週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第9話「修行開始」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 『UQ HOLDER!』を読んでる視点の一つである「悠久VS最新」という構図。例えば前者が作中ではエヴァの本物の魔法で、後者が魔法アプリ。あるいはメタフィクション的には、前者が旧作にして悠久の楽園を扱っていた『ラブひな』で後者がこの最新作『UQ HOLDER!』などと考えながら読んでいたわけですが。

 今回はターンとしては「悠久」側押しだったと思うのですね。1400年の積み重ねがある宍戸甚兵衛はやはり強いし、最後には長い時間存在していた重力剣、なんてものも出てくる。そして、物語序盤では最新の思想の前では刀太はそんなに興味を示してなかった瞬動術(長い時間受け継がれて研鑚されてきた技術)を、結局刀太は使ってみる、と。

 重力剣が抜ける展開になるのかどうか分かりませんが、『ネギま!』でやっていた相反するものをハイブリッドで飲み込んで進んでいく(ネギの属性の「闇」という言葉で描かれていたもの)赤松先生の作風的に、刀太の象徴的能力は「悠久」と「最新」のハイブリッドになりそうな予感はちょっとするのでした。

 そして、魔法アプリだ、軌道エレベータだ、と「最新」の凄さが描かれてきた中で、今話の「悠久」押しのターンもまた嬉しい。劇外に目を向ければ、赤松先生の「Jコミ」の活動とかは、旧作の力を現在の力に変換する活動なわけで、多分に長い時間積み重なってきたものの力を尊重してる活動でもあるわけで。

 そのままの勢いで、メタフィクション的に、『ラブひな』よりさらに遡って歴史的な漫画文化の力の「悠久」化と、そこから「最新」へみたいな話になっていったら熱いですね。





●応援:Jコミ

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