今週くらいを何とか乗り切れば。
 ◇◇◇

螢の河・源流へ――伊藤桂一作品集 (講談社文芸文庫)
螢の河・源流へ――伊藤桂一作品集 (講談社文芸文庫)

 まとまって読書したという感じではなかったので小説ベストには入れませんでしたが、今年はいわゆる文学ジャンルや古典ジャンルをちょくちょく読んでました。伊藤桂一の「朔り鮒」っていう短編がお勧め。

 戦争体験後の喪失感とどう向き合っていくかみたいなお話ですが、解答が文学っぽくてよい。今年はNHKの連ドラ「おひさま」が同系のテーマを扱ってたんですが、陽子解とも川原さん解とも少し趣を異にしていると解釈。

 大きい喪失にあたって、昔も今も安易な復興物語とは異相をズラして思考・表現し続けた/し続けてる人がいるというのは心強い。

 ◇◇◇

 とかく、今までの娯楽や日常やら無意味だったんじゃないの感がつきまとった年であった。ただそれは、伊藤桂一とか読んだりして(何もなければ読まなかった類の小説)それまでの日常作品もより相対化して感じられるようになった点で収穫(と言うのはおかしいが)でもあったかもしれない。

 現時点での結論として、何も考えないで萌えてればよい的なフェーズは終わったけど、今までの娯楽も日常も萌えも無意味ではなかった。

 確信に変わったのは『映画けいおん!』ですよ。エンディング曲とか何回も聴いてますよ。

 グローバリズムの中で競争も弱肉強食も是とはしないし、甘っちょろいことを言ってるが、なんか強い、という立ち位置。志々雄真実に対する緋村剣心みたいな感じですよ。「逆刃刀だが、実際に強い」という価値観があった文化で育ってよかった。面倒な感じですが、けいおん!イズムも剣心イズムも捨てないまま何とか激流に対応していきたい。

 ◇◇◇

 霧生さんが表紙&挿絵描いてるRewriteノベルアンソロジー2(VA文庫編集部LOG!!)、Amazonでも予約始まってますのでよろしくです。

 Rewrite自体は今年プレイする時間を取れなかったけど(そのうちやる予定)、コレは買うよ。

Rewrite ノベルアンソロジー2 (VA文庫 11)
Rewrite ノベルアンソロジー2 (VA文庫 11)