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 約二週遅れで仙台でも放映中の「けいおん!!」。
 遅くなりましたが、第15話「マラソン大会」・第16話「先輩!」・第18話「主役!」・第19話「ロミジュリ!」・第20話「またまた学園祭!」……と視聴しておりましたので、感想です。
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●第15話「マラソン大会」

 ここしばらくの流れで続いていた、放課後ティータイムの面々が、「学校の外」に出るお話。この「輝いた今」は、このままでは高校生活最後の一年間という限定期間で否応なく終わってしまう性質のものなので、その先も「輝き」を続けていきたいのなら、学校の外でも輝ける準備をしなくてはならない。第20話まで、かなりの程度そういうお話が続きます。

 「学校の外」には2ルートあって、「ありふれた大人になって無難に生きていくルート」と「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」。

 他の4人が何もしないまま世間の流れにそって前者のルートに入りかけるのを、唯の存在が後者のルートに引き込んでいく……という話がずっと続いています。期末試験の話なら、真面目に勉強してれば良いというのは、前者の「ありふれた大人になって無難に生きていくルート」に繋がっていってしまうし、一方で唯がとったあえて期末試験期間に仲間と演芸大会の練習をする、という方は、「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」、いわば学校の外でも放課後ティータイム続行ルートに繋がっていました。

 今回も同じで、ひたすら真面目により速くとゴールを目指すというのは、競争とか義務がひしめく「ありふれた大人になって無難に生きていくルート」に繋がっていっちゃうんだけど、唯だけは、敢えてその中で立ち止まって寄り道して近所のおばあちゃんとお茶を飲む……ということをやってみせる。

 やはり、彼女達の未来において、「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」入りの鍵を握っているのは、平沢唯さんなのです。


●第16話「先輩!」

 これもあずにゃんの真面目に練習しなきゃ!という焦りが、前者の「ありふれた大人になって無難に生きていくルート」に繋がっていて、唯の「あずにゃんはあずにゃんだから」が「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」へとリンクしています。

 真面目な練習、上達だけが一番大事なのだったら、彼女らが武道館ライブをやるようなビッグバンドになる可能性はほぼゼロな以上、この「輝いた今」は高校時間の終わりと共に終わってしまう。それ一本では、おそらくみんなバラバラになってしまうし、「外」に出られても、ひたすら上達や優秀さが評価される競争と無難な真面目さが要求されて、それに適合する大人になっていくだけ。

 その「ありふれた大人になって無難に生きていくルート」とは別の、やがて高校時間の終わりが来て、学校の外に出たとしても演奏し続けるという、「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」がある。こっちのルートに、例えダイレクトに練習はせずとも、律の家にみんなで遊びに行くとか、ティータイムに価値を置く(ケーキのシーン)とかが対応している。そしてこっちのルートの中心にいるのは、やはり唯。

 あずにゃんがなんだか唯に惹かれているのは、この当初は上達とか優秀さに一義的に価値を置いていたんだけど、どこかで自分は「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」に惹かれているというのを、深層心理で持っていて、気づきかけているキャラだから(だから期末試験の時、唯の演芸大会に付き合うのも、梓)。一期の二回目の合宿から続くあずにゃんと唯の話も、話数的に一区切りついた感じ。あの夜に気付いてしまったように、梓も一義的な上達、向上、そして最後には自立という以外の選択肢があるということに、気付きかけてしまっているのでした。


●第17話「部室がない!」

 録画失敗で見逃しました。

 公式サイトで「あらすじ」だけ読みましたが、これも「学校の外」に出る話で、部室=高校三年間と、外の世界=その後の放課後ティータイム……みたいな話だったっぽいです。

 憂のエピソードは原作通りだったっぽいので、こっちは原作連載分では追っております。


●第18話「主役!」

 高校三年間の、「軽音楽部のみんな」との輝いた今と、その後の、「学校の外」の間に、中間の景色として、教室=「クラスメイト」が描かれた回。

 一期第14話のライブハウスで出会った人とか、おばあちゃんとか、演芸大会の人とか、色々と「学校の外」の人間関係を象徴する人達は意図的に登場していて、その人達との関わりを通じて、唯達は徐々に「外の世界」へのリンクを手にしていく……というのがここまでの話だったんですが、その「学校の外」の人間関係の前に、中間地点に、「クラスメイト」という人間関係がある。

 もともとちょい役のクラスメイト達まで丁寧に作り込まれていた「けいおん!!」ですが、その意味がここにきて爆発しました。題材が「ロミオとジュリエット」で、サブタイが「主役!」だけど、主役以外、「あなたと私」以外にも沢山の人がいて、そういう人達との人間関係の中で唯澪律紬も生きている(外の世界でも生きていくなら、この実感は大事)……という方が強調されていた回でした。

 この学校の中と外の世界との中継地点として、クラスメイトのみんながいる……という表現が、まさか第20話で爆発することになろうとは……。


●第19話「ロミジュリ!」

 この回では、オカルト研究会の人達なんかが、上述の「学校の中」と「外の世界」の架け橋的な人間関係として機能しています。

 最終章が「学校の外まで、『輝いた今』を持ち出していく、高校三年間が終わっても、演奏は延々続行してみせる」という話になっていくのほぼ確実だと思っていますが、放課後ティータイムの5人ほどある意味輝いてるけど閉じている人間関係(序盤の純の結束していて入りにくい発言など)と、学校の外のライブハウスの人達や演芸大会の人達ほど社会の中に既にいる人達との間に、「クラスメイト」や「オカルト研究会」という人間関係が、架け橋としてある。ここを繋いでいけなければ、唯達は、「輝き」を持ったまま、「外の世界」へは出て行けない。

 ゆえに、困難がクラスメイトの機転とオカルト研究会の助力で乗り越えられるというのは素晴らしい脚本だと思いました。夜の学校風景は、いよいよ「学校の中」の終わりが近づいているのを感じさせます。

 ライブハウスの回のバンドに、さわ子先生の旧友、おばあちゃんに演芸大会出演者、曾我部先輩に、夏フェスで見たバンド、クラスメイト、オカルト研究会……エンディングで未来軸の澪が提示している、「外の世界へのリンク(手のひらの中の空)」が、ちゃくちゃくと埋まっていくのが熱いです。


●第20話「またまた学園祭!」

 「学校の中」最終章が、まだ話数を残した第20話にて爆発。

 ずっと演奏していたいけど、時間が来てしまった……という、第一期最終回の「終わらない演奏を願うシーン」のネガティブアンサーが描かれたと一瞬みせかけておいて、

 キーパーソンの唯が、

 だけど放課後ティータイムは"いつまでもいつまでも放課後です"と覆す。

 これが「学校の中」、「高校三年間という限定時間」、そんな中の一瞬の輝きで、その時間はもう終わると誰しも思った中、唯だけは「終わるつもりはない」と言い切っている。

 修学旅行にカメラを忘れていく……辺りから仕込まれていた唯伏線が爆発。エンディング曲の歌詞、想い出なんていらない。写真は「やがて過去になる輝いた今」の比喩になっている「けいおん!!」の重要な象徴アイテムだけど、唯は修学旅行に忘れていった。何故なら、唯は「輝いた今」を限定期間で終わりにして、甘美な想い出にしてしまうつもりはないから。

 曾我部先輩からクラスメイト達まで、「外の世界へと繋いでいく人間関係」、大事な人の大切さに気付く歌(「U&I」)、そしてもちろん、放課後ティータイムという仲間。「ありふれた大人になって無難に生きていくルート」をブチ壊して、「学校の外でも延々演奏(ライブ・輝いた今)続行ルート」へ入るために必要な全てのピースが揃っているライヴシーンなのが凄い(さわ子先生でさえ、第一期の頃の「一度輝いた今が終わった傍観者」ではなく、今回はライヴの当事者になっている)。一期の最終回の「軽音楽部の仲間と、その仲間と続けていたい終わらない演奏」から、しっかりとスケールアップしている。軽音楽部の仲間に留まらない外の世界へのリンクと、輝きを外の世界へまで持っていくのに必要なこと、ちゃんと20話分で積み重ねていた。

 そしてライブは終わり、「学校の中」の演奏は一区切り、もう次の「学校の中」はないと梓を除く4人は涙するけれど、話数はまだ20話。おそらく最終章の、「学校の外」へ輝き(ライブ・仲間、一期の合宿回や、新歓回で、澪や梓が唯に見た何か……)を連れて行く話が、残っている。

 自立してモラトリアムは終わって、したり顔で生きていくのカッコいいと結論づけるのもあり得る中、敢えて児童性とか好きなこと(OPの歌詞参照)とか、そのまま外の世界、大人の世界にも持っていってみせるというのを描こうとしている「けいおん!!」カッコいい。

TVアニメ「けいおん! ! 」劇中歌  ごはんはおかず/U&I
TVアニメ「けいおん! ! 」劇中歌 ごはんはおかず/U&I

けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)
けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)

→前回:第二期「けいおん!!」第14話「夏期講習!」の感想へ
→前回:けいおん!!主題歌「GO!GO!MANIAC」の感想へ
→前回:アニメ第一期最終回〜特別編の感想へ
→次回:けいおん!(最終回)感想/まんがタイムきらら2010年10月号掲載分へ
→次回:第二期「けいおん!!」第21話「卒業アルバム!」の感想へ
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