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 BSアニマックスで視聴のアニメ「TARITARI(公式サイト)」第1話「飛び出したり誘ったり」の感想です。
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 作ってる所がP.A.WORKSらしい、綺麗な街の映像だなーと思いながらOPを眺めていました。街と日常と青春、それがジャスティス、的な。そしたら女子が馬に乗って街を移動してるカットがあって、一瞬見間違いかと思いました。え、馬登場的な方向でファンタジー要素もあるの、みたいな。

 そうしたら、本編ではヒロインの一人が実にナチュラルに馬に乗って登校していて、さらに意表をつかれました。劇中に、お前チャリ通? 俺電車通、みたいな会話があったんですが、この娘馬通かよ、みたいな。なんらファンタジー要素じゃなく、普通に学校の厩舎らしきところに馬を繋いでいるのも熱い。女子が学舎に向かう頃、馬がめっちゃ餌を食べてるのも熱い。この馬要素なんなの!

 冒頭から薄幸感漂ってる坂井さんがツボです。お母さんとは死別してるらしく、お父さんとドラ猫のお世話。古典の先生と一対一で補習を受けたり、本人の学校生活のアンニュイさもさることながら、お父さんの土産物屋が売れてない描写までわりと時間をとって描写されたり。こ、これが平成不況の間に生まれ、成長してみたら震災に原発事故という今の高校生世代か……。国の経済力とブランド力が足りていない。

 もう一人、おそらくは合唱部に加わるのであろう主要メンバーの一人、ウィーンからの帰国子女くんも熱い。オーストリアとかあの中欧あたりの人たちが日本人みると手合わせて、みてみて、これ日本でしょ!? みたいなコミュニケーションとってくるの、これマジだから。通りすがりの人にいきなり手合わされて「こんにちわ」って言われたことあるから。ブディズム、ロケンロー。

 色々と間違った日本文化観を披露しながら、夜は親友のヤンに筆記体で手紙を書いているというのも熱い。ヤンって誰だよ、と総突っ込みを入れたくなりつつ、異文化間の差異に戸惑いながらも、ヤンも日本に呼びたいみたいなこと書いてるあたりに地味にジンとくる。部屋にある戦隊フィギュアの(おそらく)レッドが欠けているのは何らかの比喩か。彼も、いかなる事情で今の日本に帰ってきた。次回あたり、補習イベントでがっかり坂井さんと遭遇しそうなので楽しみです。大打撃中観光産業の娘&イメージ先行帰国子女、この組み合わせは熱い。

 主要五人が、宮本さんが路上独唱していた所に偶然居合わせて引き、というのも上手い。馬は何なの、とか、ウィーンで何が、ヤンって誰、とか、坂井さんの家は大丈夫なのか、とか色々一人一人にはあれど、背景がそれぞれ異なる人間が奇跡的に同じ場所、時間を共有する、合唱はそういうものな気がする。たいへん面白い第一話でした。

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Dreamer

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