『翠星のガルガンティア(公式サイト)』第4話「追憶の笛」〜第10話「野望の島」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 今日はいつもの感想と少し違う感じで、普通に現実のヤフーニュースに載ってた記事の引用などをしてみたり↓


「ブラック企業」の台頭とうつ病/ヤフーニュース


 フィクションと現実は違うけど、一方で作り手も現実を生きてる以上、現実の何かはキャッチして描かれてるのが物語。

 と思ってるのですが、上記引用元のようなブラック社会がそのまま進み過ぎて、睡眠や生殖まで支配者側にコントロールされて目的のために死ぬまで働かされるのが人類銀河同盟で、じゃあブラック世界なら、人間本体の方を(もう人間的外見とか知性とかいいから)強靭に生物進化させてしまったのがヒディアーズ、みたいな?

 そして、ブラック世界の休息所的理想郷としての前半に描写されていたガルガンティアの日々、という。ある程度広く受容される創作作品には、その世相なりの視聴者のこうあれたならという「理想」が反映されているものと考えますが、だとしたら、第五話「凪の日」とか第六話「謝肉祭」は、疲れがちな視聴者としては理想の一つだよなと。僕も定期的に凪の日(休息の日)に水着の女の子とキャッキャしながら焼肉食べたりしたいですし。

 さて、システム自体はブラックだった、というのは虚淵玄さんが脚本の作品では『魔法少女まどか☆マギカ』でも同じで、あちらの作品では「システム自体のルール変更」が終盤に描かれたのだけど、今作はどう描くのか。

 想像になりますが、虚淵玄さんは奈須きのこさんと友達というくらいなのだから、何かしら独自の文明観は持ってる方なのだと感じています(『魔法使いの夜』関係のインタビューに顕著なように、奈須きのこ作品の底には文明への洞察がある。そして、今作では虚淵さんは劇中で明確に単語として出して「文明」について描いている。)。理想郷たるガルガンティアが、でもヒディアーズと同種の生物から電力を得ることで成り立ってるという設定などは深い……。

 そして、第五話の番組終了後の絵がHisasiさんで驚きかつ胸熱(僕の認識だと、最近えろ漫画界で熱い方)。鳴子ハナハルさんがキャラ原案だし、虚淵さんもエロゲーシナリオ出身。虚淵さんは上澄みとしての国際評価されるような日本発アニメが現れるのも、18禁作品も含めた多様で豊穣な文化的土台があってこそ、という趣旨(概意)のコメントをかなりオフィシャルな場によせていましたが、そういう精神を地でいって作品が作られてるようで嬉しい。

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→前回:『翠星のガルガンティア』第3話「無頼の女帝」の感想へ
→次回:『翠星のガルガンティア』第11話「恐怖の覇王」・第12話「決断のとき」の感想へ
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