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僕は友達が少ない2 (MFコミックス アライブシリーズ)
僕は友達が少ない2 (MFコミックス アライブシリーズ)

 『僕は友達が少ない』いたちさん版コミックス版第2巻の感想です。
 ◇◇◇

 1巻に続いてめちゃめちゃ面白かったです。やんわりと「ともだち100人」価値観にNOを言ってるのが心地よい。

 深読みしすぎかもだけど、プールの話の舞台になったレジャー施設(竜宮ランド)が、もっと大規模に一帯にレジャー施設を建築するはずだったのに、失敗してもうすぐランド自体も経営破たんするだろう……という背景話を入れてるのは、バブル期的やみくもな資本の拡大と、Facebook的やみくもな友だち(の数)の拡大を比喩的に重ねてるのだと僕は読みました。

 その上で、上の話のカウンターになる100人分の1人の親友という話と、小鷹に昔一人だけいたそんな親友が、実は夜空なのではないか的な仕込みが入ったり。やっぱり、やみくもな友だち、絆、人間関係バブルに疲れた人たちの救済的空間として隣人部が働いていくみたいな骨格の話なのかな。

 プールエピソードでの、星奈の反応も面白い。

 シンプルに読めば恋愛フラグと解釈したくなるけど、原作者さんの見てる視界を想像するに、そういうオーソドックスなのとは外してきそうとこの2巻まででは思ったり。星奈を異性として見てガツガツ寄ってくる男たちは沢山いた/いるという設定なので、逆に男女の友だちもあり得るんだよロケンロー、みたいな方に話が進んでいっても面白い。星奈さんはリアルの恋愛資本主義には疲れちゃったよロケンローなキャラ造形なので(だからギャルゲー世界に愛を求め、気兼ねない同性友だちに憧れている)、やっぱり恋愛最高でしたエンドも何か違う気が。逆に恋愛エンドに持っていくなら、そういうの全部覆すくらいのを描かないとという。

 原作者さんは何者だくらいに、コメディと深みと両方あって好きです。「弱いものイジメはよくない」という一般的に是とされる定型句を口にした瞬間、その人を「弱い者」と見てる点で守る人間と守られる人間が対等になれない、というのはハっとさせられる慧眼でありました。

僕は友達が少ない 第1巻 [Blu-ray]
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