週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」223Q「……最低です」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 個人能力による勝利絶対主義を進めて一人一人バラバラになっていく中、ついに最後まで連帯を願っていた黒子と桃井さんも破綻。ここからは別の道という台詞が印象的。

 この過去編で「みんないっしょ」っていう桃井さんの言葉を覚えてないと嘘をついて桃井さんを傷つけた意識が黒子にはあるのか。そのアンサーが、現在編コミックス9巻の、


「またいつかバスケやろーね! みんなで!」
「…はい」(コミックス第9巻より)



 だという。

 個人的に「黒子のバスケ」史上で一番ボロ泣きしたのは、現在編ウィンターカップVS桐皇戦(再戦の方)の、「青峰が昔のように笑ってるのに桃井さんが気づく」シーン。

 黒子と火神は過去にすれ違っていたはやり過ぎな気もしましたが、今話の桃井さんの涙は悲しいので、いや、数年後「青峰と互角に戦える他人」たる火神が現れて、黒子と連帯して青峰君を倒してくれる。また青峰君は笑ってくれるから! と、運命の男火神描写に素直に酔いたい感じでもありました。間接的に桃井さんを救うのは火神なんだよな。過去編の「キセキの世代」の破綻はいわば閉じたセカイゆえ(外の世界にもう敵がいないゆえの内部最適化が個人を分断する方に働き破綻に繋がっている)でもあるので、この世界は広くかつ不思議な縁で繋がってる感はいいな。「キセキの世代」が深刻な破綻劇を繰り広げていて、黒子も打つ手なしだった数年前の時間軸にも、後にそれらを救う男火神は普通にいたわけで。外に目を向けることとか、外部からの助けって、重要だよな……。

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黒子のバスケ/第1巻〜第16巻(ウィンターカップ桐皇戦決着まで)一気読み時の感想へ