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涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)  今回は涼宮ハルヒシリーズ8冊目となる『涼宮ハルヒの憤慨』の感想です。
 ネタバレ感想につき、アニメ版でタイムリーに楽しんでる方はご注意を。
 ◇

 中編二つからなる一冊ということで、それぞれに感想をば。

●編集長★一直線!

 定期的に行われる古泉一派のハルヒの暇つぶし作戦の一貫として、ハルヒが生徒会に潰されそうになる文芸部のために文芸誌を作る、というお話(もちろんハルヒは仕込みだとは気づいていない)。

 SOS団のメンバーそれぞれがなんらかの活字作品を書くのですが、それぞれが書いたものが、作中作としてこの中編内に掲載。

 長門が書いた幻想ホラーは素で解釈するの難しいな。作品には作者の内面が絶対に出るという古泉の語りを作中に入れている通り、何かしら長門さんの心情が込められているはずなんですが、詩情的過ぎて難しい。

 そして、キョンは高校1年生ではじめて小説を書いたわりには、叙述トリックを使っていたりして、地味に凄いと思った。叙述トリックとか、大学入って綾辻の『十角館の殺人』読むまで僕は存在すら知らなかったよ。古泉もハルヒも一発で叙述トリックだと見破ってるのも凄い。何、このSOS団の文芸指数の高さ。そして、一人文芸的なスペックでも置いてけぼりのみくるちゃんが相変わらず面白かった。

 全体的に、みんなでわいわい同人誌作りという雰囲気が楽しさに共感できるお話でした。僕もこの歳でもタイムリーに時々同人誌に寄稿したりしてるんで、その楽しさは分かる。

●ワンダリング・シャドウ

 ハイライトは、般若心経で幽霊の除霊を試みるみくるちゃんのシーン。未来人に巫女衣装を着せて、般若心経で霊を除霊するというシチェーションを思いついた谷川先生の頭の中を称えたい。しかもその行為がまったく無為に終わり、事態は情報生命素子がどうこうという宇宙的な展開をみせて、結局長門さんが処理してるのも面白かった。みくるちゃんの最近の扱いは本当ひどいな。

 長門さんが語る意識と身体に関するSF的な衒学は面白かった。なんか言われればそんな気もするけれど、作中でも長門さんがボケてくれたという展開で、実際の所は分からないというのも、既存のSFネタをメタな視点から料理しているハルヒシリーズらしいです。

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