『仮面ライダーウィザード(公式サイト)』第52話(最終回)「終わらない物語」の感想です。

 先週に引き続き、カテゴリ的には『仮面ライダーディケイド』の感想枠で。
 ウィザードおよびディケイド全編のネタバレも含みますので注意です。
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 起源の罠を最新が凌駕するという熱い展開。仮面ライダーの力を吸収するアマダム(出てくるのは平成仮面ライダー第一作『クウガ』なので、何かとこれまでの平成仮面ライダーシリーズの起源にある力を押さえてる感じに今回は描かれていたと思う)なんだけど、鎧武の力を吸収できなかったのは、まだ番組が始まってない最新の仮面ライダーなので、アマダムも把握不可能だったからと解釈しましたよ。『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010(当時書いた感想)』で、終わらないパロディの輪を抜け出して新しい作品(当時は『仮面ライダーW』)が始まることの是を描いた『ディケイド』的に、この二話の特別編は『ウィザード』でありつつ『仮面ライダーディケイド』でもあった感じ。

 オリジナル門矢士の、ちゃら〜♪(あの音楽)→説教→「通りすがりの仮面ライダーだ!」がまた観られたのもディケイド好きとしてはテンション上がりましたよ。仮面ライダーの本質を「人間の自由のために戦うもの」と評した「ある人」が誰かは謎のままなのもディケイドっぽい。石ノ森章太郎だろうか? とかは思うのですが。ディケイドはメタ存在だから普通に会ったことあってもおかしくない。この特別編二話が、「敵と同じ力で戦っているのに、怪人と仮面ライダーを分けるものは何なのか」という、『仮面ライダー』の根幹を題材にしていただけに、原作者クラスが遠景に物語に組み込まれていても驚かない。

 希望を希求してパラレルこよみを救済するという点で『仮面ライダーウィザード』であり、通りすがりの仮面ライダーの助力で救われ得るものがあるという点で『仮面ライダーディケイド』であり、通りすがりのヒーローから伝導したものが次の通りすがりのヒーローを立ち上がらせるという点で、『ドキドキ!プリキュア』にも繋がる(感想参照)今年の東映作品だという感じでした。

 2011年以降のヒーロー像って本当難しいと思ってるのですが、まず東映なりに一旦ヒーロー像を総括するようなメタフィクション編二話で繋ぎつつ、新しいヒーロー、『仮面ライダー鎧武(公式サイト)』へ。楽しみなのです。





→前回:仮面ライダーウィザード第51話「仮面ライダーの指輪」の感想へ
→次回:『仮面ライダー鎧武』第1話「変身!空からオレンジ」の感想へ
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