分を選んだのはカレン自身、ルルーシュの「弟」として死んで行くのは、ロロ自身であるように、最終的に、アリプロの歌詞通りに「すべてを抱き、悟らん」とするべきのは、やはりルルーシュ自身でなければならないと思います。
今回の件は、もう一つの側面から、希望はまた残して居ると思います。
ルルーシュがまた、それぞれの側面を体表する人物たちを愛しているから。
ルルーシュは、愛によって憎しみ憎まれ、また愛によって赦す赦されという人物として描かれてきました、愛、感情もルルーシュのとても重要なステータスな気がします。
ルルーシュは騎士団の側面を失ったがカレンをまた愛し、信頼している。
すべての側面を認識してくれるというCCを失ったが、彼女をまた心配している。
(すみません、文字数オーバーで)
学生としての側面を失ったが、学生時代の友人たちのことを大変心配しており。
皇子としてのステータスを、ユフィへの罪悪感と背負う決意と共に寧ろ強化されていると思います。
最終的にすべてを失ったことになっても、ルルーシュはこれらの感情を失わない限りは、違う形でallルルーシュに近づくと思います。
にしても、この期に及んでまた自重せずフラグと伏線を散らばり、仕込んでくギアスはさすがです、視聴者をちっとも楽にさせないアニメですね。
全く新しいルルーシュになるのではないのかと思ってます。
それこそが自分を変える事になるのではないかと。
これだけ物事が大きく動いてしまうとその側面のどれらにも元通りにはなれそうに無いし。
他者は確かに切っ掛けにはなるかもしれないけど最終的に選ぶのは自分自身ですものね。
どうも初めまして、コメントどうもです。
現実には自分をアイデンティファイするのは自分自身というのはもっともですが、コードギアス作中では、アイデンティファイするためには他者(の自由意志に基づく同定)が必要というのが一番のキーになってますので、ラストもやっぱりルルーシュと何らかの他者との関係にフォーカスがあたると僕は思っています(本命はC.C.、スザク辺りでしょうか)。
自分のアイデンテファイにはどうしようもなく他者が必要。それが世界に人間は一人だ的な皇帝のカウンターになっていて、また、そんな大事な他者の自由意志をギアスで蹂躙した時に、自分のアイデンティティは失われてしまう(シャーリーにギアスを使った時しかり、ユフィにギアスをかけてしまった時しかり)というのをずっと描いてきたのだと思います。
なので、ラストに予想されるAllルルーシュへの到達もやっぱり他者の存在あってこそな感じになるのかなと。本命の他には、ジェレミア(皇子)、カグヤ(反逆者)、リヴァル(学生)らサブキャラが意外な重要感を増すパターンで最後にそれぞれのルルーシュを同定する役割になるとかもあるかな、なんて思っています。
もうちょっと言うなら、新しい、だけどそれまでの全ての側面が生きているルルーシュ、ですかね。
やっぱり「棄てられた仮面」の回が重要回で、あの回にあった幸せは気付けば近くに……的な語りが、世界を壊そうとなんかしなくても、それぞれの側面に、それまでのルルーシュを同定してくれる人はいたのに、みたいな部分に繋がっていくのかな、と。
となると、やっぱり学生の側面にはリヴァルなんかが重要な役割を果たすんじゃないかなんて思ってるんですけどね。
これはマリアンヌのギアス能力だと思うので「偽りのマリアンヌ」ではないでしょうか?
しかも今まで出たギアス以上に自由意志を蹂躙する作中悪なギアスです。
・扇及び東京組
もう詰んだ(笑)
流石は神楽耶と星刻。この二人が気づいた時点で終わった。
元々扇は良く見れば作中非なんですよね。千草という「偽り」にも意味はあったが、扇はその「偽り」しか見ず、ヴィレッタという「真実」の方は見てないんですよね。
この時点で、そしてヴィレッタのことをみんなに言わない時点で詰んでたのかなと。
というかヴィレッタのことを誰かツッコめ(笑)
「駒」発言については軍人は駒で良いんです。悪い意味でなくね。それにルルーシュは自分も駒としてみて、最前線で戦ってますからね。
「捨て駒」という意味でなら今回の指示待ち木偶奴隷化ギアスを言うわけで、これは扇の発言と被せて対比させてますね。
あと放送後公開された裏話でルルーシュが不憫になりました。
騎士団初期の活動資金は「全て」ルルーシュの貯金です。
しかもそれはアッシュフォードに切り捨てられた時、ナナリーを守るための生活費であり、ナナリーのための治療費orz
17歳の学生におんぶにだっこ。しかも金使いつぶしてましたよね。
結局、扇達はゼロを人間として見てなかったんですよね。言うなればドラえもんですか。
ここらへん上に立つ者として苦労してる神楽耶、星刻はゼロを人間として見てる。
この二人はルルーシュと思考似てますしね。
涙を堪えてゼロの死を駒として扱うところは、ユフィの時のルルーシュと同じ。
とりあえず東京組は結末悲惨な事になりそうです。
恩を仇で返し、合衆国連合全てを裏切る背信行為までしちゃいましたからね。
というかシュナイゼルに密約のことバラされると連合瓦解しますし、神楽耶も立場危うくなるので内々に粛正しないといけない。
最新話見てから言えば、マリアンヌのギアス能力のようにアイデンティティの壁を越えて精神を渡り歩けちゃうような状態が、皇帝やマリアンヌの言う「真実」に近い感じで、分化したアイデンティティを持った存在なのに、記憶の欠落でそこに実感が持てないアーニャが(皇帝達の言い方で)「偽り」という感じでしょうか。
黒の騎士団は最初ルルの貯金で活動してたのか(笑)
ルルーシュ(ゼロ)の罪を断罪しておきながら、その行為自体が罪で、同時に東京組も断罪される側に回っているというのが如何にもコードギアス構造って感じですよね。








