『仮面ライダー鎧武(ガイム)(公式サイト)』第4話「誕生!3人目のぶどうライダー!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 二つの対照が描かれていたと感じました。一つは、頭を使って考えて悩んだりするか、しないか(しないというか理不尽とかを割り切ってる)。

 森での戦闘シーンでは闘う理由を問う紘汰は前者だし、世界など理不尽が前提というスタンスで殺しにきてる貴虎は後者。

 ここが、呉島家での兄弟の会話にもかかっている。敷かれたレールに乗ってるだけでいいのかと考える光実は前者だし、既にユグドラシルコーポレーションで進んでいくレールに乗ってる、そこは考えるなの如きスタンスの貴虎は後者。貴虎さんは強いしカッコいいのだけど、理不尽を受け入れてるフシがあるのはちょっと悲しい感じ。既に一人ゲームの世界のファッション闘争とは違う、ガチ闘争の世界にいる感じなので、彼にもそういうスタンスで強者として進むことにした何かがあるのだろうけど。

 もう一つの対照は自分が傷つくか、他人を傷つけるか、で、こちらも今の所紘汰と光実が前者で、支配ゲームを勝ち抜いて他人の領域を獲得していくのもまた是な感じの戒斗、一つ上のステージで時に容赦なく殺しにいってる貴虎らが後者なのかな。

 紘汰のあり方に共鳴して、世界は悲しいんだからだったらせめて自分が傷つく方がいい……と光実が龍玄に変身するラストはカッコいいんだけど、危ういよなとも平成仮面ライダー視聴者、虚淵玄脚本読者としては思う。例えば、敵が自分たちと同系存在だと明らかになった時、そっちを突き詰めていくと自分の方を殺さないといけなくなる。

 また、光実君の変身も世界が悲しいことが前提だし、貴虎さんの割り切りも世界は理不尽なことが前提で、何かと世界の方は苦しい。

 世情的に多くの視聴者の認識はその世界の苦しさの点には共感の方だと思うので、じゃあ世界は、という話をどのフェーズまでやっていくのか。『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』が凄かったので、虚淵玄氏脚本にはめっちゃ新しい何かを見せてくれるんじゃないかと改めて期待しているのです。



仮面ライダー555(ファイズ) Blu-ray BOX1
半田健人
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2014-01-10


→前回:仮面ライダー鎧武第3話「衝撃!ライバルがバナナで変身!?」の感想へ
→次回:仮面ライダー鎧武第5話「復活!友情のイチゴアームズ!」の感想
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