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この中に1人、妹がいる! (MF文庫J)  田口一さんのライトノベル、『この中に1人、妹がいる!』の感想です。
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 『俺妹』しかり、既にコンテクストが複雑過ぎてワケが分からない領域になっている日本の妹もの作品ですが、堂々と、さらに複雑かつワケが分からない妹もの作品をやってやるぜ的な作品。

 これだけ複雑かつ潤沢な妹もの作品にあふれた現代日本で生きていたら、ニーチェも宮沢賢治も人生に満足して本とか書かなかったんじゃないかという勢いです(注:リアル妹萌えだった説がある哲学者に児童文学者)。

 僕も幅広く妹もの作品を嗜んでいる方かと思うんですが(キリッ)、妹魔道の中でも、「実の妹かもしれないので疑心暗鬼になる」は結構新しいと思いました。今作の主人公は努力の上で非常にスペックが高いんですが、この悩みが無駄に深刻になります。

 でも、二人は、妹かも……血のつながった、妹かもしれないんだぞ……。
 さ、触ることも許されないんだ。欲望にまみれた手で、触れてはいけないんだ!
 い……生き地獄だ……。拷問だ……。これは妹地獄だ! 妹拷問だ!!


 この文章を読んだ時、ニヤニヤしつつ、新しい何かが始まってるな感を感じました。時代の変わり目には新しい言語表現が生まれると言われるのですが、そうか、日本でのそれは、こう、妹的な何かだったのか(えー)。

 オチは、ギャルゲーに例えるなら、メインヒロイン二人(いずれも妹候補)のルートが一区切りついた所で、ちゃんちゃんと収束しそうになった所で、真・妹ルートが浮上してきて引き。CLANNADで言うアフターストーリーみたいな真ルート(真・妹ルート!)があるのか……。

 今調べてみたら今度4巻が出る模様。無駄にAmazonの予約ランキングにランクインしてるのが熱いです。というか、これ4巻も続くの!

この中に1人、妹がいる! (MF文庫J)
この中に1人、妹がいる! (MF文庫J)

この中に1人、妹がいる!2 (MF文庫J)
この中に1人、妹がいる!2 (MF文庫J)