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 今週のジャンプ掲載分の「めだかボックス」のネタバレ感想です。
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 球磨川禊、善悪も自分自身も無い人って感じなんだろうか。

 雲仙の時は「性悪説VS性善説」、都上の時は、「洗脳VS洗脳されない個の核心」みたいな、一応対立項がある話でした。つまり、まだ正義と悪というか、それぞれの主張・信じるものに基づいてVS構造になっていたんだけど、球磨川はそもそもそれがない、と言うような。

 雲仙も都上も、それぞれの主張の元「生きて」はいたんだけど、球磨川は過去編で「生には意味がない」と言い切っているので、土台、前提からして違うキャラクターと言う感じ。凄い「自分」っていう概念が強かった都上戦はもとより、雲仙も「ここからは男一匹雲仙冥利の個人的な戦争だ!」とか言っていて、個、我、「自分」は強かった。のだけど、球磨川には「自分」もない……と言うような今回の球磨川紹介エピソードだった気がします。

 まだ謎ですが、回復能力でやり直しが出来てしまうというのは上手いかもなー。「破壊はいけないことです」という命題のもと、一つの正義とか、それを信じる自分っていうものが生まれると思うんですが、そもそも「破壊しても直せるし」となると、これも土台・前提からして違ってしまう。なんでもかんでもそうやって無意味になってしまったら、「生きてることに意味はない」という結論に至るのも自然な感じ。「傷つけてはいけません、だから暴力をふるうヤツは悪」という命題があるとして、どうせ直せるんだからと、自分自身も傷つけてみせる……と言うのも、とことん、「生は無意味」感漂っていてイイ。改心させようにもそもそも悪いという前提がない。上から目線性善説を説こうにもそもそも「生は無意味」。「自分って何」みたいな話にもっていこうにも自分もない。確かにめだかちゃんの天敵っぽい。

 なんか、今までは盤上でチェスで戦っていたんだけど、そもそもチェスやることに意味があるのか? という話に、話のステージが一歩上がった。上がったと言うか、チェスの盤上を俯瞰する位置での話になった。なんとなくだけど、「ひぐらし」とかがメタフィクションに入った辺りの昂揚を覚えました。凄い面白いです。先週の球磨川登場シーンは、今年の漫画読書歴的にナンバー1シーンになるやもしれないです。

めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)

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