星界の戦旗〈1〉―絆のかたち (ハヤカワ文庫JA)
星界の戦旗〈1〉―絆のかたち (ハヤカワ文庫JA)

 森岡浩之先生の星界シリーズ、『星界の紋章』の続編、『星界の戦旗』の感想となります。

 今月22日に『星界の戦旗5:宿命の調べ』が発売されるのに合わせて、10年くらい前にブログ以前のホームページに掲載していたものを再掲した形ですので、文章の拙さやいつもと雰囲気が違うのはご了承頂けたらと思います。
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■森岡浩之『星界の戦旗機槽のかたち〜』

<あらすじ>
 ラクファカールでの再会の約束から三年、ジントは主計烈翼翔士となってラフィールが艦長を務める突撃艦バースロイルに乗り込む。いよいよ本格化する“アーヴによる人類帝国”とアーヴを人間として認めない“人類統合体”との宇宙戦争……やがてバースロイルも戦乱の渦中へと抜錨する。

<コメント>
 一番の見所はやっぱクライマックスのバースロイル爆散のシーンだろうか。この辺はアニメ版の演出が秀逸!ラフィールがジントに向って言う一番大事な台詞が音声なし、ゆっくりと口がひらく描写だけ、そこに挿入される壮大なBGM、原作読んでる人はラフィールがなんて言ってるかわかってるだけに感動してしまうという仕掛け……俺も感動してしまった。俺のお気に入りの(今風に言う“萌え”の)アトスリュア・スューヌ=アトス・リュ―フフェブダク・ロイも初登場、アトスリュアとの「弔いの晩餐」の話は最近読んだ小説の中でも最高に“趣深か”った。この話がラストの台詞の伏線になってる辺も素晴らしい。その他一部の読者のハートを鷲掴みにしたエクリュア(綾波系)など、魅力的なサブメインキャラも多数登場。


■森岡浩之『星界の戦旗供措蕕襪戮もの〜』

<あらすじ>
 ビボーズ提督によって惑星ロブナス兇領亮臑綛圓貿ぬ燭気譴織薀侫ール、ジントはラフィールを残し一人領主副代行として地上世界へと降り立つが……彼を待っていたのは過酷な運命だった。

<コメント>
 これもラフィールとジントの絆の話。この二人、アーヴであるラフィールは遺伝子工学の恩恵により200歳まで生きるため一筋縄ではいかないんだが、ここでふと思う。俺、「ロードス島戦記」といい、この寿命差のある恋愛って設定に弱いなあ……。この寿命差のある恋愛って設定はあのJ.R.Rトールキンの「指輪物語」のアラゴルン(人間)とアルウェン(エルフ)のロマンスが最初だと思うんだが……やっぱいいんだよなあ。人間の限られた「時間」の中でどうやって絆を結んでいけるんだろうみたいなテーマ、俺は好きなんだよね。「ロードス島戦記」ではパーンが「人は永遠に生きられない代わりに子を育て、自分が生きた証を伝えていく、それが人の時間の積み重ねなんだ」と永遠の命を持つディードリットに語ってとりあえず結論づけて終わってるけど、「指輪物語」ではアルウェンがアラゴルンの死を看取るところまで描かれている……。星界の戦旗では是非ラフィールがジントの死を見届けるところまで描いて欲しい。森岡浩之がこのテーマにどう結論付けるのかすげー楽しみ。ま、いつのことになるか分らんけどさ。


■森岡浩之『星界の戦旗掘漸搬欧凌卓〜』

<あらすじ>
 ジントとラフィールは一路ジントの故郷、惑星マーティンへと向っていた。“三カ国連合”艦隊の撤退により帝国領に復帰したマーティンを正式にジントが伯爵として統治するためである。しかしマーティンの領民政府は頑なに帝国への帰属を拒んでいた……果たしてマーティンとジントの未来は?

<コメント>
 相変わらず面白いんだけど……機↓兇曚匹侶萃蠹なクライマックスはなかった感じ、ジントとリナの会話辺りがクライマックスなんだろうけどそれほどの感動はなし、この話で故郷との関係を絶たれたジントはいよいよアーヴとして生きていくしかなくなったわけだが、ジントの最後の居場所は「紋章」のラストあたりですでに見つかっているんだよね……。ちょっと冗長な感じがしてしまいました。でもアトスリュアが再登場など俺的な要所要所の面白さのツボは押さえている。とにかく続きを早く書いてくれってとこかな。グイン・サーガみたいな超長編にするつもりなんだろうから、もうちょっと書くペース上げないと完結までに森岡浩之の寿命が尽きてしまいそうでちょっと不安。

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(2013年の現在のコメント)
 なんか昔の自分エラそうな書き方でスイマセン(汗)。そして、10年前くらいから、このシリーズは完結するのだろうかと心配してる辺りが面白い。22日発売の『星界の戦旗5:宿命の調べ』で第一部完結とのことで楽しみです。

 僕は『絆のかたち』が一番好きだったりなので、初めて触れるという方は、『紋章』の後にこの『戦旗』一冊目までは読んでみてほしいかなー。

→アニメ版も思い出の作品です

EMOTION the Best 星界の戦旗 DVD-BOX
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EMOTION the Best 星界の戦旗II・III DVD-BOX
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→前回:森岡浩之『星界の紋章機銑掘戮隆響曚
→次回:森岡浩之『星界の戦旗検″造犹空』の感想へ
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