アニメ『まおゆう魔王勇者(公式サイト)』第1話の感想です。

 水面下でじわじわと話題になっていた頃に触れたWEB版組ですが、これよく映像化したなー。僕の観測範囲内で、これは10(テン)年代の物語だと最初に思った作品です。
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 主題歌とオープニング映像が良いです。これは買ってしまう。劇中の登場人物たち特有の、本気で世界と関わってる感が感じられる目の描き方など好感でした。

 物語冒頭は観念としての二項対立的世界観(正義の勇者と悪の魔王みたいなの)を解体して、現実を認識した上でまだ見ぬ「丘の向こう」を目指すために魔王と勇者が契約する所まで。二項対立までが近代、その後がポストモダン、とかは批評世界やら思想世界やらで言い尽くされてる感がある話なのですが、結局でも二項対立の別解、それより先の解って何なのと言われるとよく分からなかった世の中さポイズン、という感じなので、自意識の迷宮を扱った90年代とか、相対正義でバトルロイヤルしたり世界がループしたりしたゼロ年代、とか、その流れから、ここで『まおゆう』だよ、と感じていた作品。

 主演が小清水亜美さんと福山潤さんなのも、世界の変革をああいう方向で目指す話だった『コードギアス反逆のルルーシュ』の次の話(ルルーシュとカレンと同じキャスト)とも感じられる、とは勝手にコンテクストを付加して考えすぎでしょうか。今回は魔王と勇者が、まじで農作物の改善から始める話ですからね。

 全話感想は無理っぽいですが、好きな作品なのでちょくちょく話題を書いていこうと思います。まだニコニコ動画の方で第1話観られるようなので興味ある方は是非。

まおゆう魔王勇者 (1) [Blu-ray]
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向かい風
向かい風

→次回:第2話「わたしたちをニンゲンにしてください」