週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」236Q「破られた…!?」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 黒子の影の能力が無効になってきてることが明らかとなり、222Q「僕らはもう」の感想などで書いていた「アイデンティティ」のテーマ(「自分って何?」みたいなテーマ)、まずは黒子編。影の能力がなくなってしまった後、どうやって「自分」を再獲得するのか。

 もともと「見る」能力の赤司くんに対して「(人から)見えない」が能力の黒子……とやっぱりこの二人が対になる作品の核心の二人でもあると思うのですが、黒子がドリブルやシュートを獲得すれば影能力は失われていくと把握して帝光時代はパス以外やらせなかったという赤司くんなので、今話時点では「見る」側の赤司くん優勢。

 黒子のアイデンティティを見つけてくれたのが赤司くんなので、「過去を乗り越える」という作品全体の作劇的に、ここで過去の赤司くんから与えられたアイデンティティが一旦崩壊するのは綺麗。

 現在から未来の黒子テツヤ再獲得はどっちの方向にいくのだろう。アニメ第二期のOPの最初を観ると(光の中応援者たちに手をあげる黒子)、当事者でいられなかったゆえにバッドエンドだった過去を乗り越える意味で、自身も光る方にいく気もするし、やっぱりあくまで己の本質は影、みたいなのもカッコいい。

 あと、リンク先の過去の感想でも書いたけど「アイデンティティ」のテーマにはもう一層奥がある気がして、過去編で黒子を見出した赤司くんはどっちの赤司くんだったの? みたいな話だよな。赤司くんの方も、アイデンティティ問題を実は抱えている。

 赤司くんはラスボスと言うより救済対象だと思ってるので、どの奥行までいくのか、決勝戦始まったばかりだけど楽しみにしております。





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