『まんがタイムきらら』連載の「けいおん!」大学生編。2012年6月号掲載分の感想です。
 ネタバレありなので、コミックスを待っている方や、アニメ三期まで(あるなら)待つという方は注意です。
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 最後は、上昇志向と競争にこだわる晶と、それらを無効化する唯との対比で話が進む模様(「大学生編」の上昇志向テーマについての話はこちらの記事を参照)。

 晶は一人プロ志向であり、学園祭での競争にこだわり、一方で唯は「ずっとずっと放課後(上昇志向と競争で武道館クラスを目指すことの逆)」の象徴である「制服」を身に着けて大学の学園祭でも舞台に上がる流れ。部長の制服ネタが伏線だったのには感激。

 前回が、唯が帰省するも唯の部屋はなくなっており(荷物置き場になってる)、なんだか憂も自立しはじめた(というか姉離れ)感じ、和も留学を決意してしまうなど、「バラバラになるエンド」に揺り戻しがきた感じだったのですが、今回でさらに逆にやっぱりバラバラにはならない、共同体と再契約していく、「ずっとずっとどこでも放課後エンド」へと揺り戻しがきた感じです。

 一作目と続編ではテーマを逆にするのもよくある手法なのでまだ分からないですが、個人的には「けいおん!」は大学生編になってもテーマは変えないのではないかと思っています。つまり、どこへいても、いつでも「輝き」は延々続行できる、その「輝き」のためにある種不自由でも共同体(代表は放課後ティータイム)と再契約する、世界を外に広げていくので(部室〜学校の外〜最近では映画版の海外……の流れ)、一見物理的にバラバラになっても、バラバラにはなっていない、という解答。

 次回最終回とのことで、どう決着をつけるのか楽しみです。高校時代に唯が「ずっとずっと放課後です」宣言をした学園祭のライヴで、そのことを証明してみせる(リフレイン)。高校の外の世界に出ても(大学生編)本当に「輝き」も「共同体」も続けていける、というアンサーを大学版ライヴで返す……というのが一番綺麗な気はしますが。

 梓代のエピソードと合流して続いたりはしないのかな。それはそれで、高校と大学で別れても共同体(放課後ティータイム)は切れない、という高校生編本編のテーマが実現してるという意味で意義があるし、一方でもう十分中心の主題は描いたので、学園祭リフレイン(でテーマも再確認)で綺麗に完結というのも良い気がしています。個人的にはアニメ三期とかも観てみたいですけどね。

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