週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第10話「重力剣」の感想です。
 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 「2年間」という時間にそれぞれの解釈が加えられる。雪姫から見た宍戸甚兵衛を突き落として放置していた2年間は軽く(ジンベエ本人も軽く感じてるように思う)、夏凛から見た雪姫が刀太と二人で暮らしていた2年間は重い。たかが二年になるのか、されど二年になるのか。修業期間が悠久にも出来得るという点について『ラブひな』も絡めて浪人時間が永遠でもいいか、一時で終わらせるかの対照だという話を書いたけど、そういう視点もあって面白い。漫然と過ぎていく二年と運命の二年になる分岐は何なのかとか、そういう話。

 非常に物語論的に作られている作品だとも感じるので、例えば刀太と夏凛が人類が滅亡した時に残る最後の2人かもしれないというような話は、『旧劇場版エヴァンゲリオン』だよな(解釈の評論などは多々あるけど、やはり最後がシンジとアスカだけで閉じている)。

 その閉じたセカイは乗り越えようと進めてきたのが2000年代の物語なわけで。

 それでも、『魔法先生ネギま!』では閉じたセカイを抜ける物語が描かれたけれど(「完全世界」を抜けるあたりね)、「白き翼 ALA ALBA」という共同体は崩壊した所から『UQ HOLDER!』は始まっている。推測される通り何名かは本作の時間軸で生き残ってるとしても、バラバラになって、忘れ去られていく時間は訪れた。

 で、前も書いたけど「UQホルダー」は「その次」の共同体の話だと思うのですね。地下に閉じ込められた状態ながら、刀太がしきりと村のダチ4人のことを語るのが印象的。物理的に隔たれているし、今では生きる時間も違ってしまった友人たちなんだけど、彼らも含めた「次」の共同体のようなものを求道していくと。

 フライングの解釈かもしれないけれど、運命の二人要素が匂わされたり、「愛が重い」と語られる夏凛は90年代的要素なのかもしれない。90年代セカイ系も、ゼロ年代も、その次も、全部連れて行くよみたいなコンセプトなのだとしたら面白い。





●応援:Jコミ

→前回:「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」Stage.9「修行開始」の感想へ
→次回:「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」Stage.11「魔獣退治」の感想へ
「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」感想の目次へ

「魔法先生ネギま!」マガジン連載分感想の目次へ
『魔法先生ネギま!』/コミックス感想の目次へ
クーネギ推奨!ネギと結婚するのは古菲説・まとめ