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 ニコニコチャンネルの公式配信(こちら)で少し遅れて視聴した『魔法少女まどか☆マギカ』第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」の感想です。
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 さやかが「自分よりも他人」という理想というか綺麗事を貫こうとするんだけど、いざ仁美が上條君に告白しようとしてることを知ってしまったら、どうしても自分事になってしまう。あんなにマミさんが忠告していたのに、上條君が欲しいという利己的な気持ちなのか、そうではない上條君を尊重したいという理想主義的な気持ちなのか、その問いに確信がないまま魔法少女になってしまった。杏子には「自分より他人」の正義の魔法少女になると言ってみたものの、出来ていない。それも自分で自覚してしまう。そういう心情の揺れが良かったです。

 というか、今までほむらさん派だったんだけど(そうだったのか!)、今回でさやか派になったほど、今話のさやかのあり方からは何かしら強力なものを受け取りました。このままじゃ破滅していくし、実際全体的にさやかの行動はネガティブニュアンスなんだけど、ただ一方で、どこかで「自分より他人」っていう正義の味方の綺麗事は尊いよね、ということも描かれている。そこを完全に捨てて割り切ってしまってもなんかダメだ。

 杏子が一応思想上はさやかのカウンターで、いやいや他人より自分でしょ、私も一回他人のために願って破滅した、だからさやかのことは見ていられないよ、利己主義で行こうよ、とさやかに言ったりするんだけど、重要な点として、杏子もどこかでまだ利他主義的な理想や綺麗事を信じたい気持ちが残ってる感じなんだよなー。

 明らかにさやかにお父さんを重ねている感じの描写なので、杏子自身は正しいことを言った父を尊重して破滅した。だから利己主義になった……という流れなんだけど、どこかでまだお父さんの正しさを信じている、みたいな感じ。そういう意味で、表面的に利己主義利己主義言いながら、どこかでさやかのあり方が気になってしまう。利他主義を捨てきれない利己主義者。もう杏子もカッコいいよ。みんなカッコいい。

 自分よりも他人のためといういびつな理想と綺麗事にすがって独りで奮戦するさやかを、杏子とほむらが見ているシーンがとても好きです。今までの流れからして、ほむらも何かしら他人のために願いを使った人っぽいので、このシーンは何やら良い。ほむらも杏子もさやかを非難する立場を取っているし、立場上も譲れないんだけど、どこかで、さやかのあり方自体は二人とも尊重している感じだ。それは、おそらくは二人とも一度は通ったのかもしれない綺麗な信じるに足る理想だから。

 だから結局杏子もさやかの助けに入ってしまう。利己主義でいこうと言っていたはずなのに。

 逆に、他人のためという理想を貫こうとしたさやかの方が、利己の破滅に飲まれそうな流れで引きに。この自分のためか他人のためかで、みんなが揺れてる感じが大変良かった第7話でした。

 ここまで来るとまどかが決定的な場面で何をするのか本当気になってきます。今話のさやかの涙を受け止めるシーンも、微力でも力になれるみたいなポジティブなニュアンスのシーンと言うよりは、「今のまどかは決定的に無力」というダメニュアンスのシーンに感じました。どうやっても、今のまどかではさやかを助けられない。自分のため、他人のため以前に、まどかには何もできない。

 このまま二週間後に来る大物の魔女との戦闘になって、第1話冒頭の破滅へ。まどかが願いでやり直す……だけではさすがにないと思うので、何かをやる子なんだよな。エンディングとか、本当覚悟完了してる感じですし。

 さやかのあり方でも杏子のあり方でも破滅してしまうので、何かしら別解をまどかが見せてくれるみたいな流れに期待してみたりです。

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→次回:第8話「あたしって、ほんとバカ」の感想へ
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