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 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第二期、「エンドレスエイト」の感想です。
 原作まで含めてネタバレで語ってますので注意です。
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 まあ今回も繰り返しっぽいしと、1、2回視聴し忘れたことがあったものの、普通に毎回楽しんで視聴し、抜け出した最終回はガチ感動しておりました。

 文句言っている人には、なんとなくアニメ過剰摂取・情報洪水に溺死気味ベクトルの人が多んじゃないかという気がします。こんなに貴重な時間を割いて見てやってるのに繰り返しとはけしからん、的な。僕の場合、今はアニメはハルヒとプリキュアしか見ていないので、普通に週一のハルヒは楽しみだったのですが。お、今日はみくるちゃんの髪型ちょっと違う! とか普通に楽しかった。

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 なのですが、コンセプチュアルアートとして描いていたのは、「一回性の復権」なんでしょうね。僕はみくるちゃんの髪型がちょっと変わっただけで結構楽しかったのですが、それでも繰り返される進まない時間の中では、やがて飽きが来て、人間は摩耗していく。ネタバレ過ぎないように押さえ気味に触れておくなら、最近では「ひぐらしのなく頃に」の梨花ちゃんのストーリーラインで描いていたことと、同じ方向のメッセージなのだろうと。

 その上で、本当は一回しかないのだから、正面から正攻法を行け!というメッセージ(これも「ひぐらし」と同じ)。どんなに一見楽しく見える時間でも、やることやらないで(正攻法じゃなくて)そこに逃げ込んでいる部分があると、せっかくの一回しかない時間を台無しにしてしまう。宿題はやれ(正攻法を押さえた上で遊べ)ってことですね。面倒に思えても、結局のところハイデカー的というか、東山魁夷の世界認識的というか、そういったvividに生きている実感を感じられる時っていうのはそういった一回性の時間を、愚直な正攻法で一生懸命生きている時だけ。

 ある意味ハルヒに逃げ込んでいる逃避思考のアニメオタクをぶった斬ってるような内容なんですが、京都アニメーションなのか角川なのか、よく企画通したと思いますよ。甘いお菓子だけ提供してユーザーを依存させようという方向にも舵が切れる所を、お菓子だけ食べてると歯がボロボロになるだろ(ハルヒでもそこに逃げ込んで繰り返してたら摩耗するだろ)、正攻法で固いものも食べろ(一回性のあなたの現実も大事に)って、こんな大がかりな企画で言ってくれるというのは貴重。これ慣行した大人達、全員大バカですよね。

 最終回の、1万回越えのループの末に、ようやっと「遊び倒してしまったけど最後の1日で何とか宿題やろう」に辿り着く所は普通に感動してしまった。いや、最初から計画的に宿題やっておけよって感じなんですが、それでも、ここで無様でもちゃんとやろうとするのと、放り投げて寝てしまうのとでは、生きている実感が変わってくる。みんなでやるというのもいい感じ。ちゃんとした正攻法をみんなでやる1日が、どんなに貴重かっていう話なんだな、エンドレスエイトは。

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